履歴書や職務経歴書の準備が面倒な人のためのツール&転職準備のコツ

転職するにあたり履歴書と職務経歴書を作成するのが面倒な方のために、「めんどくさい」を解消できる各種ツールやサービスと、準備が楽になる書き方や考え方のコツを紹介。職務経歴書なしで応募できる求人についても解説しています。
履歴書や職務経歴書を準備しなくてはならないとはわかっているものの、過去の実績を思い出したり、自己PRを考えたりするのが面倒で進まないとお悩みの人のために、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏がアドバイスします。
目次
面倒な履歴書・職務経歴書の作成を少しでも楽に進めるには
ステップアップのために初めての転職をする場合、「履歴書や職務経歴書が必要だということはわかってはいても、職務経歴や実績の作成や自己PRが苦手で、面倒でなかなか手をつけることができない」という人もいるでしょう。
職務経歴書を簡単かつ的確にまとめる方法をレクチャーします。
自分でゼロから書き始めない
「履歴書や職務経歴書を作成することを考えると、どうも面倒で…。」という人は、まずは、自分でゼロから書き始めようとすることをやめましょう。
特に職務経歴書は、ゼロから自分で書き始めようとすると「何を書けばいいのか」「レイアウトはどうまとめればいいのか」から調べることになり、めんどくさい気持ちが倍増してしまいます。
リクナビNEXTをはじめとする各転職サイトでは、書く項目を定め、綺麗にレイアウト化した無料テンプレートやフォーマットを用意しているので、それに沿って穴埋めをするような気持ちで書き始めると気持ちも楽になるでしょう
自分の職種に応じた見本やサンプル例文を参考に書く
転職活動の準備の中でも、多くの人が面倒に感じがちな職務経歴書の作成には、職種別の記入サンプルを活用しましょう。職種別にアピールすると良いポイントが、実際の例文でまとまっています。
サンプル例文を自分の経歴に書き直してみることから始めるのが、めんどくさい気持ちを減らすコツです。
元々ある文章を手直しする形で書き出せば、大きくつまづくことなく短時間でも企業に提出できるような職務経歴書に仕上げることができるはずです。
まずは書き始めることが何よりも大事!オリジナリティを出したり、完成度を高めたりする作業は後からでも構いません。
事実を記入するだけの項目から書き始める
職務経歴書に記載するのは実績(職務経験・業務内容)、スキル、自己PRなどです。
まずは、難しく考えずに、自分がやってきた業務を事実として記載する実績(職務経験・業務内容)から書き始めると楽です。
多少時間を要するのは、実績の整理と自己PRの作成でしょう。
それも前述の通り、自分の職種のサンプル例文を修正するつもりで書いてみると、めんどくさい気持ちが薄れるかもしれません。
職務経歴書はA4用紙1、2枚にまとめるのが一般的です。
そうと聞くと時間がかかるように思えるかもしれませんが、A4用紙1枚は、これまでの実績(職務経験・業務内容)などを書き出すと、あっという間に埋まってしまうものです。
「履歴書」で“めんどくさい”と感じやすい項目への対処法
職務経歴書だけでなく「履歴書」作成も面倒に感じる人もいるでしょう。
転職活動で履歴書は欠かせないので、負担を最小限にして作る方法で進めましょう。
「めんどくさい」と感じない履歴書フォーマットを選ぶ
履歴書は、フォーマットが決まっているように思うかもしれませんが、実は少しずつ違います。
様々な形式があるので、自分が書きやすいフォーマットを選んでみましょう。
例えば、厚生労働省が作成した履歴書フォーマットは、志望動機や自己PR、趣味・特技などの欄が個別に設定されておらず、1つの欄にまとまっています。
そのため、自分が書きやすい要素を記入すればいいという利点があります。
証明写真を貼るのがめんどくさい人は パソコンで作成しデータで提出
履歴書で「めんどくさい」と感じやすい項目の一つに、証明写真の貼り付け作業があります。
街中でスピード証明写真機を見つけて、撮影して、ハサミで切って、のりで貼り付けて、という一連の作業をめんどくさいと感じる人は少なくありません。
そういう人は、パソコンで作成しましょう。
街中の証明写真機の中にはデータをダウンロードできる機械があります。
データをダウンロードして、パソコン上で貼り付ければ、ハサミものりも必要ありません。
またデータで作成しておけば、何度も作成する必要がないので、転職活動を進めるのが少し楽に感じられるかもしれません。
スピード証明写真機を探すのがめんどくさい人は、スマホアプリや場所検索を活用
街中でスピード証明写真機を探すこと自体がめんどくさい、という人はスマートフォンで利用できる、証明写真アプリを活用して自分で撮影するのも一つの手です。
ただし、証明写真の基本的なマナーは押さえておく必要があります。
背景や照明などを自分で工夫する手間に比べれば、街中のスピード証明写真機を利用した方が楽な場合もあるでしょう。
スピード証明写真機メーカーによっては、インターネット上で設置場所を検索できるようにしています。
「証明写真機 設置場所」などで検索してみると良いでしょう。
駅前や駅構内などにあることが多いので、通勤のついでに探してみるのもオススメです。
「職務経歴書」で“めんどくさい”と感じやすい実績や自己PRへの対処法
「実績」は事実を淡々と書けば、面倒に感じにくい
職務経歴書の実績欄を書くのを面倒に感じる場合、「自分にはあえて書き出すような立派な実績が思い当たらない」と悩んでいるケースが多いようです。
実績というと、「MVPを受賞した」など華やかな類のものを思い浮かべる人もいるかもしれません。
ですが、そのレベルでなくても問題ありません。
わかりやすい実績があるに越したことはありませんが、企業が見たいのは、応募者の仕事ぶりや仕事への取り組み姿勢なのです。
創意工夫しながら着実に仕事をしていることがわかるような事実を記入してください。
「納期を守るためにこんな工夫をした」 「こんな工夫をして効率化を図った」 など |
「細かいことを思い出す」のが面倒な人は、テーマを絞る
転職活動では、キャリアの棚卸しが重要と言われます。
しかし、「細かいことはあまり覚えていない」「思い出すこと自体がめんどくさい」という人もいるでしょう。
社会人になってから現在までの仕事のすべてを、一つひとつ思い返して書き出す必要はありません。
「充実感を得られた仕事」「褒められた仕事」「苦労した仕事」などテーマを2つ、3つに絞って思い出しましょう。
「文章としてまとめる」のが面倒な人は、フレームワークに沿って整理する
テーマを絞ってピックアップした実績は、“STAR”の観点で整理していくと、簡潔にまとめることができます。
「S」=Situation(状況)=どのような状況で 「T」=Task(課題)=どのようなタスクを持っていて 「A」=Action(行動)=どのような行動をとったか 「R」=Result(結果)=どのような成果を上げたか |
「自己PRを考える」のが面倒な人は、褒め言葉・キーワードから遡る
自己PRを考える方法はいくつかあります。
1つは、同僚や上司、顧客などから言われた誉め言葉や自分の特徴を表す言葉を思い出し、参考にする方法です。
もう1つは、自己PRによく使われているキーワード(リーダーシップなど)を見ながら、自分に当てはまりそうなものはどれか、考えてみる方法です。
キーワードから遡って自分の長所を探すと、案外簡単に見つかるかもしれません。
履歴書や職務経歴書の“めんどくさい”を回避できる無料診断・ツール・サービス(まとめ)
先ほど無料のテンプレートの話をしましたが、転職サイトなどが提供しているWeb上のツールを利用するのがおすすめです。
ここでは、履歴書・職務経歴書を実際に作成する手間を減らす具体的なツールをまとめて紹介します。
自己分析診断ツール
例えば、リクナビNEXTが無料で提供している「グッドポイント診断」では、質問に答えるだけで自分の強みを5つ発見できます。
リクナビNEXT上の求人に応募する際は、診断結果を企業に添付することもできるので、自己PRや長所の裏付けとしても活用できるでしょう。
他にも、厚生労働省が手がけるjobtagの「自己診断ツール」は、職業興味検査、価値観検査を無料で受けることができ、その診断結果をもとに適職を探すこともできます。
リクナビNEXTのレジュメ機能
リクナビNEXTのレジュメ機能も効率的に職務経歴書を作成できるツールです。
経験職種を選択すると、関連するスキルが表示されるので、選択していくだけで自分の経験・スキルをまとめることができます。
また、入力したレジュメをもとにAIが職務要約を作成してくれるのも便利です。
最小限の負担で書ける履歴書フォーマットのダウンロード
履歴書は、自分が書きやすい項目の入力欄が大きく、アピールすることが少ない項目の入力欄は少ないものを選ぶと、記入するめんどくささが軽減できます。
例えばリクナビNEXTでは、以下の5種類の履歴書フォーマットをダウンロードできます。
自分が書きやすいと感じる項目の履歴書を選んでみると良いでしょう。
フォーマットの種類 | 特徴 |
厚生労働省が発表した履歴書テンプレート | 「通勤時間」「扶養家族数」「配偶者」「配偶者の扶養義務」については項目がないので記入する必要がない |
経験豊富な方向けの履歴書テンプレート | 学歴・職歴欄が大きく、資格欄がコンパクトになっている |
経験に加えて意欲や強みを伝えたい方向けの履歴書テンプレート | 経験欄に加えて、志望動機欄と自己PR欄が設けられた履歴書 |
資格や意欲、自己PRを伝えたい方向けの履歴書テンプレート | 資格欄、志望動機、自己PR欄にゆとりがある履歴書 異業種・異職種転職を実現したい人にオススメ |
第二新卒など経験が浅い方向けの履歴書テンプレート | 学歴・職歴欄が大きくなく、代わりに志望動機や自己PR、趣味・特技欄が設けられている |
職種別の職務経歴書記入サンプル
リクナビNEXTでは、各職種別の職務経歴書の記入サンプルを無料で開示しています。
必要な職種について参考にしながら、職務経歴書をまとめていきましょう。
↓ 【各職種別の職務経歴書記入サンプル一覧】クリックで開きます ↓
営業職
この職種の職務経歴書では、取り扱っていた商材、顧客の規模、数、商談相手の役職などに加え、売上・営業実績、顧客評価、社内評価(表彰の経験・成績)などの実績を具体的に記入しましょう。
企画・マーケティング・経営・管理職
この職種は、会社の規模によって、仕事内容が大きく異なるのが特徴です。職務経歴書では所属していた部署の規模、自分の役割を過不足なく明確にしておきましょう。
サービス・販売職
この職種の職務経歴書では、「こんな接客経験をしてきたから自分にはこんな強みがある」といえる具体的な情報を盛り込みましょう。店長候補の場合は、接客力だけではなく、マネジメント力についても言及できると良いでしょう。
Web・インターネット・ゲーム
進化の速いWeb系職種は、実績だけでなく持っている知識や技術も重要視されます。この職種の職務経歴書では、使用可能ツールとスキルレベルを具体的に記載しておきましょう。
専門職系(コンサルタント、金融、不動産)
専門性が問われる職種の職務経歴書では、「専門分野」「関わってきたプロジェクト」「実績」の具体性が重要です。表などを用いて分かりやすくするのもオススメです。
クリエイティブ(メディア・アパレル・デザイン)
この職種は、会社の規模によって、業務範囲に違いで出てくるのが特徴です。職務経歴書では、自分の役割(企画・コンセプトの立案の有無、実作業をしていたのか、ディレクションだけなのかなど)を明確にしましょう。
ITエンジニア(システム開発・SE・インフラ)
この職種の職務経歴書では、特にこれまでの経験や専門性が問われます。自分の専門スキルや経験をより理解してもらうために、簡潔に記し、表形式などで整理するようにしましょう。
エンジニア(機械・電気・電子・半導体・制御)
この職種は、スキルと実務経験が重視されます。職務経歴書では、スキルや関わっていた工程、役割などがすぐに分かるように、表形式でまとめるのもオススメです。
素材・化学・食品・医薬品技術職
この職種は、スキルと実務経験が重視されます。職務経歴書では、スキルや関わっていた工程、役割などを分かりやすくまとめましょう。研究や技術開発力だけではなく、他部署との連携や折衝能力、マネジメント能力もアピールできると有効です。
医療・福祉・介護系
この職種は、経験のほかに、コミュニケーションスキルも重視されます。業務の中で工夫や改善したことや、関係者との連携について、具体的に記入すると良いでしょう。
建築・土木技術職
この職種の職務経歴書は、領域担当、主担当か補佐か、保有資格などを具体的に記載しましょう。資格は未取得であっても「専門学校に通学中」「既に受験を済ませ結果待ち」などがあれば記載しましょう。
技能工・設備・交通・運輸
この職種は、経験のほかに、コミュニケーションスキルも重視されます。業務の中で工夫や改善したことや、関係者との連携について、具体的に記入すると良いでしょう。
その他
ブランク期間が長く、転職回数が多い場合には、どんなことを考え、ステップアップを目指してどのように自分自身を磨いてきたかを中心に書きましょう。
転職エージェント
転職エージェントを利用するという方法もあります。
キャリアアドバイザーと対話しながら、自分の特徴や強みを言語化してもらえますし、作成した職務経歴書を添削してもらうこともできます。
リクナビNEXTに登録すると、リクルートエージェントにも同時に登録できます。
転職エージェントに登録する手間が省けますし、職務経歴書へのアドバイスも受けられるので、ぜひ活用してみましょう。
自分で改善ポイントを考えるよりも、アドバイスを受けてブラッシュアップした方が効率的かもしれませんね。
そもそも履歴書や職務経歴書は転職に必要?不要?
履歴書と職務経歴書の役割
転職活動の際に提出を求められる履歴書と職務経歴書の主な役割の違いは下記のとおりです。
履歴書:住所などの基本情報や学歴、略歴など応募者のプロフィールを確認する書類 職務経歴書:これまでの業務経験と、仕事で活かせるスキルを確認する書類 |
職務経歴書が必要ない求人もある
職種によっては職務経歴書が不要な求人や、リファラル採用(※)などでは、職務経歴書を提出せずに採用が決まることもあります。
どうしても職務経歴書を書くことに抵抗がある場合は、こういった求人を探してまずは応募してみることで、転職活動とはどんなものかを体感してみるのも一つの方法です。
(※)企業に所属している社員が、自社にフィットしそうな人材(友人、知人)を人事に紹介する、という採用手法の一つ
転職活動に履歴書や職務経歴書が必要な理由
履歴書は、住所などの基本情報を企業が把握し記録として保管するために必要です。
職務経歴書は、選考の土台に乗るために必要、と考えてください。
例えると、職務経歴書は応募者自身のホームページのようなもの。企業側にとっては「応募者がどんな人なのか、どんな仕事ができるのか」という情報を得るために必要です。
多くの企業では、職務経歴書を送らないと、基本的には企業内で選考を進めてもらえないケースが多いでしょう。
前述した一部の例外を除き、基本的には応募時には不要でも選考を進める中で、改めて企業側から提出を求められるのが一般的です。
履歴書・職務経歴書は最初から“完成度100点”を目指さなくてよい
書類選考で見られているポイント
書類選考は、「いい人を見つける」というよりは、「人材要件と大幅にずれていないかを確認する」という形になります。
そういった意味からも、履歴書・職務経歴書は“完成度100点”を目指さなくてよいのです。
履歴書と職務経歴書の最低限の完成レベル
最初から完璧な職務経歴書に仕上げようとすると、難しそうに思えてなか手をつけられません。
内容は転職活動をしながらブラッシュアップしていけばいいので、最初は50~70点ぐらいからのスタートで大丈夫です。
履歴書や職務経歴書の作成がめんどくさい人は、下記の点だけ守れば十分と心得ましょう。
作成のハードルが下がれば、やる気も湧いてくるかもしれません。
・必要項目が入っていて、体裁も整っている ・誤字脱字がない ・これまでやってきた仕事の創意工夫などが実績としてわかる |
最低限のレベルで良いので、自分に作成期限を設けて取り組んでみることが大事
実は、職務経歴書の作成は“転職に対する真剣度のリトマス試験紙”とも言えます。
もし「転職したい」と決意が固まっている状況であれば、面倒だとはそれほど感じないであろうということです。
一方で、「面倒だ」「忙しい」と強く感じ後回しになっているようなら、まだ転職の機が熟していない、と言えるかもしれません。
これまでに紹介したツールなどを活用しながら、書き始めてみると、想像していたよりも簡単にできるかもしれません。
一度、期限を設けて作成にトライしてみるのも一つの方法です。
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