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中小企業と業務契約で個人は副業として貢献する。個人と中小企業の新しい関係 “GOOD AGENT AWARD 2019” 特別賞

株式会社ファイブセンス 小濵 豊弘氏

毎月5万円でWEB販売を伸ばしていってくれる人がいないだろうか。社長と専務の思いに応えるべく、個人エージェントの柔軟さで取り組んだ小濵氏。社員雇用よりも業務委託で個人も中小企業も幸せになる可能性を見つけた。

鹿のジビエ肉販売の広報担当者募集

京都府京丹波町に、地元で獲れる鹿肉を食肉、ペット用フードに捕獲から処理加工、製品化するA社。品質管理、衛生管理にこだわりを持ち、「国産ジビエ認証施設」の第1号施設として選ばれ、官民ファンドや地銀から支援対象として選ばれるなど、注目を浴びている企業だ。しかし、社員は社長・専務と、工場で製造にあたるスタッフあわせて8人。どんなにいいものをつくっても、ブランドを広めていく人がいないため、事業が加速しない。WEB販売も機能せず、販売は各地のマルシェイベントでの地道な対面販売に頼っていた。

官民ファンドから「優秀な広報人材の採用を手伝ってほしい」と依頼を受ける。「WEBマーケティングの手腕があり、月額給が少なくとも京丹波町に勤務できる人」という条件に、大手エージェントの友人もさじを投げていた。「その友人が『受けてくれそうな渋いエージェントが大阪にいる』と紹介してくれたんです(笑)。それでも私もさすがに最初は、難しいだろうなと思っていました」

ファンド担当者とA社の社長に会った小濵氏。そこで考えが一転した。

「深刻な獣害による農作物被害削減とそれを有益に地元活性、地方創生に活かすジビエ。社長は自ら猟師でもあり、捕獲した鹿の適切な処理と、口に入れる肉をいかに安全にするかを考え、ご自身で試行錯誤を重ねていたんです」

できるだけ生きたまま捕獲できるよう、銃を使わずに罠でつかまえる。また過去の銃弾が体に残っている場合もあるので、金属探知機で肉をチェックする工程まである。

「いろいろな過程を経てはじめて、身内にも食べさせたい鹿肉になる。商品に自信はあるけど、今の売り方、体制では事業になっていかない」そういう社長の声を聞き、小濵氏は心に決めた。「商売ありきではなく地域のため、ジビエのスタンダードを創るために挑戦するこの人こそ応援しなくては!」

人のつながりで出会った理想に近いNさん

しかし話を詰めていくとA社が実際に出せる金額は月5万円程度が現実と判明。そこで小濵氏は作戦を練る。

・京丹波町に地縁のある人

・社長と一緒にジビエを全国・世界に広めたいと共感してくれる人

・WEBマーケティングディレクターができる人

・副業で受けてくれる人

この条件だと知り合いを伝っていくしかない。隣町の丹波市に縁がある後輩に聞いたところ、31歳の女性Nさんを紹介された。彼女は夫と丹波市に移住し、「地域おこし協力隊」で仕事をしていた。かつてはアパレル企業で販売、店長、商品企画を手掛け、その後結婚して夫婦で1年間の世界一周の旅に出た。帰国後丹波エリアに移住、古民家のゲストハウス開業という新たな夢に向かって計画を立てていた。さらにパソコンがあればどこでもいつでも仕事ができると考えWEB制作の専門学校にも通学。Nさんが手がけ再生した道の駅、フォロワー1万人超えした丹波のインスタグラムは、まさに地域活性のプロの仕事ぶり。

「地域に対する愛着や姿勢、お人柄、スキル全てが、びっくりするほどA社にぴったりの人材でした」

さっそくA社の社長と専務はNさんと面接し、事業の現状やWEBを見てもらった。「そこで彼女は商品の見せ方やコンセプト、サイト内でのジビエの見せ方について実に的確な指摘をしてくれました」

社長・専務もその内容に感嘆。ぜひNさんに任せたい。ゲストハウス開業準備の合間で、在宅勤務で構わない、必要なときに会社にきてくれたらいいという業務契約でまとまった。

しかしその後突然、Nさんが体調を崩し、入院してしまったのだ。最初は「すぐに戻りますから」と言っていたが、そのうち、一切の連絡もとれなくなった。Nさんの夫からの連絡で、生死をさまようほどの病気だったとわかった。A社も事業のことを考えると早く次の人を探すべきだったが、「Nさんがあまりにも理想的な人材だったため、A社社長も私も気持ちの切り替えがなかなかできなかった」

途方にくれる中、2か月後、本人から突然、快復の連絡が入った。「あのときはNさんがとにかく無事だったことがうれしかったですね」

今後のことをどうするか。できればもう一度契約を前向きに考えたい。しかしここは急いでいいものでもない。小濵氏はA社の気持ちとNさんの状態を考え、「自分がNさんの状態を見極め、再度紹介できると思ったら会っていただけますか?と社長に話しました」そしてさらに1か月後、Nさんの様子を確認できた小濵氏は再度A社に紹介。顔合わせの機会をつくりA社社長と専務がNさんの快復を喜び、再度業務を依頼した。

WEBサイトリニューアルで商品販売額は4倍に

Nさんはその後、業務委託でWEBサイトの刷新を手掛け、2019年9月にリニューアルオープンした。WEBサイト売上が1か月で20万円以上を売り上げた。以前の約4倍の金額だ。

在宅勤務・月5万円の業務契約という形で人と企業をつなげ、中小企業の事業収益に大きく貢献する。Nさんはゲストハウス開業とともに、副業としてA社のWEBマーケティングを担う。

小濵氏は「このような契約が中小企業にはいい形になるかもしれない、と学んだ案件でした」と語る。ベンチャーや中小企業では、社長に共感して入社したものの、思っていた環境じゃなかった、と辞めてしまう人も少なくない。しかしNさんのように業務委託契約という結びつきであれば、お互いにストレスが少なく、WINWINを続けられるかもしれない。「退職されるリスクもなければ、雇用時の悩み事もない。中小企業が特定のスキルをもった人物が必要となった場合は、業務委託契約という選択肢もおすすめするようになりました」

 

転職者・企業へのメッセージ

【転職者の方へ】

今回のNさんとの出会いは、多様化する働き方と企業との、よりよい関係をつくる機会となりました。挑戦したい個人を多様な働き方の支援で応援していきたいと考えています。

【企業様へ】

中小企業やベンチャー企業の常になくなる事がない人材課題に対して、広い視野で解決方法を提案します。時には個人との業務委託契約も有効な手段かもしれません。

 

【プロフィール】

株式会社ファイブセンス 小濵 豊弘氏

大学卒業後、大手住設メーカーで法人営業を3年半経験。その後、大手人材紹介会社へ転職し人材紹介事業に13年従事。マネージャー、支社長などを歴任し、2013年8月にファイブセンスを設立。関西エリアで地域に根付いたサービスを目指す。趣味はマラソン。2019年はサハラマラソンにも挑戦した。

特別賞受賞者

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