職務経歴書を準備するのが面倒です【転職相談室】
転職するにあたって職務経歴書を準備しなくてはならないとはわかっているものの、「過去の実績をこまかく思い出したり、自己アピールを考えたりするのが面倒で、職務経歴書になかなか手をつけられない」という方がいます。
そのような悩みに対し、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏がアドバイスします。
目次
転職するにあたり職務経歴書を準備しようと思っているものの、まとめるのが面倒で着手する気がなかなか起きません。どうすれば楽に作成できるでしょうか?(Eさん/25歳/IT関連)
入社から3年、ステップアップのために初めての転職をしようと考えています。ただ、職務経歴書が必要だということはわかってはいるのですが、自分の実績を細かく覚えていませんし、自己アピールも苦手なので、面倒に思えてなかなか手をつけることができません。職務経歴書を簡単かつ的確にまとめられる方法があったら教えてください。
ゼロから書き始めるのではなく、まずは見本を参考にしながら書いてみる
アドバイザー
ステップアップのために転職を考えているですね?
相談者
はい。ですが、職務経歴書を作成することを考えると、どうも面倒で…。転職活動には、やはり職務経歴書は必須なんでしょうか?
アドバイザー
そうですね。職務経歴書は必須と考えてください。リファラル採用(※)などで職務経歴書を提出せずに採用が決まることはありますが、それはごく稀なケースです。
(※)企業に所属している社員が、自社にフィットしそうな人材(友人、知人)を人事に紹介する、という採用手法の一つ
相談者
素朴な疑問なんですが、職務経歴書はどうして必要なんでしょうか?
アドバイザー
選考の土台に乗るため、と考えてください。例えると、職務経歴書は応募者自身のホームページのようなもの。企業側にとっては「応募者がどんな人なのか、どんな仕事ができるのか」という情報を得るためにそれが必要です。
相談者
わかりました。ですが、初めてなので、どのようにまとめればいいのかがわかりません。
アドバイザー
Web上には無料で利用できるテンプレートもありますし、職種別の職務経歴書の記入サンプルなどもたくさん見つかります。例えば、下記に掲載されているサンプルを参考にするといいでしょう。
相談者
なるほど、参考にします。
アドバイザー
職務経歴書はA4用紙1、2枚にまとめるのが一般的です。そうと聞くと時間がかかるように思えるかもしれませんが、Eさんの社会人歴は3年。10年の人と比べればそれほどかからないはずです。書き方も、サンプルに沿っていけば大きく躓くことなく進められるでしょう。
相談者
本当ですか。もっと時間がかかると思っていました。
アドバイザー
記載するのは実績(職務経験)、スキル、自己PR、志望動機などです。実績については、難しく考えずに、自分がやってきた業務を事実として記載していってみてください。
志望動機については、応募先ごとに書き換えることになるので記入しなくても構いません。多少時間を要するのは、実績の整理と自己PRの作成でしょう。それも、サンプルに沿って進めてみてください。
実績が不足している・細かい実績を覚えていない場合の対処法
相談者
実績といっても、自分にはあえて書き出すような立派な実績が思い当たりません。どうしたらいいでしょうか?
アドバイザー
実績というと、「MVPを受賞した」など華やかな類のものを思い浮かべる人もいるかもしれません。ですが、そのレベルでなくてもいいんです。わかりやすい実績があるに越したことはありませんが、企業が見たいのは、応募者の仕事ぶりや仕事への取り組み姿勢なのですから。
相談者
例えば、どんなことを書けばいいんでしょうか?
アドバイザー
業務内容にもよりますが、例えば「納期を守るためにこんな工夫をした」「こんな工夫をして効率化を図った」など、創意工夫しながら着実に仕事をしていることがわかるような事実を記入してください。
相談者
3年間の仕事を一つひとつ思い返して書き出さなくてはいけないでしょうか。細かいことはあまり覚えていなくて。
アドバイザー
すべてでなくて構いません。「充実感を得られた仕事」「褒められた仕事」「苦労した仕事」などを2つ、3つ選んでください。
ピックアップした実績については、“STAR”の観点で整理していくと、簡潔にまとめることができます。
「S」=Situation(状況)=どのような状況で
「T」=Task(課題)=どのようなタスクを持っていて
「A」=Action(行動)=どのような行動をとったか
「R」=Result(結果)=どのような成果を上げたか
アピールポイントを考えるのが苦手な場合は
相談者
実績の整理の仕方はわかってきました。ですが、実は自己PRも思いつかなくて…。
アドバイザー
自己PRを考える方法はいくつかあります。1つは、同僚や上司、顧客などから言われた誉め言葉や自分の特徴を表す言葉を思い出し、参考にする方法です。
もう1つは、自己PRによく使われているキーワード(リーダーシップなど)を見ながら、自分に当てはまりそうなものはどれか、考えてみる方法です。
相談者
なるほど、キーワードから遡って自分の長所を探すんですね。いいヒントになりました。
転職エージェントを利用する方法も
アドバイザー
ほかにも、転職エージェントを利用するという方法もあります。キャリアアドバイザーと対話しながら、Eさんの特徴や強みを言語化してもらえますし、作成した職務経歴書を添削してもらうこともできます。
相談者
転職エージェントに登録すると、そんなサポートが受けられるんですね。
web上のツールを活用して手間を省く
相談者
記載内容のまとめ方はわかりました。実際に作成する手間を減らす方法があれば教えてください。
アドバイザー
先ほど無料のテンプレートの話をしましたが、転職サイトなどが提供しているWeb上のツールを利用するのがおすすめです。さまざまなサンプルはもちろん、まとめ方のポイントなども解説されているので、参考になると思います。
相談者
Web上にあるような汎用品を利用しても問題ないのでしょうか?
アドバイザー
全く問題ありません。こうしたテンプレートは、採用側が見やすいように設計されていますし、フォーマット通りに入力していくことで記入漏れを防ぐこともできます。職務経歴書にオリジナリティを出そうとして、自作する必要はありません。
相談者
フォーマット通りに入力できるなら、簡単にできそうです。
最初から“完成度100点”を目指さなくてよい
アドバイザー
書類選考は、「いい人を見つける」というよりは、「人材要件と大幅にずれていないかを確認する」という形になります。
ですので、下記の点が守られていれば十分です。
- 必要項目が入っていて、体裁も整っている
- 誤字脱字がない
- これまでやってきた仕事の創意工夫などが実績としてわかる
相談者
それならクリアできそうです、安心しました。
アドバイザー
最初から完璧な職務経歴書に仕上げようとすると、難しそうに思えてなか手をつけられません。内容は転職活動をしながらブラッシュアップしていけばいいので、最初は50~70点ぐらいからのスタートでいいんです。
相談者
作成のハードルが下がって、やる気が湧いてきました!
アドバイザー
実は、職務経歴書の作成は“転職に対する真剣度のリトマス試験紙”とも言えます。もし「転職したい」と切羽詰まっている状況であれば、面倒だとはそれほど感じないであろうということです。
一方で、「面倒だ」「忙しい」と強く感じ後回しになっているようなら、まだ転職の機が熟していない、と言えるかもしれません。
一度、自分で自分に作成期限を設けて、取り組んでみてはいかがでしょうか。
相談者
わかりました。想像していたよりも簡単にできそうなので、さっそく自分で期限を設けて作成にトライしてみます。参考になるアドバイスをありがとうございました。
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