転職なら社会人のための転職サイト【リクナビNEXT】|求人、転職に関する情報満載! 2024/04/26 UPDATE 毎週水・金曜更新!

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「転職で年収を2倍にした」という体験談を見かけるが、本当に可能?【転職相談室】

卓上で電卓を弾く手インターネットで“転職で年収を2倍にした”という体験談を目にした相談者。実際に可能なことなのでしょうか?

年収をアップさせるための活動のポイントや注意点などをまじえ、組織人事コンサルティングSegurosの粟野さんが答えます。

アドバイザー 粟野友樹
アドバイザー 粟野友樹

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

「転職して年収2倍を実現した」という体験談を目にしました。本当に可能なのでしょうか?可能であれば、その方法を知りたいです。(Aさん/29歳/IT系営業)

相談者
相談者
■相談内容
新卒入社して5年目、小規模のIT系企業で営業を担当しています。インターネットで「転職して年収が2倍になった」という記事を読み、気になっています。本当にそんなことが可能なのか、可能だとしたら具体的にどんな方法があるのか知りたいです。正直なところ、いまの会社は年功序列なので、当分年収の大幅アップは望めそうにありません。

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「転職してすぐに2倍」というのはレアケース

アドバイザー
「転職で年収が2倍に」という体験記事、たしかにインターネットで見かけますね。ですが、それを望むすべての人が実現できるか、となると実際はかなり難しいと言わざるを得ません。

株式会社リクルートが発表した『2021年7-9月期の「転職時の賃金変動状況」』によると、前職と比べて賃金が1割以上増加した転職決定者数の割合は30.5%。これが現実の数字です。

【参考】2021年7-9月期 転職時の賃金変動状況

相談者
つまり約70%の人の賃金は1割以上上がっていないか、現状維持もしくは下がっている、ということでしょうか。それでは誰もがすぐに2倍にできるとはいえないですね。

アドバイザー
そうですね。厚生労働省の『令和2年賃金構造基本統計調査の概況』を見ても、25~29歳の平均賃金は244万6000円。賃金が最も高くなる55~59歳の平均賃金が368万6000円。20年以上働いて、ようやく1.5倍です。

やはりインターネットで見かけるような体験談はレアなケース、ということです。

【参考】令和2年賃金構造基本統計調査の概況│厚生労働省(PDF)

相談者
現実は甘くない、ということがよくわかりました。

アドバイザー
とはいえ、20年とは言わないまでも、ある程度時間をかけて1.5倍ぐらいの大幅アップを狙っていくのであれば、実現できる可能性はあると思います。

転職ですぐさま年収が大幅アップする方法を模索するより、現環境あるいは転職するならその先でスキルを磨き、実績を積んで徐々に年収を増やしていくことを考えましょう。

地道すぎるように思えるかもしれませんが、多くの人には結果としてそれが近道となる可能性が高いです。

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年収を大幅にアップさせるための条件とは

相談者
現実に即して活動するようにします。その上で、年収大幅アップをできるだけ早く実現するために、今からやっておくべきことは何ですか?

アドバイザー
まずは、自分の市場価値を上げること。転職時の職務経歴書に書けることを増やすために、現職でしっかりと成果を上げ、実績を出すことです。

管理職経験が転職時の年収に考慮される傾向にあるので、もしも管理職になるチャンスがあれば、管理職を経験しておくのもいいでしょう。すぐには無理なようなら、プロジェクトリーダーレベルのミッションをこなしていくのでも構いません。

相談者
現職では難しいですが、役職に関わらずリーダーシップを取る必要がある場面なら少なくないので、もっと活していこうと思います。ほかにも、資格を取得するなど、何か勉強しておいたほうがいいですか?

アドバイザー
Aさんの場合はIT系企業の営業ですから、資格というよりは、例えばプログラミングの知識を身につけて“技術もわかる営業”として自分の市場価値を高めることを考えてはどうでしょう?

あるいは、営業スキルに加えてマーケティングや営業企画などの経験を積んでおくと、仕事の軸足が増えて市場価値が上がるので、より早く大幅アップを実現できる可能性が高まります。

相談者
資格を取るための勉強よりも、実務を通しての学びを大切にしたほうがいいんですね。

年収アップを条件に求人を探すときのポイント

相談者
現職で年収を上げることにいよいよ限界を感じ、実際に転職しようとなった場合、どんな点に着目して企業探しをすればいいですか?

同じ業界で伸びている企業や大手企業、今より上流の企業を狙う

アドバイザー
先ほどの厚生労働省のデータによると、25~29歳の小企業(10~99人)の平均賃金は236万7000円。大企業(1000人以上)の35~39歳の平均賃金は363万8000円。データ上では、29歳のAさんが大企業に転職すれば、6年後には1.5倍に達する計算が成り立ちます。

相談者
同じ条件でも収入がより多く見込める大きな企業を狙うということですね。

アドバイザー
ほかにも、そのデータにあるように平均賃金の高い業界に転職する方法もあります。ただ、Aさんが働いているIT業界は比較的賃金が高いので、同じ業界内でより規模の大きい企業に転職するほうが現実的でしょう。

相談者
そのほかに、着目するべきポイントはありますか?

アドバイザー
外資系やAIなどで伸びている企業、同じIT系でもIT業務コンサルなどの上流にある企業も視野に入れるといいですね。

成功報酬の大きい業界を狙う

相談者
ちなみに、同じ業界にこだわらないとしたら、どんな業界に転職するのが近道ですか?

アドバイザー
保険や不動産の営業など、成功報酬の大きい仕事なら、大幅アップを狙えるかもしれません。

相談者
なるほど。その分野なら、営業スキルも役に立ちそうですね。

アドバイザー
ただし、成功報酬制の仕事は成果が出せなければ年収ダウンに直結するので、その覚悟が必要です。

転職エージェントを利用する

アドバイザー
あとは、転職エージェントを利用する方法もあります。転職サイトにある給与サンプルだと実際にいくらもらえるのかわかりませんが、年収アップ希望ということであれば、転職エージェントはそれを前提として企業を選び、紹介します。

相談者
転職の専門家が私の市場価値を評価した上で、年収アップ可能な応募先を紹介してくれるのなら確実ですし、着実にアップさせていけそうですね。

場合によってはこんな年収アップの方法も

アドバイザー
そのほかにも、うまく条件が合えば年収をアップさせる方法があります。

副業でトータルの年収を増やす

アドバイザー
勤めている会社が副業を認めているのなら、副業で収入を得てトータル年収を増やしていく方法です。

株式会社リクルートの『兼業・副業に関する動向調査2020データ集』によると、兼業・副業実施中の正社員のうち、45.9%が1カ月に5万円未満、25.6%が5~9万円の報酬を得ています。

【参考】兼業・副業に関する動向調査2020データ集(PDF)

相談者
そうか、副業だったら趣味や特技を活かして収入を得ていくことも可能ですね。私にとって挑戦にはなると思いますが、ちょっと夢が膨らみます。

応募時、経験・実績を基に年収を交渉する

相談者
ちなみに、転職時の面接などで年収交渉してアップを狙うのはありですか?

アドバイザー
特に問題はありません。例えば、応募する求人の年収が700万~900万円など幅がある場合には、その範囲内で交渉の余地はあります。ただし、高い年収を望むからには、自分がそれに見合う高いレベルであると認めてもらわなければなりません。

相談者
そのためにも、まずは自分の市場価値を高めていかないといけないんですね。

年収以外の条件も検討した上で判断を

相談者
年収の大幅アップを目指す上で、何か注意点があったら教えてください。

アドバイザー
年収ばかりに捉われて、例えばやりがいを感じる働き方ができなくなってしまう状況に陥る可能性があります。要は、Aさんがそのほかにも大事にしたい条件を犠牲にしてしまわないか注意してほしいということです。

また、年収を優先して違う業界に飛び込めば、キャリアの方向性がこれまでとは変わってしまうということもあるでしょう。それでも後悔しないのか、どこまで妥協できるのか。先々のことまでさまざまな角度から考えて決断してほしいと思います。

相談者
わかりました。いただいたアドバイスをもとに、年収アップと仕事のやりがいとのバランスや、自分の進むべき方向性をしっかりと考えてみます。ありがとうございました。

記事作成日:2022年5月30日 WRITER:笠井貞子 ILLUST:安西哲平 EDIT:リクナビNEXT編集部

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