応募したい求人が見つからない!自分に合った企業や仕事の探し方のコツ
転職活動を始めたのはいいけれど、ピンとくる求人が見つからない。仕事が本当に自分に合っているのか分からず迷い中…。たくさんの求人情報の中から理想の仕事を探すのは難しいものです。また、求人情報のどこをチェックしたら、自分に合っているのかを判断できるのか分からない人も多いのではないでしょうか。
そこで、数多くの求職者の方にアドバイスを行ってきた、リクルートキャリアのベテランキャリアアドバイザーに「自分に合った仕事の見つけ方」を聞いてみました。
転職後に後悔しないために、まずは自分が転職によって実現したい条件を振り返ってみましょう。
目次
給与、職場環境、ワークライフバランス…転職の軸を可視化してみよう
少し乱暴ですが、転職活動を「婚活」に例えてみましょう。あなたの結婚相手には何を求めますか?好みのタイプや希望は人それぞれですが、相手に求める条件が高すぎると、理想を叶える人はごく僅か、または見つからなくなってしまいます。
そして、条件を満たす相手を見つけたとしても、相手にもやっぱり好みや希望があり、簡単に相思相愛というわけにはいきません。あれこれとデートを申し込むか迷っているうちに、相手は別の誰かと結婚してしまうかもしれないのです。
――もちろん、結婚相手と求人は別のものですが、転職活動でもあまりに高い条件ばかりを望んでしまうと求人は見つかりませんし、条件に優先順位がついていないと迷いばかりが多くなってしまいます。迷いが多いうちは、求人を上手に絞り込むことが難しいのです。
また、婚活も会って話してみると印象が変わるように、転職も面接に行って実際に話してみないと、企業の良さや「合う/合わない」は分かりません。自分にとって合っている仕事は何か。まずは転職先の企業に求める軸を可視化してみることから始めてみましょう。
軸を可視化するための4つの観点
軸を可視化する方法として、人が企業に期待する項目を大きく4つに分けて整理するやり方があります。
まずは、あなたの現在の仕事に点数をつけてみましょう。点数は合計何点でも構いません。項目は、企業理念に共感できたりビジョンにワクワクしたりするなどの「目的への共感」、扱う商品が好きであるとか仕事内容が魅力的であるといった「活動内容の魅力」、風通しの良い社風であるとか優秀な従業員が多いなどの「構成員の魅力」、そして給与や福利厚生、勤務場所などの「特権の魅力」の4つです。
これまでの自分の仕事を振り返ってみて、どんなことに充実感、満足感を得ていたか、そしてそれは何に起因しているものなのかを考えてみましょう。
人が組織に期待するポイント
それぞれに点数をつけたら、今度は転職後に目指したい状態を点数化します。この時、合計点は変えないのがポイント。
転職先には、給与も社風も、ビジョンもできるだけ高い理想を求めたくなりますが、「すべての項目が満点」という仕事はなかなかありません。この表を作る作業によって、現在の仕事を振り返った上で転職後に実現したいことを明確にし、優先順位をつけることができます。
転職の優先順位のつけ方【参考例】
自分が求めていることはどこに書かれている?「合う/合わない」の確認法
実現したい軸が明らかになったら、次はその軸に沿ってどのように仕事を探したらいいのでしょうか。
求人の見つけ方とチェック方法をご紹介します。
企業理念、ビジョン、事業戦略…【目標への共感】
企業理念やビジョンは比較的わかりやすい項目です。多くの企業でホームページに理念やビジョンが書いてありますし、インターネットで経営者の名前を検索してみると、事業戦略を語っている記事が載っていることもあります。
大手企業なら役員や事業部長なども見つかるかもしれません。自分が本当に共感できるのかどうか、あらかじめ確認しておきましょう。
事業・商品の特徴、仕事内容、タスク…【活動内容の魅力】
特に異業種からの転職の場合、事業や商品の特徴、仕事内容についてイメージが沸きにくいかもしれません。
そのときは、企業が扱っている商品がどんなもので、どの会社が競合なのかを調べてみましょう。競合を調べることで、対象の企業がその業界でどのくらいのポジションに位置しているのかが分かります。
また、商品の顧客は誰なのか。法人なのか個人なのか。どのようにセールスしているのか。例えば「営業職」ひとつ取っても法人相手のルート営業と、個人相手の新規営業では仕事内容もタスクも全く違います。事業や商品を分解していって、仕事内容の具体的なイメージをつかみ、本当に転職後に実現したい仕事なのかどうかを確認しましょう。
社風、経営者、社員…【構成員の魅力】
経営者や社風は求人情報である程度分かりますが、「一緒に働く職場の仲間」を確認するには、やはり実際に会いに行くのが一番です。
面接は、人柄や職場の雰囲気を直接確認し、疑問を解消する絶好の機会。面接時に、職場で活躍しているのはどんな人なのか、仕事はどのように進めているのか、個人で動くのかチームで動くのか…といったことを質問すると、さらに人と人との関わり方が見えてきます。
評価・教育制度、給与、設備、勤務場所…【特権の魅力】
評価制度や福利厚生、設備などは求人情報や企業ホームページなどに記載されていることが多く、確認しやすい項目なのではないでしょうか。ただし、具体的な給与や評価制度などはやはり面接で確認するのが望ましいです。
なお、最初に重視する軸を設定しても、その軸に沿って転職活動を続けているうちに、別の軸に優先順位が変わることは少なくありません。たびたび変わるのは軸を決めきれていないということになりますが、軸が変わること自体は悪いことではありません。様々な求人を見て企業と接触しているうちに、本当に自分が求めていることが明らかになっていきます。
軸を可視化してみたら実際に応募して感触を確かめてみて、軸が本当に合っているかを自問自答してみましょう。自分の中で迷いが生じたら、客観的なアドバイスを友人や家族、転職エージェントのキャリアアドバイザーに求めるのもひとつの手です。
自分にとって「合う仕事」を見つけるために
求職者の方からすると、企業の採用条件は求人情報に載っている内容がすべてだと思うかもしれませんが、実はそれだけではありません。最初は採用条件を絞っていた企業が、求職者に会っているうちに採用条件を緩和したり、変更したりすることでマッチングの機会を広げるケースは少なくないのです。
ですから、今はまだ迷い中の方でも、転職の軸に合っていると思える企業にはなるべく応募し、面接に足を運んで企業を見極め、どれだけ自分が持っている経験やスキルがその仕事で活かされるかを伝えましょう。企業の感触を確かめ、軸を自問していくことで、あなたにとって「働き心地の良い」企業が見つかるのではないでしょうか。
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