職務経歴書を手書きで読みやすく仕上げるコツと書き方(見本付き)

職務経歴書を手書きする方法について、読みやすく仕上げるコツや注意点を組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏が解説します。
履歴書を手書きしたことで、文字量の多い職務経歴書も手書きしようかどうか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
職務経歴書は手書きとパソコン(スマートフォン)のどちらで作成しても問題ない
職務経歴書は、履歴書と同様に、手書きで作成しても問題はありません。
ただし、職務経歴書を手書きした場合は、メールで送付を求められた際に、書類をスキャンしてデジタルデータ化する手間がかかることを覚えておきましょう。また、採用担当者の中には「職務経歴書をわざわざ手書きで提出するということは、パソコンスキルに自信がないのではないか」「パソコンで書類作成した経験が少ないのではないか」と懸念する人もいるかもしれません。
なお、一般的には、一度作成したデータを保存して修正することができるため、パソコンやスマートフォンを活用して作成するケースが多いでしょう。
職務経歴書を手書き作成する際に用意するもの
職務経歴書を手書きするときに必要な用紙や筆記用具について解説します。
用紙
職務経歴書のフォーマットは市販されています。文具店や書店、通販サイトなどで探してみましょう。
職務経歴書には決まった書式がないため、自分でゼロから作成することもできますが、市販のものを利用することで作成時間を短縮できます。
ほかにも、インターネットでダウンロードしたフォーマットをA4サイズで印刷して使うことも可能です。印刷の手間はかかりますが、ダウンロードは無料なので、コストダウンにつながるでしょう。
参考リンク:「職務経歴書」の無料ダウンロードはこちらから |
黒色のゲルインクまたは油性ボールペン
筆記用具には、黒色のゲルインクまたは油性ボールペンを選びましょう。
ボールペンのインクには、水性や油性、ゲルインク、こすると消えるインクがありますが、書いた直後にこすったり、万が一濡れてしまったりした時にもにじまない油性ボールペン、または耐水性があって書きやすいゲルインクボールペンが手書きする時には向いています。
使ってはいけない筆記用具
- 消せるボールペン
- 修正テープ・修正液
- 砂消しゴム
上記の筆記用具は、第三者による改ざんが疑われてしまうため、職務経歴書などのビジネス文書への使用は認められていません。なお、書き間違えた場合は、最初から書き直すか、二重線と訂正印を使って訂正しましょう。
手書きの職務経歴書を読みやすくするコツと書き方

以下の5つのポイントを押さえて、手書きでも読みやすく美しい職務経歴書を作成しましょう。
1. 採用担当者が確認したい情報を簡潔にまとめる
職務経歴書を手書きで読みやすく仕上げるためには、必要な情報をしっかりと詰めた上で、無駄のない文章をつくることが大切です。まずは企業の採用担当者が確認したいポイントを把握して、情報を整理することからはじめましょう。
・経歴と求める人材要件がマッチしているか ・転職回数が多い・転職までの期間が短いなど定着性に懸念がないか ・成果や実績が具体的に記載されているか |
・企業が求める人材要件と、自分の業務経験やスキルとの共通点を書く ・経験豊富な場合はアピールしたい経験やスキルを強調してメリハリを持たせる ・成果や業績は具体的な数値を使って記載し、読み手がイメージしやすい内容にする ・企業が使っている言葉を選びながら、アピールしたいキーワードを散りばめる |
職務経歴書作成のより詳しいポイントは、次の記事を参考にしてください。
2. 書き始める前にポールペンの試し書きをする
職務経歴書を手書きするときは、まずボールペンの試し書きをしましょう。
ボールペンの種類や用紙の紙質の相性によっては、文字がかすれたり滲んだりする可能性があります。そのため、事前に試し書き用の紙を準備しておき、伸びやかに書けるかどうか確かめてから本番の用紙に書くことをオススメします。
3. 枠内にバランスよく記入できるように下書きする
手書きで職務経歴書を書く場合は、それぞれの枠内にバランスよく記入することも大切です。
枠内に書き切れず溢れてしまった…などということがないよう、まずは別の紙に下書きしてみましょう。
下書きする際に情報量や文字の大きさ、改行の位置など決めてから、本番の用紙に書き写すと安心です。誤字脱字の防止にもなるでしょう。
4. 箇条書きや、字下げなどを使って、読みやすいように余白をとる
文章量の多い職務経歴書を手書きする場合は、適度な余白があるとより読みやすくなります。
例えば、要点をまとめた箇条書きや、読みやすい位置での改行、段落分け、先頭の字下げなどを適宜使うように心がけましょう。
5. 文字の大きさ、間隔を均一にすることを意識して丁寧に書く
手書きの場合、文字にばらつきがあると読みづらさが増してしまいます。達筆である必要はないので、なるべく丁寧に書き、字の大きさと間隔を揃えましょう。
なお、書くことが少ない欄だけ間隔を広くして空白を誤魔化そうとしたり、アピールしたい部分だけ過度に文字を大きくしたりすると、かえって違和感が生じる可能性もあるので注意しましょう。
【職種別】職務経歴書の見本サンプル
職務経歴書の作成方法が「手書き」「パソコン」のどちらであっても、より重要なのは、これまでの経験・スキル、自己PRなどがわかりやすくまとまっていることです。
職種によって、まとめる要素や打ち出すポイントは異なるため、以下の職種別の職務経歴書見本を参考にしてみてください。
↓ クリックで開きます ↓
営業職
この職種の職務経歴書では、取り扱っていた商材、顧客の規模、数、商談相手の役職などに加え、売上・営業実績、顧客評価、社内評価(表彰の経験・成績)などの実績を具体的に記入しましょう。
企画・マーケティング・経営・管理職
この職種は、会社の規模によって、仕事内容が大きく異なるのが特徴です。職務経歴書では所属していた部署の規模、自分の役割を過不足なく明確にしておきましょう。
サービス・販売職
この職種の職務経歴書では、「こんな接客経験をしてきたから自分にはこんな強みがある」といえる具体的な情報を盛り込みましょう。店長候補の場合は、接客力だけではなく、マネジメント力についても言及できると良いでしょう。
Web・インターネット・ゲーム
進化の速いWeb系職種は、実績だけでなく持っている知識や技術も重要視されます。この職種の職務経歴書では、使用可能ツールとスキルレベルを具体的に記載しておきましょう。
専門職系(コンサルタント、金融、不動産)
専門性が問われる職種の職務経歴書では、「専門分野」「関わってきたプロジェクト」「実績」の具体性が重要です。表などを用いて分かりやすくするのもオススメです。
クリエイティブ(メディア・アパレル・デザイン)
この職種は、会社の規模によって、業務範囲に違いで出てくるのが特徴です。職務経歴書では、自分の役割(企画・コンセプトの立案の有無、実作業をしていたのか、ディレクションだけなのかなど)を明確にしましょう。
ITエンジニア(システム開発・SE・インフラ)
この職種の職務経歴書では、特にこれまでの経験や専門性が問われます。自分の専門スキルや経験をより理解してもらうために、簡潔に記し、表形式などで整理するようにしましょう。
エンジニア(機械・電気・電子・半導体・制御)
この職種は、スキルと実務経験が重視されます。職務経歴書では、スキルや関わっていた工程、役割などがすぐに分かるように、表形式でまとめるのもオススメです。
素材・化学・食品・医薬品技術職
この職種は、スキルと実務経験が重視されます。職務経歴書では、スキルや関わっていた工程、役割などを分かりやすくまとめましょう。研究や技術開発力だけではなく、他部署との連携や折衝能力、マネジメント能力もアピールできると有効です。
医療・福祉・介護系
この職種は、経験のほかに、コミュニケーションスキルも重視されます。業務の中で工夫や改善したことや、関係者との連携について、具体的に記入すると良いでしょう。
建築・土木技術職
この職種の職務経歴書は、領域担当、主担当か補佐か、保有資格などを具体的に記載しましょう。資格は未取得であっても「専門学校に通学中」「既に受験を済ませ結果待ち」などがあれば記載しましょう。
技能工・設備・交通・運輸
この職種は、経験のほかに、コミュニケーションスキルも重視されます。業務の中で工夫や改善したことや、関係者との連携について、具体的に記入すると良いでしょう。
その他
ブランク期間が長く、転職回数が多い場合には、どんなことを考え、ステップアップを目指してどのように自分自身を磨いてきたかを中心に書きましょう。
手書きでの職務経歴書作成に関するよくあるQ&A
職務経歴書を手書きする際に、よくある質問をまとめました。
Q. 職務経歴書を手書きした場合は、履歴書も手書きにしたほうがよいですか?
A. 何らかの事情で職務履歴書を手書きしたからといって、履歴書まで揃えて手書きにする必要はありません。
履歴書だけパソコンで作成したものを提出することも可能です。
ただし、応募企業から「職務経歴書と履歴書は手書きで提出する」などの指定がある場合は、それに従いましょう。
Q. 熱意を伝えるために手書きするなら「職務経歴書」と「履歴書」どちらがよいですか?
A. 職務経歴書または履歴書を手書きで作成することで、「熱意を伝えたい」「字のキレイさ・丁寧さをアピールしたい」という人もいでしょう。
どちらを手書きするか迷っている場合は、「履歴書」を選ぶことをオススメします。履歴書の方が、採用担当者が先にチェックする可能性がある上に、文字数が少ないため、書類準備かける時間が短くてすむでしょう。
Q.赤や青のカラーペンや蛍光マーカーを使ってもよいですか?
A.職務経歴書はビジネス文書のため、ボールペンのインクは黒を選びます。
アピールしたい部分を強調するために、赤ペンや青ペンを使ったり、蛍光マーカーでラインを引いたりするのは控えましょう。
Q. 職務経歴書の基本的な書き方がわかりません。
A. フォーマットの選び方から、記入欄ごとの書き方まで、職務経歴書に関する基本事項は以下の記事を参照してみてください。
関連記事:【保存版】職務経歴書のQ&A総まとめ |
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