転職なら社会人のための転職サイト【リクナビNEXT】|求人、転職に関する情報満載! 2018/05/25 UPDATE 毎週水・金曜更新!

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北海道で働くことにこだわり、道内のインフラを守る保線業務に転職

中野幸生さん(仮名):35歳 旅行代理店(企画)→鉄道(保線)

通勤ラッシュを避けて東京から北海道の大学に進学し、そのまま就職

もともと東京出身の中野さんは、中高一貫校で自宅から2時間半かけて満員電車“痛学”をしていた経験を持っている。在学中に「将来も東京でこんな生活を60歳まで続けるのはイヤだな…」と感じ、東京を離れて北海道の大学へ進学。子どものころからスキーが大好きで、北海道は憧れの場所だったからだ。卒業後の就職先も当然のように北海道内で探した。第一志望は鉄道会社や旅行会社だったが、当時は就職氷河期でインフラ業界は採用枠がとても少なく、何とか内定をもらえた道内の製菓メーカーに就職を決めた。この会社で2年半いろいろな経験を積んだのち、北海道に本社がある旅行会社へ転職。新卒で働き始めた頃から旅行会社で働きたいと思っていた中野さんにとっては、希望通りのキャリアチェンジといえた。

主にはツアーの企画・造成を中心に担当し、仕事自体は楽しかったという。ただ、担当していたのは東京発のツアーが大半で、目的地は九州や四国、中国地方など北海道以外の旅行ばかり。次第に中野さんは担当業務に違和感を覚えるようになる。

「北海道に人を呼び込むツアーではなくて、自分と関係ない地域同士をつなぐツアーを当たり前のように組んでいる日々に疑問を感じ始めました。好きな北海道に貢献する仕事をしたかったはずなのに、なんでこの仕事をわざわざ北海道でしているのだろう、と…。」

「北海道を愛している人を採用したい」という企業に巡り会う

転職先を探し始めた中野さんの希望条件は、「モノ(インフラ)を持っている会社」だった。ちょうどそのころ、JR北海道の募集を見つける。

「当時、JR北海道は体制の見直しと強化を図っていたため、ほぼ全職種について中途採用を行っていました。旅行会社での接客経験を活かして、駅業務か旅行部門で仕事がしたいと希望を書いて応募しました。」

面接では「経験はもとより、北海道を愛している人を採用したい」と言われたことが中野さんは自分のことのように思えたという。内定は出たが、一見これまでのキャリアとは全く関係のない保線の部署だった。保線とは、線路の整備やメンテナンスを担当する部署である。なぜ自分の経歴でこの部署に?と疑問はあったが、勤務してみるとその奥深さに魅せられていった。

「超音波でレールの劣化状況を調べたり、巡視といって管理しているエリアの列車に乗車して、揺れ具合や線路まわりの樹木の伸び具合などをチェックしたりする作業1つひとつが、安全を守っているという意識につながります。」

北海道に限らず、高度経済成長期にインフラを整えた日本では、各所で老朽化が進んでいる。保線業務のほかに、保線状況をデータベースで管理するシステムを導入するというプロジェクトのメンバーでもあるという。どの路線をいつ点検したかが、一元的にマスタ管理し、把握できるというものだ。このプロジェクトでは、旅行会社勤務時代に、旅行業で使用する商品マスターシステムの運営を行っていた経験を活かすことができているという。中野さんのこれまでの経験から、中長期的に保線を行うためのプラットフォームづくりに向いていると判断されての配属だったのかもしれない。

「ようやく北海道に貢献できる仕事に就けたと思っています。今では、単に北海道ファンというだけでなく、札幌に一極集中するあまりほかの小さな地方都市が過疎化していく道内の現状にも目が向くようになりました。仕事で過疎地路線の保線に出向くこともありますが、昔と比べて乗客が激減している土地にも、鉄道が安全・確実に走ることはとても重要な意味があるんです。」

北海道に移り住んで17年。仕事を通して、自分が好きになった場所を支えている実感を持っているそうだ。中野さんは道内出身の妻と結婚したこともあり、「東京で働きながら北海道に貢献する仕事も検討はしたものの、東京には住みたくなかった」と言う。中野さんのケースは、働く場所にこだわった転職によって想定外の仕事に巡り合えた事例と言えるのではないか。