転職なら社会人のための転職サイト【リクナビNEXT】|求人、転職に関する情報満載! 2024/07/26 UPDATE 毎週水・金曜更新!

居心地は良いけれど転職したいというジレンマをどう解消すればいいでしょうか?【転職相談室】

ジレンマとは、2つの解決策(選択肢)のどちらも受け入れられないような状況のこと。

ジレンマを抱えていて転職に踏み切れないと悩む若手社会人に、組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタント・粟野友樹氏がアドバイスします。

アドバイザー 粟野友樹
アドバイザー 粟野友樹

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

居心地は良い職場だけど、キャリアアップや昇給は望めない…このようなジレンマを解消するには、転職したほうがいいでしょうか?(Eさん/27歳/Webエンジニア)

相談者
相談者

【相談内容】
現在の職場は、居心地の良さでいえば不満はありませんが、キャリアアップや昇給の面では大きな変化を望めなません。転職するべきかも…と考える一方で、新たな環境で新しい人間関係を築くのは不安です。このジレンマを解消するには、どうすればいいのか知りたいです。(Eさん/27歳/Webエンジニア)

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ジレンマを抱える理由とは?

▶アドバイザー
居心地の良い職場とキャリアアップや昇給のどちらをとるか。そして、転職してキャリアアップや昇給を手に入れるのと、新しい人間関係を築く不安のどちらをとるか、という二重のジレンマですね。

▶相談者
はい。普通の人は、転職を考えるときにジレンマを感じたりしないのでしょうか?

▶アドバイザー
そんなことはありません。特に近年の若手社会人は、早くスキルアップすること、キャリアアップすることを重要視する傾向にあるので、Eさんが感じているようなジレンマは珍しくありません。

▶相談者
確かに、早くスキルアップやキャリアアップをしなくては…と焦っているかもしれません。自分では理由がよくわからないんですが…。

▶アドバイザー
1つは、キャリア教育が浸透してきたからでしょう。人生100年時代に突入し、リスキリングや学び続けることが注目され、個の力をつけて自分のキャリアは自分で何とかしようという意識が徐々に高まっているんだと思います。

▶相談者
そうなんですね。

▶アドバイザー
もう1つ、パワハラ防止法や残業時間の規制など、労働を取り巻く法改正・整備が進み、働きやすい職場、居心地の良い職場が増えていることもあるでしょう。その結果、会社が従業員に負荷の高い目標を設定しなくなってきたことで、成長感が得られないと感じる若手人材が増えているように思います。

▶相談者
私のようなケース以外に、転職時によくあるのはどんなジレンマですか?

▶アドバイザー
収入に不満はないが、自分が望む仕事ではないというジレンマ、本当は商品企画や広報の仕事に就いて自己実現したいが、転職してもどうなるかわからないというジレンマなど。ほかにも、海外勤務やスタートアップへの転職は自分にとっては理想の転職でも、家族にとっては幸せな転職ではないというジレンマなどが挙げられます。

▶相談者
色々な状況下でのジレンマがあるものなんですね。ジレンマを抱えつつも転職を成功させることはできるのでしょうか?

▶アドバイザー
成功事例を2つ紹介しましょう。1人は、社内転職制度を利用した大手人材会社の男性です。彼は営業職として成果を上げ、人間関係も良好で、会社を気に入っていました。ですが、スキルアップやキャリアパスが見えないことにジレンマを感じていたため、社内転職制度を利用して本社勤務の広報に異動しました。

会社のことは既に深く理解しているし、社内で培ってきた人脈も活用できるし、これまでの実績や人柄なども評価されている。気に入っていた会社に留まりつつ、新しいキャリアを手に入れてジレンマを解消したケースです。

▶相談者
気に入っている会社と新しいキャリアの両方を手に入れて、ジレンマを解消したんですね。

▶アドバイザー
もう1人は、ブライダル会社に勤務する女性です。仕事にやりがいを感じているものの、土・日に休めず、勤務時間も不規則なので、このままの労働環境では10年後の働く自分をイメージしづらいというジレンマを抱えていました。

そこで、ブライダル会社で培った対人折衝力を生かして、IT系企業の法人向け営業職に転職。営業職にやりがいを感じつつ、土・日は休んで学生時代の友人と旅行に行くなど、ワークライフバランスも充実している成功事例です。

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自分が大事にしていることの優先順位を明確にする

▶相談者
私のジレンマは、どのように解消していけばいいんでしょう?

▶アドバイザー
まずは、しっかり自己分析をしてみることです。

▶相談者
自己分析とは、具体的にどのようなことをすればいいんですか?

▶アドバイザー
これまでの仕事経験を振り返り、「自分は何を大事にしているのか」を見極めるんです。そして、どんな仕事に向いているのか、どんなキャリアを歩んでいきたいのかという方向性を明らかにしましょう。

▶相談者
何を大事にしたいのかと聞かれて、今すぐ思い浮かぶのは、「Webエンジニアとしてスキルアップし、キャリアアップしたい」ということです。まずは、自分ができることを増やし、Webエンジニアとしての知識を深めたいと思っています。その上で、魅力的なプロダクトを持つスタートアップベンチャーのCTOなどに転職し、年収アップや昇進を狙っていきたいですね。

▶アドバイザー
具体的に、挑戦してみたい仕事はありますか?

▶相談者
現在メインで携わっているのは、既存プロダクトのサービスの運用や保守なので、新しいプロダクトの開発や大規模なリプレースなどを経験してみたいです。さらに言うなら、コード管理、言語、フレームワーク、クラウド環境、テストツール、コンテナ技術などが揃った環境で、もっと大規模ユーザーを抱えるプロダクトに携わりたいと思っています。

▶アドバイザー
それなら、現職でそのような仕事に携われる可能性を探ってみてはどうでしょう?

▶相談者
わかりました。ですが、今の職場は労働環境が良いせいか、マネジャークラスも長く在籍しているので、昇進や昇給には時間がかかりそうです。

▶アドバイザー
ここはまず、大事にしたいことの優先順位を明確にしましょう。最優先するのは、昇進や昇給ではなく、スキルアップやキャリアアップですよね。今の職場の居心地が良いと感じているのなら、転職せずにスキルアップやキャリアアップしていければ、かなりジレンマは解消できると思います。

▶相談者
今の会社でスキルアップやキャリアアップする、良い方法はありますか?

▶アドバイザー
1つは、上司マネジャーとじっくり話すことです。自分の目指すキャリアパス、得たい年収、求める環境なども希望を伝え、そのために取り組むべきこと、スケジュールなどを上司と一緒に考えていくのです。

▶相談者
ややハードルが高そうですが、必要なことなんでしょうね。ほかにはどんな方法がありますか?

▶アドバイザー
2つ目は、独学で技術を学ぶことです。国内外のサイトや書籍、オンライン学習コース、勉強会など、学ぶ手段はいろいろです。こうして技術を学んで、プロダクトやアプリを自作してみるんです。

社内にコードレビュー文化がないようなら、そうした場を自ら設けて、社内のほかのエンジニアと切磋琢磨しながら優秀なエンジニアのコードを学び、レビューしてもらうのもいいでしょう。

▶相談者
今まで思いつきませんでしたが、これならできるかもしれません。

▶アドバイザー
3つ目は、副業可能な会社であれば、自分が望んでいる仕事や開発環境を実現できそうな副業を探すことです。就業時間後や週末にリモートワークで対応可能な案件もあるので、魅力を感じているプロダクトに副業で携わってみるのはどうでしょう?

▶相談者
なるほど。副業なら、収入も増えて昇給のジレンマ解消にもつながりそうです。

▶アドバイザー
Eさんは、転職先で新しい人間関係を築くことへの不安もジレンマになっているようなので、転職することを視野に入れて副業先を選べば、副業をしながら新たな人間関係の構築を図ることもできるでしょう。

▶相談者
まずは行動を起こさないと始まらないですよね。ほかにも何か方法はありますか?

▶アドバイザー
あとは、他部署の仕事、例えばマーケティングやカスタマーサクセスなど、対ユーザー部署の仕事を兼任してみたり、共同のプロジェクトワークに参加してみるというアプローチも考えられます。そうすれば、今の会社で別のキャリア軸が見つかるかもしれません。

▶相談者
別のキャリア軸というのは何ですか?

▶アドバイザー
今後ニーズが高まりそうなUI/UXデザインへのキャリアチェンジ、開発現場ではなくプロダクトマネージャーへのキャリアチェンジなど、新しいキャリアの軸が見えてくるかもしれないということです。

エンジニア業務を極める場合でも、ユーザー目線をリアルに知ることは、新プロダクトや新機能の開発などにきっと役立つはずです。

▶相談者
確かにそうですね。学びや副業、異動や共同プロジェクトへの参加など、今の環境でスキルアップやキャリアアップしていく方法があるとわかり、ジレンマを解消できそうな気がしてきました。

その上で転職が必要かを検討する

▶アドバイザー
まずは、いま紹介したようなアプローチを実践してみる。その上で、転職するかどうかを検討するといいでしょう。

▶相談者
わかりました。

▶アドバイザー
慰めにはなりませんが、多くの社会人が何らかのジレンマを抱えています。自分のジレンマに気づいたことを好機と捉え、ほかの会社で働く友人の話を聞いたり、自分の状況を話したりして、自分を客観視してみることも大切です。結果的に転職する場合でも、ジレンマ解消のために行った自己分析が役立つはずです。

▶相談者
参考になるアドバイスをありがとうございました。教えていただいたアプローチを、早速試してみようと思います。

記事作成日:2023年12月15日 WRITER:笠井貞子 ILLUST:安西哲平 EDIT:リクナビNEXT編集部
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