コンサルタントの志望動機の書き方と例文
企業が抱える課題の解決に向けて、支援活動を行うコンサルタント。未経験からでも、前職で身につけた専門知識や課題分析力、提案力などをアピールすることで、十分チャンレジは可能です。
「コンサルタントの志望動機の書き方がわからない」という未経験者にも、「さらなるステップアップを目指したい」という経験者にも参考になる志望動機の書き方などについて、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏に話を聞きました。
目次
〈未経験者の場合〉コンサルタントの志望動機のポイント
志望動機に盛り込むべき基本要素は、大別すると下記の4つになります。
・志望先企業の分析(企業研究)
・仕事へのこだわり
・キャリアビジョン(目標)
この4要素はコンサルタント以外の転職でもほぼ変わりませんが、コンサルタントを志望するなら、特に意識したいのは「仕事へのこだわり」のアピールです。
仕事へのこだわりでコンサルタントとしての適性を示す
理由としては、特に未経験者の場合、「課題解決型の提案をしてきた」「業務を体系化して整理するのが得意」「論理的な説明が得意」「プレゼンには自信がある」など、自分が前職でこだわってきたことが、コンサルタントとしての適性につながる可能性があるからです。
仕事へのこだわりをアピールする場合、志望動機欄にそれを裏づける具体的なエピソードまで盛り込むと文章が長くなってしまうので、実績などについては職務経歴書や自己PRなどで補足しましょう。
前職で身につけた専門性を伝える
ほかにも、例えば金融業界出身者なら銀行や証券の勉強をしてきたことや、経理経験者なら経理知識だけでなく業務効率化のための改善にも携わってきたことなど、前職で身につけた専門性を伝えることも効果的です。なぜなら、専門領域を持っていることが強みになるからです。
自分の専門性を示したうえで、「〇〇についての課題感を持っているので、コンサルタントとして他社の課題解決に協力し、業績の底上げに寄与していきたい」というふうに、自分のキャリアビジョンにつなげていくとうまくまとまるでしょう。
応募先企業の分析を通じて、自分の分析力を示す
コンサルタントを目指すからには、分析力のアピールも見逃せません。その方法の1つが、応募先企業の分析を通じて自分の分析力を示すこと。
応募先企業のホームページに掲載されている顧客事例や、各種メディアからプラスアルファの情報を仕入れて応募先企業の得意領域を分析し、他社との比較やその企業ならではの強みを伝えるのです。この場合も、志望動機に書く場合は簡潔にして、面接時などに口頭で伝えるといいでしょう。
コンサルタント未経験者の場合の志望動機例
先に述べたように、コンサルタント未経験の場合、「前職でこだわったこと」「前職で身につけた専門性」「自分の分析力」などを意識しつつ、簡潔にまとめて伝えるようにしましょう。
未経験者の場合の例(1)
大手アパレル企業 → 業務・IT系
アパレル企業では、生産管理部門に約10年在籍し、主に東南アジアにおける製造拠点の調達や工場管理などに携わって参りました。この10年間に及ぶ生産管理の知見は、ほかの製造業でも広く活用できると考えております。日本を代表する製造業を複数クライアントに持つ貴社の一員として、生産管理で培った専門性を活かし、SCM(サプライチェーン)コンサルタントとしての新しいキャリアを構築していきたいと考え、志望いたしました。
未経験者の場合の例(2)
都市銀行 → M&A・金融系
都市銀行の法人営業として6年間、売上高数億円から10億円規模の中堅企業を担当し、融資営業を行ってきました。業務を通じて多くの経営者と接してきましたが、銀行の法人営業という立場では、経営戦略に深くかかわって支援するまでには至りませんでした。コンサルタントとしては未経験ですが、銀行で培った財務分析の知見を活かし、経営戦略にまで深くかかわって、クライアントとの二人三脚で事業の発展やM&Aの支援などに尽力していきたいと考えています。
〈経験者の場合〉コンサルタントの志望動機のポイント
経験者の場合、志望動機に盛り込むべき4つの基本要素は未経験者の場合とほぼ変わりませんが、「どのコンサル会社で、どんなタイトル(役職または肩書き)についていたか」で概ねの評価が決まる傾向にあります。
同じ業界ですから、会社名を聞けば、その規模や実績から「どんな顧客のどんな案件に携わってきたか」を推し量ることができますし、タイトルを聞けば「実力はどのレベルか」が、だいたい判断できるからです。
どのコンサル会社にいたかで実力を判断されるのなら、「小規模から大手への転職は難しいのでは…」と思うかもしれませんが、そうとは限りません。
特定領域における専門性とキャリアビジョンを示す
ここでポイントとなるのは、特定領域における専門性とキャリアビジョンのアピールです。「Fintech(フィンテック)に強い」「組織人事領域に強い」など、自分の特定領域を示して、どれだけパフォーマンスを発揮できるかをアピールするのです。
併せて、「なぜ〇〇領域から○○領域への転職なのか」という転職理由とキャリアビジョンに説得力を持たせることも意識しましょう。
コンサルタント経験者の場合の志望動機例
コンサルタント経験者の志望動機の例をご紹介します。
経験者が同領域で転職する場合の例(1)
(ITに強い)総合系 → (財務・会計に強い)総合系
前職では、IT業務コンサルタントとして大手生命保険会社や損害保険会社のM&Aに伴うシステム案件を担当してきました。前職では、M&Aが決定した後に統合の最適化を考え、実行してきましたが、より上流であるM&Aにも興味を持つようになりました。M&A領域に強い貴社において、IT業務のシステムだけでなくM&Aの交渉からかかわり、一貫したコンサルティング経験を積みたいと考え、志望いたしました。
経験者が同領域で転職する場合の例(2)
中堅の企業・事業再生系 → 大手の(事業再生に強い)総合系
これまでは地方の大手企業や新興市場の企業など、売上高数十億円規模の事業再生に携わってきましたが、売上高数兆円規模の大手企業をクライアントに持つ貴社にて、より大規模な案件におけるさまざまなスキームを経験したいと考え、志望いたしました。製造業の案件を複数担当して培った専門性と創意工夫してきた経験を活かし、貴社のクライアントを支援していきたいと考えております。
経験者が異領域で転職する場合の例(1)
IT系 → 総合系
新卒で入社したコンサル会社では、5年間、ITを活用した業務改革の推進支援に携わってきました。今後は、ITに特化した業務で身につけた専門性を武器に、より幅広い領域でのコンサルティングを経験していきたいと考えております。総合系の中でも経営戦略を得意とする貴社でなら、より経営に近い上流部分から携わることができると期待しておりますし、異動による新しい領域でのキャリア選択も可能であるとうかがい、志望いたしました。
経験者が異領域で転職する場合の例(2)
総合系 → 企業再生系
前職では、主に事業改善提案を担当していました。クライアントから依頼を受けて、半年や1年などの期間限定で外部からサポートする仕事は学ぶことも多く、やりがいもありました。ですが、一方で改善が実行された後の状況がわからないことに物足りなさも感じていました。その点、投資会社でもある貴社は、クライアント企業に成長資金を投資や出資するなどして、経営参加型のコンサルティング支援が可能です。また、将来的には起業を視野に入れていますので、貴社での仕事を通して、クライアント企業側の立場で事業を再生する経験を積んでいきたいと考えています。
志望動機・志望理由の例文集(サンプル)
志望動機・志望理由とは、応募する企業に入社意欲を伝え、入社後の活躍イメージを持ってもらうための項目です。
職種別の例文と、「地元で働く」「未経験業種・職種」など様々なシチュエーション別の志望動機・志望理由の例文を用意しました。ぜひ参考にしてください。
【職種別】志望動機・志望理由の書き方と例文
リンクをクリックすると、職種別の志望動機・志望理由の書き方解説ページへ遷移します。
営業 | 事務職 |
一般事務 | 営業事務 |
受付 | 医療事務・病院受付 |
総務 | 経理 |
販売スタッフ(接客)・店長 | ITエンジニア |
機械系エンジニア | 品質管理 |
サポートエンジニア(製造業) | 秘書 |
デザイナー | コンサルタント |
介護職 |
【シチュエーション別】志望動機・志望理由の書き方と例文
リンクをクリックすると、シチュエーション別の志望動機・志望理由の書き方解説ページへ遷移します。
未経験職種・業界 | 地元で働く |
会社に対する志望動機 | 職種に対する志望動機 |
第二新卒で転職する場合 | IT業界 |
履歴書の志望動機・志望理由の書き方(例文付き)
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