【傾聴力の自己PR例文】履歴書や職務経歴書、面接でアピールするポイント

自己PRは、転職活動で必要となる職務経歴書や、面接でも必ず聞かれる重要な項目です。
ただ、いざ自己PRを考え始めてみると、「なかなか浮かばない…」と悩んでしまう方も多いようです。
そこで今回は、「傾聴力」をアピールしたい場合の自己PR文作成のポイントと、例文をご紹介します。
目次
「傾聴力」とは?
「傾聴力」とは、言葉の通り“相手の話に耳を傾けて聴くことができる力”を指します。
自身の主張や提案を伝える前に「まず相手の話を聞く」という姿勢は、社内のコミュニケーションやマネジメントなど、様々なシーンで活かすことができるでしょう。
また、顧客やパートナーとの商談も、最初は背景や課題などを聞くことから始まるため、傾聴の姿勢がとても重要です。
営業や販売など、対人スキルが求められる職種だけでなく、バックオフィスや企画・管理、研究・開発やクリエイティブなど、あらゆる職種で傾聴の姿勢が求められるでしょう。
「傾聴力」をアピールする場合のポイント・言い換え例
「傾聴力」は、別の言葉に言い換えることもできます。
例えば、以下のような言い換え表現が考えられます。
(言い換え例)
- ヒアリング力
- 聞く力
- 聞き上手
- 理解する力
- 意見を引き出す力
- 共感力
- 意見を調整する力
- ニーズを把握する力
- 洞察力 ・調和力
より自分の強みや持ち味によりフィットする言葉があれば、言い換えてアピールするといいでしょう。
また、自己PRはエピソードを交えて伝えると効果的ですが、エピソード内容に沿った言葉に言い換えればより強みが伝わりやすくなるでしょう。
自己PR作成のポイント(履歴書、職務経歴書、面接)
自己PR作成のポイントと、履歴書、職務経歴書、面接用に作成する方法をご説明します。
自己PRの作り方4ステップ
自己PRの基本的な作成ステップ、ポイントは以下の通りです。
- キャリアの棚卸しを行い、経験・スキル・得意分野を明らかにする
- 応募先企業のニーズを掴む
- 1と2を照らし合わせ、アピールできそうな「自分の強み」(※)を言語化する
- 3までを整理し、エピソードを交えて自己PR文にまとめる
※「自分の強み」に活かせる3つの力
自己PRに盛り込む「自分の強み」を考える際、大きく次の3つに分けられます。
- 他人に関わる力(協調性やチームワーク、指導・育成力など)
- 自分に関わる力(責任感、行動力、計画性、粘り強さなど)
- 課題に対する力(論理的思考力、分析力、企画力など)
「傾聴力」は他人に関わる力になります。
履歴書、職務経歴書、面接用の自己PR作成の流れとポイント
まず、職務経歴書用に200~400文字程度の自己PR文を作成しましょう。
履歴書はスペースが限られているので、職務経歴書用の自己PRのうち特に伝えたいことを中心に、100文字程度にまとめます。
面接の自己PRは職務経歴書用と同様になりますが、伝える時は表情や姿勢、話し方を意識しましょう。
また、自己PRに対して、「なぜそう感じたのか?」「苦労したポイントは?」など、さらに踏み込んだ質問が来る可能性があるため、付随する質問を想定しておくと万全です。
傾聴力を伝える際の注意点
傾聴力はどのような職種であっても必要となる力ですが、ビジネスシーンでは「ただ話を聞いて頷くだけ」では不十分です。
相手が抱えている課題や悩みを明らかにすることができず、信頼関係の構築や効果的な提案に繋がらないからです。
ビジネスでの傾聴力とは、相手の価値観や背景などを理解するために事前の情報収集や質問の準備を行い、会話中は言葉遣いや表情にも注意を払って、コミュニケーションを図りながら真意を聞き出すことができる力を指しています。
傾聴力を自己PRに使う場合は、「傾聴で心がけていること」や「工夫点」を交えつつ、「傾聴力によって得たこと」や「成果」を具体的なエピソードとともに伝えるようにしましょう。
【職種別】「傾聴力」の自己PR例文
「傾聴力」を強みにした自己PRの例文を、職種別にご紹介します。
キャリアアドバイザーの自己PR例文
キャリアアドバイザーとして、「傾聴の姿勢」を大切にしています。
面談では、年収や家庭の事情など、プライベートな部分にも触れるケースが多いのですが、初対面でいきなりすべてを打ち明けていただけるのは難しいと考えています。まず、信頼関係を構築するために、傾聴の姿勢でしっかりと話を聞くようにしています。また、キャリアの提案や求人のご紹介も、求職者の意思を尊重し、できるだけご自身が納得できる道を探るようにしていました。
その結果、利用者アンケートでは、「提案を押し付けず、じっくり話を聞いてもらえた」との声が多く、20XX年から3年間、50名が在籍する部内で上位5名に贈られる「優秀アドバイザー賞」をいただくことができました。
転職は、人生の大きなイベントのひとつです。求職者の本音をしっかりと引き出した上で、専門家としてのアドバイスを提供したいと考えております。
営業の自己PR例文
「傾聴力」を活かして顧客との関係性を築いてきました。
私が担当している約200社の顧客の大半は、1~3店舗以内の小規模飲食店の経営者です。アルバイトスタッフの採用や育成、コスト削減、仕入れ先の開拓、テナント探しなど、様々なテーマの課題を抱えてとても忙しいため、自社サービスの案内だけでは、アポの時間をいただくことが難しい状態でした。
そこで、アポの目的を「商談」「サービスの案内」から、「課題を聞くこと」に切り替えて、顧客接点や関係性の構築を最優先にしました。経営者の話に耳を傾けて、経営のヒントになりそうな情報をサービスの案内書に盛り込んだところ、アポが取りやすくなりました。また、顧客の課題を聞いて課題解決のお手伝いをしていると、サービスのご案内も前向きに検討していただけるようになりました。
その結果、昨年は前年比121%で目標達成し、月間目標も18カ月連続達成中です。今後も、傾聴力を活かして顧客満足度を高めていきたいと考えております。
事務の自己PR例文
私は、自身の強みを「傾聴力」だと捉えています。
現在、営業事務として顧客データの管理などを担当していますが、データを活用する営業担当者にこまめにヒアリングを行い、必要なデータがすぐに取り出せるよう工夫しています。
例えば、営業ごとに担当クライアントのデータをまとめたり、前年同月比の数字をグラフ化したりするなど、営業活動にすぐに活用できるようにしています。普段から営業担当者のニーズを把握しておくことで、必要なデータを先回りしてまとめることもあり、営業部門からとても喜ばれています。
間接的ながら、営業成績にも貢献できているのではないかと自負しています。
販売(サービス)の自己PR例文
現在、婦人服店の副店長を務めていますが、接客には傾聴力が重要だと認識し、磨く努力を続けています。
対象となるお客様は中高年の女性であり、洋服に対して「好き・嫌い」だけではなく、脱ぎ着が簡単なものが欲しい、体形をカバーしたい、自宅で洗濯できるものがいいなど、潜在的にさまざまな希望をお持ちの方が多いのが特徴です。そのため、こちらからお勧めするのではなく、まずはアイスブレイクを行い、雑談などを通してお客さまの話を聞き、細かいニーズを引き出すことに注力しています。
傾聴力を磨くため、普段から相手の立場に立ち、感情や思いに共感するよう努めています。例えばマネジメントの際にも、メンバーの立場で物事を考え、何に悩み、不安を覚えているのかをつかむようにしています。
傾聴力を重視し、磨く努力を始めてから、お客さまからの指名が増え、売り上げにも貢献できるようになりました。前期の店舗売り上げは前年比105%を達成しています(既存店平均101%)。
ITエンジニアの自己PR例文
私は常に周りの意見を聞くことを大切にしています。
現在、社内SEとして社内のITに関するあらゆる問い合わせに対応していますが、まずはどのようなトラブルが起こっていて、相手が何に困っているのかをじっくりヒアリングするようにしています。
多くの場合、相手は突然のトラブルに困り、一刻も早く解決したいと願っています。その思いに迅速かつ確実に対応するためにも、状況をできるだけ詳しく把握し、根本原因を特定することが重要です。
これからも傾聴力を磨き、社内の問題解決を通じて事業成長に貢献したいと考えています。
企画職の自己PR例文
私の強みは傾聴する力があることです。
現在、トイレタリーブランドのマーケティングを担当していますが、ドラッグストアやスーパーなど現場に出向き、スタッフや来店客にヒアリングすることも頻繁に行っています。その際、こちらから質問を重ねるのではなく、できるだけ相手の話を聞き、意見を引き出すことを大切にしています。
相手の意見に耳を傾け会話を行うことで、商品に対する意見をフラットに聞き出すことが可能になります。時にはネガティブな意見をいただくこともありますが、その裏にある「こういう商品になってほしい」という前向きな思いを受け止め、商品に活かすよう心掛けています。
昨年発売しヒット商品となったヘアケアブランドは、現場の地道なヒアリング活動によって生まれた商品であり、傾聴の姿勢が活かせたのではないかと嬉しく思っています。
品質管理職の自己PR例文
私は日々の業務を通して、周りの意見を聞くことに努めています。
品質管理の仕事は、製造工程の効率化や不良品発生率の低下、製造ラインの定期的な見直しなど非常に多岐にわたります。それだけ関わるメンバー数も多いため、皆の気づきを積極的に聞き、意見を仰ぐことで、不具合を未然に防いだり、さらなる精度向上につなげたりしています。
先日は数年ぶりに、品質マニュアルの更新を行いましたが、品質管理チームだけでなく製造ラインに関わる全てのスタッフの声をヒアリングして反映することで、マニュアルの精度が向上しただけでなく、品質に対する皆の意識も高まったと感じています。
SVの自己PR例文
BPO(Business Process Outsourcing*)サービスを展開している企業で、SV(スーパーバイザー)を担当しており、オペレーターの教育、管理などを行っています。
オペレーターの多くはアルバイトスタッフで、様々な目的や背景、勤務条件があります。定期的に1on1のミーティングを設けているのですが、私は「傾聴」の姿勢を徹底し、とにかく真摯に話を聞くようにしていました。話を聞いていると、オペレーターの人柄や得意分野、仕事に対する姿勢が明らかになります。
そこで、業務の習熟度や仕事への姿勢によってチームを分け、効率的に作業が進む配置にしました。また、不満があれば早めに解決を図ることで、早期で辞めるオペレーターも減少。以前よりも作業効率が高く、ミスがなく品質も安定したチームにすることができました。
*BPO:業務のアウトソーシング
その他の自己PR例を見たい場合
自己PRがなかなかうまくまとまらない時は、他のケースの自己PRも参考にしてみてください。
あなたのキャリアに合った自己PR例が見つかるかもしれません。
【自分に関わる強み】自己PR例文サンプル集 | |
やり抜く力 | 忍耐力 |
継続力 | 粘り強さ |
実行力 | 活動意欲 |
集中力 | ストレス耐性 |
主体性 | 挑戦心・チャレンジ精神 |
改善・成長意欲 | 前向き思考 |
学ぶ姿勢 | 度胸がある・本番に強い |
感情をコントロールする力 | タフさ(精神力) |
使命感・責任感 | 目標指向性・達成意欲 |
パッション(情熱) | 探究心 |
好奇心 | 変化対応力・柔軟性 |
行動力 | 積極性 |
【他人に関わる強み】自己PR例文サンプル集 | |
親しみやすさ | 気配り・ホスピタリティ |
素直さ | 誠実さ |
真面目さ | 約束を守る |
協調性・チームワーク力 | 指導・育成力 |
働きかける力(巻き込み力) | わかりやすく伝える力 |
傾聴力 | プレゼンテーション力 |
調整・交渉力 | コミュニケーション力 |
リーダーシップ | |
【課題に対する強み】自己PR例文サンプル集 | |
論理的思考力 | 課題発見力 |
企画力 | 計画力 |
想像力 | 提案力 |
分析力 | 広い視点で捉える力 |
正確性 | スピード |
診断ツールを使ってみる
どうしても思いつかない場合は、診断ツールを使ってみるという方法もあります。
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