転職しやすい時期は?転職市場における繁忙期・閑散期について【転職相談室】
転職を考え始めたけれども、どの時期に活動をスタートしたらよいかわからない。
転職しやすい時期を知りたいというご相談に、キャリア形成のプロフェッショナルとして、組織人事コンサルティングSegurosの粟野氏がお答えします。
目次
転職を考え始めたけれども、どの時期に活動をスタートしたらよいかわかりません。転職しやすい時期があれば教えてください。(Iさん/IT・営業/28歳/男性)

相談者
スキルアップのために転職を考え始めました。
まだ具体的な準備を進めておらず、転職活動にかかる期間もあまりわからないのですが、転職活動を行うのにおすすめの時期や、避けた方がいい時期があれば教えてください。
まだ具体的な準備を進めておらず、転職活動にかかる期間もあまりわからないのですが、転職活動を行うのにおすすめの時期や、避けた方がいい時期があれば教えてください。
転職市場における繁忙期や閑散期はあるの?

アドバイザー
転職市場において、企業の採用活動が積極的になる時期と求職者の転職活動が活発になる時期は繁忙期となり、逆に企業の採用活動も求職者の転職活動も少ない時期は閑散期になります。
つまり、求人数が増えて(企業の採用活動が積極的な時)、求職者数も増える時期が転職市場の繁忙期となり、求人数と求職者数が両方減る時期が閑散期と言えます。
このサイクルは、景気が大きく動かない限り、例年同じように出現するため、ある程度の傾向をつかむことはできます。
次のグラフからわかるように、新規求人数は10月と1月に増える傾向があり、特に求人数も求職者数も増える1月は転職市場における繁忙期、求人数も求職者数も少なくなる12月は閑散期とみることができます。
つまり、求人数が増えて(企業の採用活動が積極的な時)、求職者数も増える時期が転職市場の繁忙期となり、求人数と求職者数が両方減る時期が閑散期と言えます。
このサイクルは、景気が大きく動かない限り、例年同じように出現するため、ある程度の傾向をつかむことはできます。
次のグラフからわかるように、新規求人数は10月と1月に増える傾向があり、特に求人数も求職者数も増える1月は転職市場における繁忙期、求人数も求職者数も少なくなる12月は閑散期とみることができます。
データ参照:厚生労働省「一般職業紹介状況[実数](除パート)」
やはり転職市場の繁忙期と閑散期はあるのですね。
企業の採用活動が活発になる時期、落ち着く時期には、それぞれどんな理由があるのでしょうか?
企業の採用活動が活発になる時期、落ち着く時期には、それぞれどんな理由があるのでしょうか?

相談者

アドバイザー
まず、1月に求人が増えるのは、3月末が決算期末の企業が採用計画に合わせた実績を出すため、最後のタイミングになることに起因します。また、業務の区切りとなる時期なので退職者が出る時期とも重なり、その欠員補充のために募集をする場合もあります。
10月に求人が増えるのは、9月に下半期の採用計画が出され、それに合わせて採用活動がスタートするためです。また、異動や退職で欠員が出るポジションを補充する場合もあります。
一方、12月は求人数が減りますが転職活動をする人も減るので、求人倍率(求職者一人に対する求人数)は上がります。こうなる背景には、年末年始の各種行事(外資系企業ではクリスマス休暇等)で12月後半は現場の面接官の調整ができなかったり、社内決裁が滞ったりするため、12月の採用活動をやや抑えることがあげられます。また、4月は、新年度の採用計画や各部門・職種ごとの予算区分けが確定しきらない等の理由で、新規求人を出して採用活動を始められず求人数が減るものの、部署異動などで求職者数が増え、数字上では求人倍率は下がります。
10月に求人が増えるのは、9月に下半期の採用計画が出され、それに合わせて採用活動がスタートするためです。また、異動や退職で欠員が出るポジションを補充する場合もあります。
一方、12月は求人数が減りますが転職活動をする人も減るので、求人倍率(求職者一人に対する求人数)は上がります。こうなる背景には、年末年始の各種行事(外資系企業ではクリスマス休暇等)で12月後半は現場の面接官の調整ができなかったり、社内決裁が滞ったりするため、12月の採用活動をやや抑えることがあげられます。また、4月は、新年度の採用計画や各部門・職種ごとの予算区分けが確定しきらない等の理由で、新規求人を出して採用活動を始められず求人数が減るものの、部署異動などで求職者数が増え、数字上では求人倍率は下がります。
転職しやすい時期を見極めるポイントは?
そうすると、1月か10月に転職活動を始めるのがいいのでしょうか?

相談者

アドバイザー
一概にそうとも言えません。確かに求人数は増えますが、転職活動をする人も増えます。
かえって閑散期に転職活動をした方が、ライバルは少ないという見方もあります。
1月に転職活動をするメリットとしては、4月の入社に向けて採用意欲が高まるので、ほかの時期では募集が出ないような大手企業の求人が出ることもあります。
一方、デメリットとしては欠員補充のための求人もあるため、4月入社が必須になるなど、入社時期の調整ができない場合があります。
また、欠員補充だと、ポジションを限定している場合もあるので、例えばメンバー経験ではなく、リーダー経験がないとダメなど、幅広いポジションで柔軟に検討してもらえない場合があります。
かえって閑散期に転職活動をした方が、ライバルは少ないという見方もあります。
1月に転職活動をするメリットとしては、4月の入社に向けて採用意欲が高まるので、ほかの時期では募集が出ないような大手企業の求人が出ることもあります。
一方、デメリットとしては欠員補充のための求人もあるため、4月入社が必須になるなど、入社時期の調整ができない場合があります。
また、欠員補充だと、ポジションを限定している場合もあるので、例えばメンバー経験ではなく、リーダー経験がないとダメなど、幅広いポジションで柔軟に検討してもらえない場合があります。
募集求人の背景を読み取ることも大事なのですね。

相談者

アドバイザー
募集背景を想定しておくことは、転職活動をスムースに進めるポイントの一つですね。エージェントを活用して、キャリアアドバイザーに相談するとこうした情報を得られることが多いです。
また、入社日を限定している求人の場合、内定が出たら日数をおかずに内定承諾をする必要があるケースが多いため、ほかの企業と比較検討できず、入社してからミスマッチに悩むリスクもあります。
結局、転職市場の繁忙期に活動をして転職しやすかったとしても、入社後にミスマッチが起こると転職した意味がなくなってしまいます。
大事なのは、転職で実現したいことを明確にして、意義ある転職につなげることではないでしょうか。
また、入社日を限定している求人の場合、内定が出たら日数をおかずに内定承諾をする必要があるケースが多いため、ほかの企業と比較検討できず、入社してからミスマッチに悩むリスクもあります。
結局、転職市場の繁忙期に活動をして転職しやすかったとしても、入社後にミスマッチが起こると転職した意味がなくなってしまいます。
大事なのは、転職で実現したいことを明確にして、意義ある転職につなげることではないでしょうか。
転職活動のスケジュールの組み立て方
では、十分な検討の時間を考慮して、繁忙期に活動のスケジュールを組むにはどうしたらいいのでしょうか?

相談者

アドバイザー
転職活動スタート=求人への応募、と考えがちですが、実際には応募前の準備にある程度の時間が必要です。自己分析をし、業界・企業研究をし、応募書類を作成し、面接準備のためにキャリアプランを整理していく時間です。
それを含めて、転職準備から入社までにかかる期間の目安は3か月から半年と言われています。
それを含めて、転職準備から入社までにかかる期間の目安は3か月から半年と言われています。
▼スケジュールの詳細はこちらを参考にしてください。
転職活動にはどれぐらいの期間がかかる?ケース別・転職活動スケジュール
転職活動にはどれぐらいの期間がかかる?ケース別・転職活動スケジュール

アドバイザー
もし、1月の求人に応募したい場合、12月には応募書類を準備しておく必要があります。
そのうえで、12月のうちに何件か興味がある企業に応募して、自分のキャリアがどのように評価されるのかを確認しておくのも一つの方法です。なかなか応募書類が通過しないようであれば、キャリアアドバイザーへ相談してみるとよいでしょう。
応募書類や面接の対策をした上で、求人数が増える1月に、書類応募のピークを持ってこられるようにすると、転職市場の繁忙期に複数の企業の選考を進めることができます。
続いて2月に複数の面接選考を進め、自分にとって大事な転職の軸を見極められれば、自分に合った企業もわかってきます。2月中に内定が出たら、3月いっぱいをかけて退職交渉、4月入社というスケジュールが想定されます。
一方で、実際に転職をする場合は、現在の職場を退職するタイミングも重要です。業務の区切りになるタイミングを退職時期に選ぶと、円満退職につながります。また、賞与がある場合は、賞与が出た後に退職できるように調整する人もいます。
とは言っても、希望の企業ややりたい仕事の求人が希望の時期に募集をしているとは限りません。重要なのは「自分にとって転職で実現したいこと」を掘り下げて、それを実現できる転職をすることです。現職の業務の状況と照らし合わせながら、やりたい仕事や働き方がどんなものか明確にできたときが、転職活動のスタートにふさわしい時期なのではないでしょうか。
そのうえで、12月のうちに何件か興味がある企業に応募して、自分のキャリアがどのように評価されるのかを確認しておくのも一つの方法です。なかなか応募書類が通過しないようであれば、キャリアアドバイザーへ相談してみるとよいでしょう。
応募書類や面接の対策をした上で、求人数が増える1月に、書類応募のピークを持ってこられるようにすると、転職市場の繁忙期に複数の企業の選考を進めることができます。
続いて2月に複数の面接選考を進め、自分にとって大事な転職の軸を見極められれば、自分に合った企業もわかってきます。2月中に内定が出たら、3月いっぱいをかけて退職交渉、4月入社というスケジュールが想定されます。
一方で、実際に転職をする場合は、現在の職場を退職するタイミングも重要です。業務の区切りになるタイミングを退職時期に選ぶと、円満退職につながります。また、賞与がある場合は、賞与が出た後に退職できるように調整する人もいます。
とは言っても、希望の企業ややりたい仕事の求人が希望の時期に募集をしているとは限りません。重要なのは「自分にとって転職で実現したいこと」を掘り下げて、それを実現できる転職をすることです。現職の業務の状況と照らし合わせながら、やりたい仕事や働き方がどんなものか明確にできたときが、転職活動のスタートにふさわしい時期なのではないでしょうか。
入社希望月別の転職活動スケジュール
以下リンクより、入社希望月別のスケジュールをご覧頂けます。
1月入社 | 2月入社 | 3月入社 |
4月入社 | 5月入社 | 6月入社 |
7月入社 | 8月入社 | 9月入社 |
10月入社 | 11月入社 | 12月入社 |
記事作成日:2020年5月26日 WRITER:衣笠可奈子 ILLUST:安西哲平 EDIT:リクナビNEXT編集部
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