転職で役立つ自己PR例文と書き方・アピールポイントの見つけ方を解説

転職活動で聞かれやすい質問のひとつが自己PRです。応募書類に記載すると強みのアピールになるため、事前に自己PRの書き方やアピールポイントの見つけ方を知っておくと良いでしょう。
キャリア・強み別の自己PR例文とともに、自己PRの構成や書き方をご紹介します。
【キャリア・強み別】自己PR例文
経験者、未経験者、第二新卒など、キャリアと強み別の自己PR例文をご紹介します。
経験者向け(営業)
私の強みは「提案力」です。
顧客の理解度に応じた商品提案はもちろんのこと、相場が悪いときほど状況の報告やフォロー等で、こまめに顧客との接点を持つように努めています。
その結果、顧客と良好な関係を築くことができ、月に1名ほどですが知人の紹介を受けるようになりました。現在の部署では自分自身の営業経験を踏まえて、メンバーに対して実践しやすいセールストーク・ツールの指導を心掛けています。資料作成の効率化や成功事例の共有によって好循環を生み出し、担当支店の手数料収入増加に貢献しました。
これまでに培った提案力を活かして、貴社の事業拡大に貢献したいと考えております。
未経験者向け(編集)
雑誌を読むことが好きで、小学生時代からファッション誌を愛読。
眺めるだけでなく、独自の企画を考えるという別の楽しみ方をしていました。
子供のころから描いていた「編集として企画を作りたい」という夢をあきらめることができず、昨年の4月から、編集業務を学ぶために学校に通っています。通勤時間を使って読書をしたり、退社後に課題原稿作成に取り組んだりと、毎日5時間程度は勉強をしています。
編集の実務経験はありませんが、貴社が力を入れている「〇〇」に関する記事にすべて目を通し、自分でも企画のアイデアを練っています。何事も素直に吸収していけるよう、努力する気持ちを忘れずに頑張ります。
第二新卒向け(営業)
学生時代より、行動力を意識し、多くの人に接する事を心掛けていました。
大学生時代は部活動の一環で、企業にスポンサーになってもらうよう営業をしていました。その頃から行動量と成果の自己目標を持って活動することを心掛けていました。
現職での約1年間は、既存顧客への提案に加え、1日の新規訪問件数の自己目標を持ち、少しでも多くのお客様に接することと新規開拓に積極的に取り組んでまいりました。
その結果、月間の新規件数は営業部で5位以内をキープし、賞も複数いただくことができました。さらに多くの経験を貴社で積み、自らの目標をさらに高く持てるようがんばる所存です。何卒よろしくお願いいたします。
コミュニケーション力(聞く力)
ハウスメーカーの営業として、傾聴を意識してご家族の暮らしに合った家づくりを提案してきました。
普段の生活の様子を丁寧にヒアリングすることで、お客様自身が気づいていなかったニーズを引き出し、当初の要望になかった間取りを提案し受注につなげたこともありました。
結果として、年間〇件の成約数を達成し、社内表彰を受けることができました。
協調性・チームワーク
常日頃からチームワークを大切にしています。
営業事務のチームリーダーを任された際、メンバーの一人が産休・育休を取得し一時期、職場を離れることになりました。
休みに入るメンバーも、その分の業務をカバーするメンバーもお互いが気持ちよく、安心して引継ぎができるように、タスク管理の仕方を改善し、やるべき業務の可視化を徹底。
誰がどの業務をどこまで進めているのかが明確になったことで、協力しやすい雰囲気が生まれ、チームの業務効率を上げることができました。
誠実さ
カスタマーサポートとして、お客様に誠実に向き合うことを大切にしてきました。
商品について厳しい指摘やお叱りの声をいただくこともありますが、わざわざご意見をいただけるということは、「商品をより良くしてほしい」という思いがあるからこそ。いただいたご意見によっては、社としてどう改善したかを後日連絡することもありました。
誠実さを大切にした対応を続けた結果、当商品の大ファンとなり、何年も定期購入を続けてくださったお客様もいらっしゃいます。
主体性・実行力
人事として、部門採用の浸透に力を入れました。とくにエンジニア採用に苦戦しており、業務内容やその魅力を詳細に伝えられるエンジニア自身が採用に携わらなければ、いい人材を引きつけられないと考えました。
当初、「採用は人事の仕事」と考えているメンバーも少なからずいましたが、採用に関する勉強会の実施や、採用を進めるにあたってのマニュアルの作成や周知、現場が採用に携わる大切さを粘り強く伝えることで、各部門に賛同者を増やしていくことができました。
その結果、1年後には部門との連携が当たり前になり、エンジニア採用数の目標達成につながりました。
真面目さ
経理として、常に確認を怠らない真面目さが強みだと考えています。
経理部には、請求書や領収書、発注書などの内容に関して、各部署からさまざまな質問が寄せられます。
少しでも分からないところがあれば、曖昧な返答はせずに確認してから答えることを徹底しており、おかげで、「何をすべきか明確になった」「いつもわかりやすくて助かる」という声をもらっています。
自己PR例文集
そのほかの強みをアピールする自己PR例文は、以下のリンクからご確認いただけます。
自己PRとは?
自己PRとは、「仕事へのこだわりや強み」をアピールする項目です。
採用担当者は、この質問を通じて社風や仕事内容にマッチしているかどうかを判断しています。
自己PRの構成
自己PRが上手くまとめられない場合は、「書き出し」「具体的なエピソード」「その成果」「締めの言葉」の4つで構成すると文章が作りやすくなます。
なお、「強みが分からない」という方は、リクナビNEXTの「グッドポイント診断」 を利用すると、無料で強みを診断することができます。

自己PRの書き方4ステップ
【ステップ1】強み・経験領域・こだわりなどで書き出す
採用担当者は、毎日多くの職務経歴書に目を通しています。
文章の冒頭で、企業が求める強みや経験に関するキーワードを、わかりやすく伝えることを意識しましょう。
<例>
「私の強みは、データに基づいた戦略立案力です」
「現職で10年間、対個人向けの営業として、豊富な商談スキルを身に着けてきました」
【ステップ2】書き出しを裏付けるエピソードを入れる
自己PRでは、「具体的にとった行動を、初対面の第三者が読んでもわかるように伝える」こと、そして「内容の一貫性」が重要です。
書き出しで伝えた強みやスキル・経験を裏付けるエピソードが盛り込まれていなければ、「自己分析が深まっていないのでは」「自分自身の理解が乏しいのでは」と懸念されてしまい、文章に説得力が生まれません。
<例>
「マネージャーとして、チームメンバーの成功事例の要因分析と共有をスピーディに進め、『このチームなら達成できる』という雰囲気を醸成しました」
「お客様の話にじっくり耳を傾け、お客様自身が気付いていないニーズを整理した上で、自分がどのように貢献できるかを提案しました」
【ステップ3】成果を入れる
とったアクションに対する成果を、数字・固有名詞を盛り込んで伝えます。
特に異業界への転職の場合、応募企業側に業界の相場観がなく、仕事の難易度を理解されない可能性があります。
<例>
「全国に100あるチームのうち、月間1位の成績を半年続けてとることができました」
「社内で設定された目標を外したことはなく、入社2年目には全社の年間売上ランキングで5位を獲得しました」
「困ったことがあるとすぐにご相談をいただき、9割の顧客は保守契約を継続されています」
「メンバーが当事者意識を持ち、20XX~20XX年のグループ目標を○%達成することができました」
【ステップ4】締めの言葉でまとめる
自己PRの締めには、入社後に実現したいことを伝えます。
自身の強みやあげてきた成果、実績との一貫性を意識し、「入社後に長く活躍してくれそう」「事業成長に貢献してくれそう」と思ってもらえるようにまとめましょう。
<例>
「入社後は○○を磨きながら、即戦力として成果を出したいと考えております」
「これまでの○○の経験を活かして、貴社の成長に貢献したいと考えております」
「できる限り早く仕事を覚え、すぐにお役に立てるよう邁進するつもりでおります」
自己PRを差別化する3つの方法
自分らしさを交えながら、自己PRを印象づけるためのポイントを3つ解説します。
ポイント1. 数字を盛り込む
自己PRで伝える業務内容やエピソード、成果には数字を盛り込むと説得力や具体性が増します。
特に異業界に転職する場合は、自己PRを通じて伝えた内容を採用担当者がイメージしにくい可能性があるため、できる限り数字や固有名詞などを盛り込むようにしましょう。
ポイント2. 具体的なエピソードを交える
初対面でも仕事内容をイメージしやすいように、具体的なエピソードを交えて簡潔に伝えましょう。
なお、エピソードは、「STAR」というフレームを使うと分かりやすく伝えることができます。
「自分の強み」+「エピソード(STAR)」+「エピソードで得た経験・スキルが、応募企業でどのように活かせるか」という構成で、自己PRを伝えましょう。
Situation(状況):自身が置かれていた状況 Task(課題):解決しようと考えた課題・問題、目標など Action(行動):課題解決や目標達成のために起こした具体的な行動 Results(結果):成果や得られたこと |
ポイント3. 応募企業との接点を意識する
自分のアピールしたい強みは応募企業で本当に活かせるのか、自分のスキルや経験と、企業が求めている人材の接点を意識して話します。
応募企業の求人情報や企業サイトなどをよく読み、必要としているスキルをチェックした上で、自分のどういった持ち味が活かせるかを整理しましょう。
よくあるNG例文(3選)
企業がより魅力を感じる自己PRを書くためには、NG例と改善方法も理解しておくといいでしょう。
ここでは、よくあるNG例3つを解説します。
エピソードが抽象的
<例文> 私の強みは、主体性があるところです。前職では、コールセンター部門のチームリーダーとして周りに積極的に声をかけ、働きやすい職場づくりに貢献しました。 |
<NGポイント> 具体的なアクションや成果が読み取れず、実際に“貢献したかどうか”を客観的に測れません。 主体性とはどのような特性を示しているのかも曖昧です。 |
<改善方法> 「コミュニケーション能力が高いです」「協調性があります」など、人によって解釈の異なる多義的な言葉を使った強みのアピールは、誰にでも言える“ありきたりな内容”と思われがちなので避けましょう。 加えて、書き出しでアピールした強みを、どのような仕事で発揮したのか、根拠となる具体的なエピソードを入れて、説得力を高めましょう。 入社後にどのように活躍できるのか、採用担当者が具体的にイメージできるような情報を盛り込むことが大切です。 |
複数のエピソードが混在
<例文> 事務職として、周りの困りごとを察知し、先回りして動くことに長けています。社内では会議資料の作成や、営業資料づくりのノウハウの共有をいち早く進め、周りから『仕事が早い』と評されることも多いです。部門横断のプロジェクトでは、リーダーとして勉強会の主催も提案しました。お客様対応を求められるシーンでは、相手の話すスピードやトーンに合わせたコミュニケーションを心がけ、信頼構築に努めています。 |
<NGポイント> 強みのアピールと、その後の具体的エピソードとの一貫性がなく、エピソードの種類もバラバラです。 結果的に、何を一番伝えたいのかわからない文章になっています。 |
<改善方法> 自己PRには文字数制限があることがほとんどです。エピソードは1個、多くても2個までに絞り、一つのエピソードを具体的にわかりやすくまとめることを意識しましょう。 エピソードをいくつも盛り込むと、内容が長くなりすぎたり、一つひとつのエピソードの内容が薄くなったりと、結局何を一番アピールしたいのかがわからなくなるのでやめましょう。 |
企業が求める人物像と乖離
<例文>顧客と長期的な関係を構築する法人営業に対して 個人向け営業として半年で〇件の受注を上げ、社内で表彰されました。顧客接点を増やし商談の効率を上げるために、自ら商品の魅力を伝える冊子を作成して訪客後に一斉送付するなど工夫を重ねました。量をこなすことで、営業力を高めることができたと思っています。 |
<NGポイント> 応募企業の仕事内容が「1社のお客様に長期的にじっくり付き合いながら関係を構築していく既存法人営業」であるのに対し、「短期間で多くの受注数を上げていく個人営業」の経験を伝えています。 採用担当者は「当社の営業スタイルに合わないのではないか」と懸念を持つでしょう。 |
<改善方法> 自分の強みを具体的なエピソードとともに伝えられていても、企業がその強みを求めていなければ、アピールにはつながりません。 その企業のニーズ、仕事で求められる要素をしっかりとリサーチし、理解した上で自己PRの内容を組み立てましょう。ょう。 |
アピールポイントの見つけ方
「アピールできる強みや長所が思いつかない」「伝えられるエピソードがない」ときの工夫や、考え方のコツを3つご紹介します。
自己分析診断ツールを使ってみる

例えばリクナビNEXTでは、無料で使える自己分析ツール「グッドポイント診断」をご用意しています。
簡単な質問に答えていくだけで、強みを5つ明らかにすることができます。
診断結果は8,568通り。診断ツールを活用して、自分の強みとなるキーワードを探してみましょう。
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短所を言い換えてみる
長所を探そうとしても見つからない場合は、短所を思い浮かべて言い換えることで、自分にピッタリの長所を見つけられるかもしれません。
・融通が利かない → 慎重、堅実性 ・優柔不断 → 協調性、柔軟性 ・短気 → スピード重視 ・大雑把 → 行動力、大胆さ ・飽き性 → 好奇心が強い、切り替えが早い |
ちょっとした工夫をヒントにする
大きな成果が出ていなかったとしても、日ごろから業務上で意識していることや、前向きに取り組んでいる工夫などでも十分アピールになります。
自己PRは「社風や仕事内容への適性」を判断するためのものです。
深く考えすぎず、過去の自分の仕事を振り返ってみて、どの仕事でも共通して心掛けていることなどを探してみましょう。
自己PRについてよくある質問
Q. 履歴書と職務経歴書の自己PR欄はどうやって書き分ければいい?
A. 履歴書のフォーマットはある程度決まっており、限られた文字数しか記入することができません。
履歴書には職務経歴書用に考えた自己PRを要約し、特にアピールしたい箇所を記入すると良いでしょう。
職務経歴書にはしっかりと自己PRを記載しましょう。
Q. 自己PRと長所の違いは何ですか?
A. 自己PRとは、「仕事へのこだわりや強み」をアピールする項目。採用担当者は、この質問を通じて社風や仕事内容にマッチしているかどうかを判断しています。
一方で、長所とは「自身の良いところ」を指すので、必ずしも仕事へのこだわりとは限りません。
Q. 自己PRと長所が同じ場合、面接ではどう応えるといい?
A. 自己PRと長所が同じ場合は、自己PRと長所が同じであることを前置きした上で、自己PRとは別のエピソードを端的に伝えましょう。
Q. 自己PRと志望動機の違いはなんですか?
A. 志望動機は、応募企業に対して「他の会社ではなく、この会社のこの仕事を希望する理由」を伝えるものであるのに対し、自己PRは仕事へのこだわりや強みをアピールするためのものです。
例えば、志望動機は「○○分野に特化した深い技術力を持っているから」、自己PRは「技術力を磨くための探究心が強み」など、一貫性があると志望動機の説得力が増すでしょう。
Q. 自己PRと自己紹介の違いは何ですか?
A. 「自己紹介」は、面接の冒頭で挨拶とともに氏名や簡単な自分の経歴について伝えるもの。そして、「自己PR」は、自分の強みや仕事へのこだわりを、具体的なエピソードや成果を交えて伝えるものです。
自己紹介は面接の冒頭で聞かれますが、自己PRはこれまでの経験や仕事内容に関連して聞かれることが多いでしょう。
Q. 「受かる自己PR」とはどういうものでしょうか?
A. 確実に受かるとは言い切れません。
その上で、下記のような条件を満たす自己PRは「面接で話をしてみたい」と評価されやすい傾向があります。
1. 求人の人材要件に合っている 2. 事実ベースで具体的に述べている 3. 採用担当者が興味を引くキーワードが盛り込まれている 4. リスト |
Q. どうすれば印象に残る自己PRを作れるでしょうか?
A. わかりやすく、かつ企業との接点が感じられるような自己PRは印象に残りやすいと考えられます。
そのためには、下記のような工夫が有効です。
1. 異業界や他社の人でもわかるような客観的な数字を用いる 2. 納得感が得られるような論理構造にする 3. ストーリーが伝わるような構成にする 4. 求人の人材要件に合っていることがわかるように書く |
Q. 自己PRのエピソードは何個くらい書けばいい?
A. エピソードは1つ、多くても2つに絞って書きましょう。
ポイントを絞り切れていないと、採用担当者に「情報を整理するのが苦手なのでは」「自分自身の理解が浅いのでは」という印象を与えてしまいます。
Q. 異業種・異職種への転職を希望するときはどう自己PRすればいい?
A. 異業種・異職種への転職では、採用担当者をはじめ応募企業側が、求職者のこれまでの仕事内容やその難易度、成果のレベル感を理解しにくい傾向があります。
相手が業界相場を知らない前提に立ち、よりわかりやすく伝わるように客観的な数字を入れてアピールすることが重要です。
Q. 職務経歴書中の自己PRの最適な文字数は?
A. 第二新卒など社会人経験が短い場合は、業務経験の短さを自己PRでカバーする必要があるため、400~600文字程度がオススメです。
社会人経験が長い場合は、経験・スキルでは伝わらない、人柄や強み・仕事への姿勢を中心に200~400文字程度で書くと良いでしょう。
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