【例文あり】転職の内定保留はOK?いつまでにどのように伝えたらいいの?
転職活動をして応募先から内定をもらった、あるいは内定の方向で話が進んでいる、でも事情があって入社承諾を保留したい――こんな状況に置かれて悩む人も多いようです。そもそも内定に対して返事を保留してもいいのか、どのように相手企業に伝えればいいのかについて、多くの転職者をサポートしてきた、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏にアドバイスをいただきました。
目次
そもそも内定って保留していいの?
内定通知を受けるとき、通常は入社意思についての「回答期限」も指定されます。企業によって数日~1週間程度で設定されますが、その期限内であれば返事を保留しても問題はありません。「検討しまして、期限までにお返事致します」と伝えるといいでしょう。企業側もしっかり検討してほしいという意味で回答までの期限を設定するため、マイナスの印象を抱くこともないでしょう。
ただし、企業側が指定する回答期限を越えても保留したい場合、「保留の理由」「いつまでに回答するか」を明確に伝えた上で、待ってもらえるかどうかを確認する必要があります。
その場合、回答期限の前日~当日といったギリギリのタイミングではなく、なるべく早めに伝えてください。
なお、企業側にも、「ほかの候補者に待ってもらっている」「この日までに必ず入社してほしい」といった事情がありますので、回答期限を延長できない可能性があることは理解しておきましょう。
回答期限を越えて内定を保留する場合、どのようなことを伝えたらいいの?
回答期限までに入社意思決定ができない事情がある場合、まずは「○日まで待っていただくことは可能でしょうか」と、期限延長の交渉をしましょう。
この場合は、保留する理由も伝えてください。
内定保留の理由としては、主に次のようなものが挙げられるかと思います。
1. 併願している他社と迷っている(選考結果を待っている/内定が出ているが条件を確認中)
「他社と迷っていることを伝えると印象が悪くなるのではないか」と不安に思うかもしれませんが、転職は人生を左右する一大事であるだけに、相手企業も「複数の選択肢を比較検討するのは当然のこと」と捉えている場合が多いです。志望順位まで伝える必要はありませんが、併行応募していることは正直に伝えて構いません。
2. 相手企業への疑問や不安点がクリアになっていない
ほかに比較している企業はないが、その会社に本当に入社を決めていいのか迷っているケース。この場合、どの部分が気になっているかを伝えましょう。新たな情報を提供してもらえたり、面談や職場見学などの機会を設定してもらえたりする可能性があります。
先ほど、「回答期限ギリギリではなく、なるべく早めに伝える」とお伝えしましたが、この理由であればなおさらです。回答期限ギリギリでこうした申し出をしても、企業側も面談の設定や追加の情報提供、回答期限の延長といった対応をする余裕を持てません。「今さらそういうことを言い出すの?」とマイナス印象にもつながってしまいます。
3. 現職に留まるかどうか迷っている
勤務中の会社に退職を申し出たところ、強く引き留められている。あるいは、希望部署への異動や昇進・昇格を打診され、転職そのものを迷っているケース。現職と比較した場合、相手企業に対して気にかかっている点があれば伝えましょう。2のケースと同様、検討するための材料の提供、面談設定などの対応をしてもらえる可能性があります。
4. 家族への相談の時間が取れない/家族の納得を得られない
配偶者がいるが、転職・内定のことをまだ伝えていない。お互い忙しくて話し合いの時間を持てていない。あるいは、話をしたが反対された……ということもあるでしょう。企業側にとっても「家族の理解」は重要ですので、理由としては納得されやすいと言えます。家族がどのような点を気にしているのか、といったことを企業に正直に相談すると、解決できるような回答がもらえるかもしれません。
企業の心証を損なわずに内定保留の延長を伝えるための注意点
大前提として、回答期限内に内定を保留したからといって企業側の評価が大きくダウンするようなことはありません。
面接では「御社が第一志望です。内定をいただいたら必ず入社します」と断言していたにも関わらず「保留します」では不信感を抱かれることもあるでしょうが、基本的には「慎重に考えるのは当然」と捉える企業がほとんどです。
仮に、回答を待たせることで多少心証を損なうことがあったとしても、内定を取り消されることもありません。
しかし、前述のように回答期限を超えて内定を保留したい場合、企業に迷惑をかけることになりかねません。入社したら同僚となる相手。「入社後にぎくしゃくしたくないから、印象ダウンは避けたい」ということでしたら、次のようなポイントを意識するといいでしょう。
ストーリーに「一貫性」を持たせる
内定を保留する理由を伝えた際、「あれ?面接ではこんなことを話していたのに何か違うぞ」と思われるのはマイナス。矛盾がない理由を伝えることが大切です。基本、面接でも内定保留の交渉でも、「正直に伝える」ことを心がけていれば、相手に矛盾を感じさせることはないでしょう。
コミュニケーションを密に取る
「検討しますのでお時間をください」と言ったきり、連絡がしばらく途絶えてしまうと、相手は不安を抱きます。面接で「この人と一緒に働きたい」と思った気持ちも萎えていくかもしれません。「今、こういう状況です」「この日に家族と話し合う予定です」といったように、状況報告を密にすることをお勧めします。
相手の事情を汲み、努力する
相手企業の事情も理解し、保留期間短縮のために最大限の努力をしていることを伝えるのもいいでしょう。「併願先の最終面接日を前倒しにしてもらうようお願いしました」「家族と話し合うために有休を取りました」など。相手企業が「努力してくれているんだな」と思えば、印象ダウンは防げるでしょう。
回答期限を超えた内定保留を申し出る場合のメール例文
続いては、内定保留を企業に伝える際のメールの例文を紹介します。
併願企業と比較検討したい場合
さて、面接の際にも他に応募している企業があることをお伝えしましたが、そちらの最終面接が先方の都合で後ろ倒しとなってしまい、選考結果が出るのが○月○日頃になるとのことです。
それまでお返事をお待ちいただくことは可能でしょうか。
面接でお話しさせていただき、貴社で働きたいという気持ちは強くなったのですが、自分の中での納得感を高めた上で決断したいと考えております。
勝手を申しまして恐縮ですが、ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
内定先に対し、懸念点が残っている場合
さて、貴社で働きたいという気持ちは強いのですが、実はまだ気にかかっている点があり、決断をしかねております。
○○事業の立ち上げに当たり、私の経験に期待を寄せていただいているとのことですが、立ち上げが完了し、軌道に乗った後はどのような働き方の選択肢があるかを知りたいと考えています。
私としては、運用を続けていくだけでなく、常に新たなプロジェクトにチャレンジしていきたいという思いがございます。
その辺りの可能性について情報をいただきたいと思っており、その情報を加味した上で改めてしっかりと検討をさせていただきたいと考えております。
そこで、〇月〇日まで回答期限を延長いただくことは可能でしょうか?
勝手を申しまして恐縮ですが、ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
WRITER:青木典子 EDIT:リクナビNEXT編集部
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