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建築設計の志望動機で説得力を出す書き方|例文と採用担当者が見るポイントを解説

建築設計の志望動機で説得力を出す書き方

この記事でわかること

  • 組織設計事務所・ゼネコン・デベロッパーへの応募別に書き分け方がわかる
  • 採用担当者が評価する建築設計のスキルと、志望動機の書き方がわかる
  • 経験者の例文3つのアピールのポイントがわかる

建築設計の志望動機は、個人事務所から組織設計事務所へ転職する方も、ゼネコン設計部や、建築・技術系職種としてデベロッパーを目指す方も実績以外に何をアピールすべきか悩む人もいるでしょう。この記事では、採用担当が評価するスキルや4つの要素での組み立て方、応募先別の例文を紹介します。

監修 粟野友樹

組織人事コンサルティング 株式会社YAGAI 代表取締役CEO

建築設計の志望動機を書く前に確認しておきたいこと

建築設計の転職では、担当してきた建物種別・規模・設計フェーズが書類選考で経験を確認する重要なポイントになります。応募先の種類によって求められる設計の幅が異なるため、志望動機を書く前に求人情報で以下を確認しましょう。

  • 建物種別:住宅、商業、医療、公共 など
  • 担当フェーズ:企画・基本設計、実施設計、工事監理 など
  • 設計体制・業務範囲:意匠・構造・設備の分業体制、設計施工の一貫体制、企画・開発段階からの参画有無 など
  • 使用ツール:Revit等のBIMソフト、CAD
  • 資格:一級建築士、構造設計一級建築士、設備設計一級建築士 など

採用担当者が評価する建築設計のスキル・適性

建築設計の志望動機では、資格や物件リストだけでなく、応募先が求める建物種別や設計フェーズに、自身の経験を活かせるかも見られており、以下の4つのスキルが共通して評価されやすいポイントです。

設計力・設計意図を伝える力

企画・基本設計から実施設計まで、担当フェーズに応じて設計を進め、法規を確認しながら構造・設備の担当者と調整できるかが見られます。図面や模型、説明資料で意図を伝えた経験があると、採用担当者は入社後をイメージしやすくなります。

クライアント・関係者との折衝力

発注者やテナント、構造・設備設計者、施工担当者など、立場の異なる関係者との調整力も重要です。個人事務所で培ったオーナーとの折衝や、組織でのプロジェクト会議の経験など、応募先の業務でも活かせる強みとして伝わります。

法令・構造・設備の理解力

建築基準法や用途地域、避難・防火などの知識に加え、実務でどのような法規検討を行ってきたかを示すと、設計者としての経験が伝わります。設計上の安全確認や法令遵守への意識も、このスキルの一部として見られます。

BIM・図面制作力

CADによる図面作成や、BIMを用いた設計検討・モデル作成などの経験がある場合は、使用した工程や業務内容とあわせて伝えましょう。ツール名だけでなく、どの物件の工程で使ってきたかを添えると、採用担当者が入社後の活躍をイメージしやすくなります。

建築設計の志望動機の書き方|4つの要素で組み立てる

建築設計の志望動機の書き方のポイントは、以下の4つです。履歴書の志望動機欄は文字数が限られるため、以下の要素を盛り込みながら簡潔にまとめましょう。

転職理由・目指したいことを整理する

「なぜ転職するのか」と「建築設計者としてどうなりたいか」を整理します。大規模案件の設計に関わりたい、施工段階まで見据えた設計をしたい、企画・基本計画など、より早い段階からプロジェクトに携わりたいなど、応募先でどのように貢献したいか、どのようなキャリアを築きたいかという前向きな目的を軸にまとめましょう。待遇や勤務条件が転職のきっかけであっても、志望動機では設計キャリアや応募先で実現したいことを中心にまとめましょう。

なぜその企業を選んだかを明確にする

応募先の主力建物種別、設計体制、開発方針、担当フェーズの範囲などを調べ、魅力を感じた点と、自身の設計経験や今後携わりたい領域との接点を明確にしましょう。その企業ならではの理由を書くことで応募先の設計方針や事業内容を理解した、具体的な志望理由になります。

担当物件と自分の役割を具体化する

応募先には、「どのような建物を、どの規模・フェーズ・役割で担当したか」に加え、「その中でどのような設計判断や調整を行ったか」を伝えましょう。大型案件の経験がない場合でも、応募先で活かせる設計判断や関係者調整の経験があれば、具体的に示しましょう。担当物件数、用途、延床面積、総工事費、設計期間、担当フェーズ、チーム規模など、開示できる範囲で案件の規模や担当範囲が分かる数字を添えると、経験が伝わりやすくなります。

経験を活かせる業務と今後広げたい業務を分けて伝える

自身の経験と応募先の担当業務を照らし合わせ、これまでの経験や強みを活かしやすい業務を書きましょう。あわせて、将来担いたい業務や目指したい姿もひと言添えると、採用担当者が入社後の成長をイメージしやすくなります。

建築設計は応募先の種類で任される設計の範囲が変わります。「なぜその企業か」と「自分の経験を活かせる業務」は、求人情報に合わせて書くと、その企業ならではの志望動機になります。

建築設計の志望動機のNG例と対策

建築設計の志望動機では、以下のような内容だと採用担当者に「志望動機が薄い」と受け取られる可能性があります。

NG例
「建築が好きです」「責任感があります」など、興味や自己評価のみが書かれており、具体的な経験の記載がない

💡対策
採用担当者は実際の仕事で何をしてきたのかを見ています。制約条件を踏まえた動線設計や、関係者との調整を行った経験など、エピソードを1つ以上添えましょう。

NG例
実績や興味関心を並べただけで、応募先の開発方針や建物種別に触れておらず、なぜその会社なのかが見えない

💡対策
実績の羅列や興味関心だけでなく、応募先を選んだ理由を明確にしましょう。主力の建物種別や設計体制など、自身が魅力を感じた点とその理由を具体的に示すと、選社理由が伝わります。

NG例
「年収が高い」「残業が少ない」「休日が多い」などの待遇や勤務条件が志望理由の中心になっている

💡対策
待遇や勤務条件を志望動機の軸にしてしまうと、設計への貢献意欲が伝わりにくくなります。待遇や勤務条件が応募のきっかけでも、志望動機では担当したい設計キャリアと企業理由をメインにしましょう。

建築設計の志望動機 例文

建築設計の志望動機の例文として、個人事務所から組織設計事務所、ゼネコン設計部、総合デベロッパーへの3つのパターンを紹介します。自身の経験に置き換えて使ってください。

【個人・小規模事務所から】組織設計事務所へ

個人設計事務所での5年間で住宅・小規模店舗の意匠設計を担当し、基本設計から実施設計までひと通り経験しました。一級建築士の取得を機に、医療施設など専門性の高い案件を設計チームの一員として経験したいと考え、転職を決意しました。 戸建の設計では、狭小敷地での採光と耐震性の両立を意識した構造提案を重ね、施主から次の案件の依頼につながった経験があります。 貴社は病院・クリニック設計に実績があり、設計だけでなく、医療従事者など利用部門との調整にもチームで取り組む体制に魅力を感じ、志望いたしました。入社後は、住宅・店舗設計で培った施主との調整や基本・実施設計の経験を活かしながら、医療建築の設計経験を広げ、プロジェクトに貢献したいと考えています。

これまでとは異なる建物種別に設計領域を広げたいという転職理由と、住宅設計で培った経験を結び付けています。

【組織設計事務所から】ゼネコン設計部へ

今後は設計・施工部門が同一組織にある環境で、設計から施工段階まで継続してプロジェクトに関わりたいと考え、貴社を志望しました。組織設計事務所で商業施設の実施設計を7年担当し、テナントとの調整や設備・構造設計者との設計調整を経験してきました。大規模施設の実施設計では、テナントからの変更要望に対し、構造・設備計画との取り合いを確認しながら関係者と調整し、設計スケジュールを守って図面を取りまとめた経験を重ねてきました。貴社は大型商業施設の設計施工一貫案件が多く、設計と施工が連携し、施工段階で得られた知見を設計へ反映できる体制に魅力を感じています。これまでの商業施設設計と一級建築士としての実務経験を活かし、品質と施工性の両面を意識した設計に貢献したいと考えています。

設計から施工まで継続して関わりたいという転職理由と、商業施設での関係者調整の経験を示しています。あわせて、設計・施工が連携する応募先の体制を志望理由につなげています。

【設計事務所から】総合デベロッパーへ

設計事務所で分譲マンションの実施設計を6年担当してきました。事業主の仕様に沿った設計に加え、企画段階から住戸プランを提案する経験を重ねてきましたが、設計条件が固まる前の企画・商品計画段階からプロジェクトに関わりたいと考え、貴社を志望いたしました。住戸プランの提案では、敷地条件と採光を踏まえた複数案を用意し、うち2プランが採用された経験があります。 貴社では建築・技術部門が商品企画の段階から関わり、設計事務所や施工会社と連携しながら商品づくりを進めている点に魅力を感じています。分譲マンションの設計経験と一級建築士としての知識を活かし、商品企画や設計監修の立場から貢献したいと考えています。

企画段階から関わりたいという転職理由に、住戸プランを提案して採用された経験を結び付けています。

【第二新卒】小規模設計事務所から中規模・専門特化の設計事務所へ

「小規模設計事務所に入社後、約2年間、戸建住宅・小規模店舗の基本設計から実施設計までを担当し、施主との打ち合わせを重ねながら延床面積100〜200㎡規模の案件を3件担当しました。設計業務の流れをひと通り経験するなかで、社会的なニーズと密接に関わる建物種別の設計に携わりたいという気持ちが強まり、転職を決意しました。貴社は福祉・教育施設の設計に実績があり、利用者の安全性や動線を重視した設計への取り組みに共感しています。入社後は実施設計の補助から担当範囲を広げながら、一級建築士の取得と並行して、福祉・教育施設の設計者として専門性を深めていきたいと考えています。」

経験年数が短い分、担当件数と規模を具体的に示し、専門領域を広げたいという転職理由と応募先の特性への共感をあわせて伝えています。

まとめ

ここまで解説したように、建築設計の志望動機は、求人情報で建物種別と担当フェーズを確認し、応募先の特性と自身の設計経験の接点を4つの要素で組み立てましょう。「建築が好き」という思いや実績の羅列だけでは、どのような設計経験や志向を持つ人なのかが十分に伝わりにくいため、応募先の建物種別や設計体制への共感と、入社後に活かしたい設計経験をあわせて伝えることが大切です。 建築設計以外の職種の例文を見たい人は志望動機の書き方を参照してください。

粟野友樹
監修 粟野友樹

組織人事コンサルティング 株式会社YAGAI 代表取締役CEO
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、転職支援や企業の採用支援、人材育成・組織開発など幅広く人事領域のコンサルティング業務に従事している。

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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