
待遇欄に社会保険がない場合、保険には加入できない?
募集要項に社会保険が明記されていない求人広告がありました。この会社に入社した場合、保険には加入できないのでしょうか?
(T・Nさん、ほかからの質問)
法律の基準を満たせば加入できます。
社会保険とは労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険の4保険の総称であり、会社は下記の条件で労働者を加入させる義務があることが法律で定められています。
(1)労災保険:すべての労働者
(2)雇用保険:フルタイムで雇用される労働者。パートは、1週間の所定労働時間が20時間以上なおかつ31日以上雇用される見込みのある労働者。
2022年4月1日から、65歳以上のマルチジョブホルダー制度が開始されました。以下の要件を満たす場合、1社で上記週所定労働時間20時間を満たさなくても、2社で合算することで被保険者になれる制度です。労働者自身が居住所を管轄するハローワークに申し出ることで、申出を行った日から特例的に雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることができます。
・複数の事業所に雇用される65歳以上の労働者
・2つ以上の事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満)の労働時間を合計して、1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であること
(3)健康保険、厚生年金保険:フルタイムで雇用される労働者。パートは、1週間の所定労働時間と1カ月の所定労働日数がいずれも正社員の4分の3以上ある労働者。ただし、2カ月以内の有期雇用契約の方は対象外となります。
ただし、従業員数501名以上(厚生年金の被保険者数)の企業で働く場合、週の所定労働時間が20時間以上で、なおかつ決まった月収が8万8000円以上、雇用期間が1年以上である(見込みを含む)パートの人も、健康保険・厚生年金保険の加入対象です。
ただし、この条件は学生には適応されません。以下、詳細な条件です。
<5つの条件>
1.週の所定労働時間が20時間以上であること
2.賃金月額が月8.8万円以上(*1)(年約106万円以上)であること
3.1年以上の使用されることが見込まれること
4.従業員501名以上(厚生年金の被保険者数)の勤務先で働いていること(*2)
5.学生でないこと(※夜間や定時制など、学生でも加入できる場合もある)
なお、上記「従業員501名以上」は、2022年10月1日に、「従業員101名以上」に改正されます。
(*1)以下は1ヶ月の賃金から除外できる。
・臨時に支払われる賃金や1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(例:結婚手当、賞与等)
・時間外労働、休日労働および深夜労働に対して支払われる賃金(例:割増賃金等)
・最低賃金法で算入しないことを定める賃金(例:精皆勤手当、通勤手当、家族手当)
(*2)2017年4月1日からは、厚生年金の被保険者数が500人以下の企業でも、「労使合意(働いている方々の2分の1以上と事業主が社会保険に加入することに合意すること)に基づき申し出している」又「地方公共団体に属する事業所」であれば、501人以上の要件を満たすことになりました。
心配な場合は、応募前に確認することをオススメします。社会保険の規定があいまいな会社は、こちらから避けたほうがよいでしょう。
この内容は、2022/3/15時点での情報です。
(文責:編集部、アドバイザー:松尾友子、冨塚祥子)
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