転職なら社会人のための転職サイト【リクナビNEXT】|求人、転職に関する情報満載! 2024/04/26 UPDATE 毎週水・金曜更新!

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有限会社とはどういった会社なのでしょうか【転職相談室】

緑の多いオフィス街転職先として気になっている企業が「有限会社」だが、有限会社とはどういった会社なのか。

株式会社との違いがよくわからず、応募先の候補に入れていいものかどうか不安……そんなお悩みに、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏がアドバイスします。

アドバイザー 粟野友樹
アドバイザー 粟野友樹

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

気になっている企業が有限会社です。どういった会社なのでしょうか?(Yさん/29歳/男性/施工管理)

相談者
相談者
■相談内容
建設会社で施工管理の仕事をしていますが、給与の低さに不満があります。また、今の会社は社員同士のつながりが薄く、殺伐とした雰囲気です。
そこで、転職を決意して施工管理の求人を探したところ、興味がある会社を見つけました。今の会社よりも給与が高く、求人広告の文面や写真からはアットホームで温かい社風が感じられます。
その会社は「有限会社」とのことですが、有限会社とはどういう会社なのでしょうか。株式会社とどう違うのかを教えてください。転職活動が初めてなので、注意すべきポイントも知っておきたいです。

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有限会社とは

アドバイザー
Yさんはその会社が気に入って、応募したいと思っているんですね。

相談者
はい、でも有限会社を選んでいいものなのかどうか迷っていて……親にちらりと話してみたら、「小さな会社はいつ潰れるかわからない」と言われたんです。

有限会社って、どのような会社なんでしょう?株式会社よりも格下というイメージなんですが、株式会社と何が違うんでしょうか。

アドバイザー
有限会社は、株式会社と違って「決算公告」の義務がなく、取締役の任期もないといった点で、株式会社より簡易な形態と言えます。ですから、かつては小規模の事業を開始する場合、「有限会社」の形態をとるケースが多かったんです。

「かつては」というのは、有限会社の形態は、2006年5月に新会社法が施行された際に廃止されています。2006年4月以前に設立された有限会社の多くは株式会社に移行しましたが、中には「特例有限会社」として、今も「有限会社」の名称を継続している会社もあります。

相談者
株式会社に移行せず、有限会社のままでいるのはどうしてなんでしょう?

アドバイザー
企業ごとに考え方があるかと思いますが、「決算公告の義務がない」という点は大きなメリットと言えるでしょうね。

また、株式会社では取締役の任期が原則2年(最大10年まで延長可)ですが、有限会社は任期に制限なし。つまり、登記手続きの面倒がありません。経営幹部の交代が起こりにくい小規模組織では、都合がいいのでしょう。

Yさんは、有限会社に対して株式会社より「格下」のイメージを持っているということですが、2006年以降、株式会社は最低資本金1円以上で設立できるようになっているのに対し、有限会社は設立時に300万円以上の資本金が必要だったんです。

そして、現存する有限会社は少なくとも15年以上事業を継続している事実を、「有限会社」という名称が証明しているわけですから、「有限会社のままでいたほうが信頼を得やすい」と考える企業もあります。

相談者
確かに現時点で15年以上続いているということは、比較的事業をしっかり軌道に乗せた会社、とも言えるわけですね。

アドバイザー
東京商工リサーチが2020年9月に発表した有限会社の業績動向調査によると、全国13万2178社の有限会社の2019年売上高は、2年連続で増収を持続したそうです。

有限会社の約7割は売上高が1億円未満ですが、この調査では、2019年の売上高100億円以上の会社が8社あることがわかったようです。業歴100年以上の会社も1633社あるようです。

相談者
実績をしっかり積んでいる会社も多いということですね。

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有限会社法が廃止された背景

相談者
有限会社の形態は、なぜ廃止されたのでしょう?

アドバイザー
2006年に会社法が施行された際、株式会社設立に必要な資本金額が、従来の「1000万円以上」から「1円以上」に引き下げられたんです。株式を公開するかどうかも「任意」となりました。

また、株式会社設立の条件だった、「社員数50人以上」は「社員数制限なし」、「取締役3名以上」は「取締役1名以上」などの変更もありました。

これらにより、株式会社設立のハードルがぐっと下がりましたから、もともと「小規模でも事業を起こせるようにするため」という目的で設けられた有限会社制度の必要性が薄れたんですね。

株式会社と有限会社を区別することにあまり意味がなくなったので、「株式会社」へ集約されたわけです。

有限会社と株式会社で、働く上での違いはない

相談者
働く上で、有限会社と株式会社では違いはありますか?

アドバイザー
これまでご説明したとおり、会社が「有限会社」の形態をとり続けている理由は、経営サイドの事務手続き面の事情や、「信頼性」への考え方が大きいと思われます。従業員が働く上で、有限会社と株式会社の違いは特にないでしょう。

有限会社の多くは小規模で、家族的な経営をしているケースが多いので、Yさんが望む「社員同士のつながり」「アットホームな雰囲気」は手に入れられる可能性が高いのではないでしょうか。

ただ、「今後のキャリア」という観点で、Yさんの志向に合うかどうかを注意して見たほうがいいと思います。

応募を検討している有限会社が今後事業を拡大するつもりがないのであれば、Yさんがこの先、経験できる業務や身に付けられるスキルは限定的なものになってしまうかもしれません。

規模がそこそこ大きな会社であれば、「異動」「職種転換」などで新しいキャリアを積むこともできますが、そうしたチャンスが得られない可能性もあります。

もちろん、Yさん自身が入社後に新たな取引先や事業を開拓していく道もあるでしょうが、経営陣が認めてくれるかどうか、ですね。

また、有限会社は「株式交換」「株式移転」ができない都合上、事業拡大のために他社を買収することはできません。吸収合併を「される側」にしかなれないことは、理解しておいたほうがいいでしょう。

相談者
僕としては、事業拡大によって新しい経験を積んでいくというよりは、施工管理技術者としてスキルアップを図ることを当面の目標にしたいと思います。

応募しようと思っている有限会社には、施工管理として何十年もの経験を持つベテランがいるようですから、その人に学べればいいかな、と。

しっかり経験を積んだら、いずれは独立することも視野に入れていますので、会社の将来性もそれほど気にしていません。

アドバイザー
独立も考えているのであれば、小規模企業で、経営者に近い立ち位置で経営を学ぶのは有効かもしれませんね。

転職活動をする際の注意点

相談者
その会社に応募してみようと思います。転職は今回が初めてなのですが、注意すべきポイントなどはあるでしょうか。

アドバイザー
まずは、担当する仕事内容をくわしく確認してください。

「施工管理」「現場監督」など、職種名は同じでも、会社によって業務内容や役割の範囲が異なることもあります。手がける物件の種類は同じでも、手順がまったく異なることもあります。

ご自身が抱いている職種イメージにとらわれていると、入社後に「こんな仕事はしたくなかった」「この進め方ではやりづらい」など、思いがけない不満を抱くことになるケースもあります。

また、小規模企業であれば、社長や役員とだけ面接して採用が決まることもよくあります。しかし、なるべくなら、現場で一緒に働く社員の皆さんとも会って話をすることをおすすめします。

入社後、「社長の方針に、社員は賛同していなかった」「社長を好きになったが、現場で上司となった人は苦手なタイプだった」といったことはありがちです。「現場を見学させてください」「社員の方ともお話しさせてください」とお願いしてみましょう。

小規模企業で働く場合、人間関係が非常に重要です。ぜひ社員の皆さんに会って、「この人たちと一緒に働きたいか」を見極めるようにしてください。

「給与」についても、確認が必要です。今の会社の給与が低いことに不満を抱いており、応募先企業では今より給与額が高いのだそうですね。

しかし、「手当」の有無、あるいは「賞与」の規定などにより、基本給の月額は上がっても、総支給での「年収」は下がるケースもあります。給与額の内訳を確認しましょう。

また、入社時の給与だけでなく、入社後の「昇給」の可能性にも注目してください。何年勤務し、どんな実績を上げれば、いくらまで年収を上げられるのか――など、現社員の支給例などを尋ねてみてもいいでしょう。

記事作成日:2021年8月27日 WRITER:青木典子 ILLUST:安西哲平 EDIT:リクナビNEXT編集部

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