転職の書類選考通過後、面接前に準備しておきたいこと
書類選考を通過したら、次は面接です。
面接対策ですべきことや気になる疑問について、組織人事コンサルタントの粟野友樹氏がお答えします。
書類選考通過後、面接前に準備しておきたいこと
面接は企業の社員と直接コミュニケーションを取れる貴重な場。面接に向けて過度な緊張や不安を抱くことがないよう、事前準備が大切です。面接に向けて押さえておくべき大事な点を確認しておきましょう。
・服装は清潔感が大事!シミ・汚れがないかチェックしよう
服装で大切なのは「清潔感」です。スーツのしわやシミ・汚れ、明らかなサイズ違いがあると、だらしのない印象を与えてしまいます。履きつぶした靴や、手持ち部分がボロボロのバッグなど、普段使いこんでいると気づかない小物の汚れにも改めて目を向けてみましょう。面接前には、着ていく服や小物を客観的に見て、目立つ汚れがないかを確認すると安心です。
また、過度に華やかなバッグやメイク、ネイル、ピンヒール、強い香水なども避けた方がいいでしょう。本来アピールすべき話の内容よりも外見が気になり、面接担当者の目を引いてしまう可能性があります。
「好感度がワンランク上がる!」失敗しない面接の服装
・筆記用具とメモ帳は必携。提出した応募書類は事前に再度確認を
面接で聞いた内容、選考日程を忘れないようメモ帳を持参しておきましょう。また、応募した職務経歴書などは、事前に確認できるよう持参しておくと安心です。
・面接会場までの行き方を事前に確認しよう。遅刻は厳禁です
初めて行く場所では、道に迷う可能性もあり、予想以上に時間がかかるものです。電車やバスも余裕を持って乗り、ぎりぎりに到着して焦ることがないようにしましょう。早めに到着し、トイレで身だしなみを整える程度の時間があるといいですね。
面接前の気になる疑問にアドバイザーがお答え
面接の身だしなみやマナーについて基本をおさらいしたところで、ここからは面接対策など、より具体的な疑問にお答えします。
Q. 面接ではどんなことが聞かれますか?
A. 面接で聞かれる一般的な内容は、自己紹介、現在の仕事内容(職務経歴)、転職理由、志望動機、成功体験や強み・失敗体験や弱み、質疑応答です。企業側から募集内容(業務内容)や条件面の説明や確認が入ることもあります。
面接当日までに知っておきたい「面接の流れ」
Q. 一次面接の相手は誰ですか?相手に応じた準備方法はありますか?
A. 一次面接で誰が面接担当者になるかは、企業の選考スタイル、職種によって異なります。一般的には、人事担当者や現場のマネジメントクラスの方が対応することが多いでしょう。重要なポジションの選考や、小規模な会社の場合、一次面接の段階で社長や役員が出てくることもあります。また、一次面接で誰が対応するかは、企業側から事前に教えてくれるケースがほとんどです。面接日程の案内メールで「当日は、**部門の課長が担当します」などと書かれています。もしわからない場合は、問い合わせて確認しておくと安心です。「面接に向けて準備をしてまいりますので、当日はどなたに担当いただけるかお伺いしてもよろしいでしょうか」と連絡すれば、失礼はありません。人事担当者の場合、経歴や転職理由に一貫性があるか、カルチャーフィットに問題はないかといった点をチェックします。現場の社員であれば、職種ごとの専門スキルを見るケースが多くなります。そのため、人事担当者には仕事へのスタンスや汎用的なポータブルスキルについて、現場の方にはスキルや実績を、より具体的な数値を示して説明できるといいでしょう。
Q. 面接で良い印象を与えるためにできることはありますか?
A. まず大切なのは、入室、退室時の挨拶やお礼など、ビジネスパーソンとしての基本的なマナーです。服装や髪型など清潔感にも気を配りましょう。また、相手企業についてしっかり調べ、面接の事前準備をしておくことも大切です。面接にどのような姿勢で臨むかは、打ち合わせや商談、プレゼンテーションなど、仕事に対する姿勢を反映します。自己分析と合わせて、企業研究の準備をしておきましょう。
Q. 企業に関する情報収集はどのようにすればいいでしょうか?
A. 情報収集する際は、企業ホームページや転職サイトの求人情報、口コミサイトなどを利用するといいでしょう。経営者自ら発信しているブログや、その企業や経営者を取り上げたニュース記事、その他インタビュー記事を見ておくのもおすすめです。実際に会社の雰囲気を見てみたいという方は、企業説明会や社員訪問に参加するのもいいでしょう。リファラル採用(社員が知人や友人を紹介、推薦する採用方法)強化のために、定期的に懇親会を開催している企業も増えています。実際に足を運んで、社風を感じるのも大切です。
Q. 面接対策の注意点を教えてください。
A. 面接対策でしがちなのは「問答集」を作って丸暗記しようとすることです。しかし「この質問に対してはこう答えよう」と準備すると、想定外の質問への対応が難しくなり、面接官と円滑なコミュニケーションがとりづらくなります。暗記してきた内容を伝えようと必死になり、質問の意図を柔軟に汲み取らずに一方的に話してしまうケースもあるでしょう。そこで、おすすめしたいのは、面接を通して伝えたいテーマやキーワードを設けることです。例えば、自分の強みが「新しいことに挑戦し、学ぶ姿勢」であれば、成功体験や実績を伝える際、「今まで会社で誰も手掛けてこなかったプロジェクトに挑戦した」と自己PRできます。「新たな分野に挑戦したい」という転職理由と結び付けることで、伝えたいメッセージに一貫性が生まれます。
Q. 人前で話すのが苦手です。どう準備をするとよいですか?
A. 声に出して話す練習を重ねましょう。どんなに頭の中で考えて整理し、紙に書き出していても、実際に話してみるとうまく言葉にできないこともあります。鏡の前で話したり、自分の姿を動画に撮って伝わりにくい点がないか確認したり、家族やキャリアアドバイザーに練習相手になってもらうのもいいでしょう。
Q. 書類選考がすぐに通りました。面接も受かる可能性が高いということでしょうか?
A. 結果通知のタイミングが合否に関係するかは判断が難しいです。例えば、書類提出日の当日あるいは翌日など、早いタイミングで合否結果が届く場合があります。このような場合、募集要件を満たしていないと判断されない限り、「できるだけ直接会って話を伺おう」と企業側が判断し、すぐに結果を通知することがあります。また、大規模な採用を予定している場合も同様のケースが挙げられます。その他にも、即戦力となる人材を確保するために即日で結果が来ることがあります。採用スピードが速いということは、それだけ採用に積極的だと考えられます。
Q. 面接時に書類通過の理由を聞いても良いですか?
A. 聞いても問題はありません。ただ、書類選考の合否を判断した方と面接官が異なる場合や、企業側の都合上、お答えできないこともあり、明確な回答が得られないケースもあります。
Q. オンラインで面接をすることになりました。気をつけるポイントやコツはありますか?
A. オンライン面接では、対面での面接に比べ、表情や雰囲気が伝わりづらくなることがあります。そのため、実績や経験、スキルなどをしっかりと言語化し明確に伝えることがより重要になります。加えて、通信環境の確認もしておきましょう。通信速度が遅く音声が途切れると、会話が進みづらくなります。友人や家族とオンライン通話をして、問題がないか確認をしておくといいでしょう。また、通話中に音声がかぶり、発言を譲り合う瞬間があります。そうした、オンラインならではのコミュニケーションに慣れておくと、本番でも焦らずに対応ができます。その他、オンライン面接でも、対面での面接と同じように、服装や髪型の清潔感には気を配りましょう。画面に映る背景が面接官にマイナスな印象を与えないかチェックしておくことも大切です。
Q. 履歴書や職務経歴書の持参は不要と言われました。本当にそれでいいのでしょうか?
A. なくても問題はありません。面接前に書類内容を確認しておきたい場合は、資料を持参しておくと安心です。
Q. 面接日程のメールが来ましたが、場所の明記がなかったため、確認メールを送りました。明日に面接を控えていますが、このまま連絡が来るまで待つべきでしょうか?
A. 面接の案内メールに情報の抜け漏れや不明点がある場合は、前日までに面接先へ確認のメールや電話など連絡を入れましょう。
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