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どうすれば生涯賃金は上がる?転職時の年収・退職金の考え方【転職相談室】

給料明細の写真生涯賃金を上げたいと考えている相談者のNさん。

生涯賃金を上げるための方法、高い退職金を得るにはどうすればいいのか、長期的に高い年収を得るためにはどんな転職がいいのかを組織人事コンサルタントの粟野友樹さんがアドバイスします。

アドバイザー 粟野友樹
アドバイザー 粟野友樹

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

年収は一時的に下がってもいいので、生涯賃金が上がるような転職がしたい(Nさん/ メーカー営業 /30歳/男性)

相談者
相談者
■相談内容
現在は、国内メーカーで営業として働いています。
入社当初は、一生懸命働いていれば評価されて年収も上がっていくだろうと考えていましたが、年功序列が基本のため昇給・昇格も遅いように感じます。
自分よりも若い起業家が活躍しているニュースなどを目にすると、ふと「このまま、ただ一生懸命に仕事をするだけで本当に大丈夫なのかな?」と思うようになりました。
これから先の仕事人生について真剣に考えた結果、一時的に年収が下がったり、多少の苦労があってもいいので、生涯賃金を上げたいと考えています。
生涯賃金を上げるには、どうすればいいのか教えてください。

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生涯賃金を上げる方法

アドバイザー
生涯賃金を上げたいとのことですね。

Nさん
はい。生涯賃金って、給与・残業代・ボーナス・退職金など、一生のうちに得られる賃金の総計のことでしたよね?

アドバイザー
その通りです。他にも、退職後の収入や年金などを含む考え方もありますが、まずは、給与・ボーナスなどの年収を高める方法、退職金を高める方法を中心にみていきましょう。

Nさん
わかりました。
ちなみに、そのほかの項目を考慮に入れないのは何故でしょうか?

アドバイザー
退職後の収入や年金は、現時点では不確定要素が多いからです。
また、残業代を高めようと思うと、長時間働くという方針になってしまいます。
これは短期的には良いかもしれませんが、年齢が上がるにつれて体力的に続けるのが難しくなる可能性が高くなるからです。
最近では、効率重視で、長時間労働を良しとしない企業も増えているので、これからの時代には沿わないかもしれませんしね。

Nさん
なるほど。言われてみれば、確かにその通りですね。
年収を上げるというのは、一般的な転職目的としてイメージがつけやすいですが、高い退職金というのはどうやったら得られるんですか?

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高い退職金を得るには、どうすればいい?転職はどう影響する?

アドバイザー
一般的に、退職金の支給額は退職時の役職、企業への貢献度、在籍期間などで決まります。
また、同じ条件でも企業規模が大きいほど金額が高いことも多いです。
なので、理論上は、退職金を高める方法として、企業規模の大きなところで勤める在籍期間を長くして、少しでも役職を上げることが考えられます。

Nさん
なるほど。
そもそも、1社でずっと勤めた場合って、どのくらいの退職金が得られるんでしょうか?

アドバイザー
厚生労働省の「賃金事情等総合調査(令和元年)」によると、資本金5億円以上かつ労働者1,000人以上の大企業と病床数 400 床以上の医療施設に、大学を卒業した22歳で入社し、同一企業に定年退職するまで勤務した場合(満勤勤続)のモデル退職金額は2,511万1000円と言われています。

※モデル退職金とは:学校を卒業してすぐに入社した者が普通の能力と成績で勤務した場合に、当該企業の退職金規定のもので、どの程度の退職金が支給されるかを算出したもの

Nさん
中小企業だともっと金額は下がるんですか?

アドバイザー
東京都産業労働局が都内の1,407社を対象に調査した「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版」によると、同じく満勤勤続の場合のモデル退職金は1,118万9,000円という結果が出ています。

Nさん
1,000万近く開きがあるんですね。
それに、これが満勤勤続の場合の平均支給額ということは、転職をしたりすると、もらえる退職金はどんどん減っていくということなんですよね?

アドバイザー
そうなります。
退職金は、長期勤続者ほど支給率や支給額が高まり、老後の資産形成の支援が有利になることが多く、〇年以上在籍していないと僅かな金額しか支給されないといったケースも珍しくありません。
つまり、1社で長く働くことへの、金銭的なインセンティブになっているとも言えますね。

Nさん
長らく働くインセンティブ…ですか。

アドバイザー
そうです。実際に、退職所得控除も20年超勤続年数があるかどうかで控除額が決まるような優遇措置がとられています。
仮に退職金の給付制度がある会社に転職した場合、45歳であっても在籍年数は1年目からリセットされてしまいます。

Nさん
例えば、既に大企業で働いている場合は、転職はせず、1社に長く勤めた方がいいということでしょうか?

アドバイザー
退職金だけに焦点を充てると、転職を繰り返すよりも、1社に長く在籍して役職を上げていくことを考えた方が、高い金額をもらえる可能性は高まります。ただし、生涯賃金を高めるという観点では、必ずしもそうとは言いきれません。

Nさん
それはどういうことですか?

アドバイザー
まず、前提として退職金制度は、企業への設置義務がありません
近年は退職金制度を廃止して企業型確定拠出年金制度を導入する企業も増えているので、実際にNさんが退職する際に退職金制度が高い支給額のまま維持されているかどうかは分からないのです。

Nさん
確定拠出年金制度…確かに聞いたことがありますね。
では、退職金制度があるからという理由だけで、1社にしがみつくのはやめたほうがいいということですね。

アドバイザー
そうですね。
生涯賃金を上げたいのであれば、退職金だけに固執せずに、市場価値の高い経験やスキルを身につけて、長期的に高い年収を得る方法も並行して考えていく必要があります。

長期的に高い年収を得るには、どんな転職がいい?

Nさん
長期的に高い年収を得るには、どんな方法がありますか?

アドバイザー
まずは、平均年収が高い業種や大企業への転職があげられます。
例えば、コンサル会社や、金融系、外資系などは、成果主義を取り入れていることが多く、プレッシャーがかかる分、平均年収も高い傾向にあります。
会社によっては、未経験の場合は見習いやアシスタント期間を設けていることもあるので、直近の年収はあまり変わらない可能性もありますが、できる仕事が増えていけば、その分年収アップも期待できます。

Nさん
平均年収が高い企業への転職は、イメージがつけやすいですね。

アドバイザー
他には、企業規模が落ちたとしても、役職が上がりやすい企業への転職が考えられます。
リーダー候補やマネージャー候補を募集しているケースもあるので、求人票をチェックしてみるといいですよ。
役職が上がることによって給与だけではなく、賞与も上がる可能性があります。

Nさん
なるほど。

アドバイザー
この2つに似た考え方では、実力主義かつ成功報酬の要素が強い会社へ転職する方法もあります。
年功序列ではない分、活躍さえできれば、年齢に関係ない抜擢人事により若いうちからの昇進・昇給が期待できます。

Nさん
いいですね。
今は年功序列なので、憧れます。

アドバイザー
他にも、ハイリスク・ハイリターンではありますが、起業したり、スタートアップベンチャーへ転職したりするのも一つの手です。
創業初期から参画することで後々企業規模が大きくなった時に、事業責任者などの役職につける可能性が高まります。
また、ストックオプションがあれば、上場した際にまとまった金額を手に入れられる可能性もゼロではありません。

Nさん
なるほど。
転職によって、いろんな可能性が拓けるんですね。

アドバイザー
そうですね。あとは、高い収入を維持するためには、長く安定して働くという観点も大切です。
今後益々台頭してくるであろうAIなどにとって代わられず、それを活用するような立場になるというのも視野に入れておくと良いかもしれません。

Nさん
それはどういうことですか?

アドバイザー
AIの進化によって、AIに代替される仕事と残る仕事があると言われています。
「記憶力×論理的思考能力」で成り立つ仕事はAIに代替される可能性があると言われているんです。

Nさん
AIに仕事を代替されるなんて、もっと先のことだと思っていたのですが、違うのでしょうか?

アドバイザー
例えば、日本経済新聞では既にAIを使った記事制作を行っています。
上場企業が発表した決算データをもとにAIが文書を作成し、「決算サマリー」として配信まですべてAIが行っています。
また、AIによる契約書作成も一般化しつつあり、弁護士によるリーガルチェックもAIに置き換わりつつあります。
エンジニアの分野でも、すでにノーコードの開発ツールが多数展開されており、プログラマーの業務領域を侵食するとされているんですよ。

Nさん
そうだったんですね…。
どんなに年収が高い会社に転職しても、仕事がなくなってしまったら意味がないですね。
今後ずっと必要とされる人材でいるためにはどうしたらいんでしょうか?

アドバイザー
まずは、上司から指示された仕事の進め方をただ踏襲するだけではなく、常に考えて工夫をし、自分のスタイルを持つことが大切ですね。また、AIやデータを活用して、会社にどう貢献できるかを考えてみるのも良いかもしれません。

Nさん
私は営業職なのですが、どうやってAIやデータを活用していけば良いのでしょうか。
数字に強いわけではないので、あまりイメージがつきません…。

アドバイザー
例えば、Nさんの場合は、営業から、営業企画などに少し範囲を広げてみるといいかもしれません。
自分だけではなく、全ての営業がどうやったら効率よく利益をあげられるのか施策を考えるような立場などです。
そういった役割を担えれば、自身が直接AIを活用せずとも、データサイエンティストなどと協働して、AIやデータを使う立場になっていけると思いますよ。

Nさん
それなら、イメージもつきますし、すぐにでもやれそうです。
転職しなくても、今の会社内でやれることもあるんですね。

アドバイザー
そうですね。
社内でもそういった経験が増えれば、市場価値が高まるので、数年後により良い条件で転職することが可能になるかもしれません。
最終的な生涯賃金を上げるために、「今は社内での経験やスキルを得ることに集中する」というのも有効な手段の一つですよ。

Nさん
わかりました。
生涯賃金を上げると一言にいってもいろんな方法や考え方があるんですね。

アドバイザー
そうですね。
特に今は、技術進歩・環境変化の激しい時代なので、実際に退職するであろう30〜40年後まで今立てた計画がそのまま通用するとは限りません。
様々な変化に気を配り、いつでも学び直す姿勢を持ちながら、どんな場所でも自分の価値を高めていってくださいね。

Nさん
はい。今日はありがとうございました。

記事作成日:2022年1月31日 ILLUST:安西哲平 EDIT:リクナビNEXT編集部

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