留学経験者、ワーキングホリデー経験者におすすめしたい転職先「貿易事務」の仕事とは?
貿易事務ってどんな仕事?
貿易事務とは、商品の輸出・輸入に関して必要な手続きのうち、書類作成などの事務処理に携わる仕事だ。輸出入取引における一連の手続きを「通関(税関を正規に通過すること)」と呼び、輸出と輸入では業務内容が異なる。輸出の場合は税関に申告する書類の作成から始まる。通関許可が下りれば運送便を手配し、貨物を船積みするための書類を作り、信用取引に必要な信用状の買い取りを行って貨物を送り出す。輸入の場合は荷受けするための輸入通関の手配や納入された商品の管理になり、関税や消費税を納付するのが輸出取引との違いだ。
もちろん通関書類や船積み書類はすべて英語で作成するし、海外の取引相手とメールや電話でやり取りする機会も多いので、ある程度の英語力は必須。とはいえ輸出入ビジネスに使われる商業英語(コレスポンデンス)には定型があり、日常会話程度のレベルからスタートし、業務を通して上達する人も多い。
「貿易事務」がある業種は、商社をはじめ、海外と取引のあるメーカー、銀行、保険会社と多岐にわたる。国際輸送を専門に扱う「フォワーダー」と呼ばれる業種も代表的だ。ほかにも航空会社や倉庫会社、公的機関などさまざまな事業所で貿易事務は求められている。
キャリアのブランクとなる“ワーホリ”経験後でも、望んだ会社に就職できた
ミキさん(仮名・32歳)が大学卒業後、最初に働いたのは大手のフォワーダー。「外国語学部で学んだ英語を活かせる仕事がしたかった」ためである。輸入業務を担当し、商社やメーカーに輸入品を納める手配をしていたが、働く中で少しずつ考え方に変化が出てきはじめ、食品会社への転職を決意する。
「書類上の名前しかわからない商品について『これはどんなものだろう』と興味が涌いてきました。実際に扱う側になって輸出入に関わりたかった。」
食品の原材料や加工品の輸入事務を行うほか、海外から訪れた得意先をアテンドしたり工場見学に連れていったりと、「色んなチャンスを与えてもらいました。仕事面ではとてもやりがいがありましたね。」と振り返る。だがその一方で、ミキさんは30歳が近づくことで捨てきれない夢もあった。
「ずっとワーキングホリデーで海外に行くのが夢だったからです。年齢制限の30歳が近づき、どうしても行きたいとわがままを通して退職しました。」
行き先はカナダ。1年間、憧れの海外生活を満喫したのち、「現実に戻らなきゃ。」と帰国し、転職活動を始めた。会社選びの基準は明確だった。
「30代になって結婚や育児を意識しだしたことから、産休・育休の取りやすい会社を探しました。面接でも取得実績や、時短勤務などの制度の有無をしっかり確認して、今の外資系のフォワーダーに決めました」
現在は洋酒の輸入を担当している。居心地の良い会社で、同僚には長く勤めている人も目立ち、知識の面でも吸収することが多い。何より5年先、10年先もずっと続けていけるイメージが持てることがミキさんを安心させている。
英語がアドバンテージとなるワンランク上の事務職
「貿易事務」の仕事は、英語力がアドバンテージとなり、一般事務よりも一般的に給与面などでの待遇が良い。就業先も商社から物流企業と幅広く、選択肢が多い分、自分に合った働き方も探しやすいと言えるだろう。留学経験者や、ワーキングホリデーを経験したビジネスパーソンはもちろん、「英語に自信のある人」は検討する価値は十分にあるはずだ。
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