仕事に興味がなくなりました。それでも続けるべきでしょうか?【転職相談室】

教育の仕事に興味を持って教育業界に就職したのに、2年経って興味がなくなってしまったというKさん。
「興味を失ったのにこの仕事を続けてもいいのだろうか」と悩むKさんに対し、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏が仕事選びの考え方や現状への対処法などについてアドバイスしました。
目次
仕事に興味がなくなり、なかなかやる気が出ません。転職するのはあり?(Kさん/24歳/学習塾運営スタッフ)

<相談内容>
学習塾の運営スタッフ職に就いて2年が経ちましたが、仕事にどんどん興味を失っています。
教育計画の策定や広報活動、生徒獲得のためのイベント企画・運営が主な仕事ですが、生徒数のノルマを課せられ、売り上げアップにばかりに注力させられます。
もっと生徒一人ひとりに合ったより良い教育の実践に関わりたかったのですが、それが許されず…教育そのものに興味を失っています。
こんな気持ちで今の仕事に関わり続けるのは良くないと思い、転職を考え始めています。
必ずしも、「興味がある仕事に就かねばならない」ことはない
▶相談者
学習塾の運営スタッフ職に就いて2年が経ちましたが、仕事にどんどん興味を失っています。
教育計画の策定や広報活動、生徒獲得のためのイベント企画・運営が主な仕事ですが、生徒数のノルマを課せられ、売り上げアップにばかりに注力させられます。
もっと生徒一人ひとりに合ったより良い教育の実践に関わりたかったのですが、それが許されず…教育そのものに興味を失っています。
こんな気持ちで今の仕事に関わり続けるのは良くないと思い、転職を考え始めています。
▶アドバイザー
大前提として、「興味がある仕事に就かねばならない」ということはありませんよ。
実際、世の中には興味のない仕事に就いて力を発揮している人がたくさんいます。
▶相談者
そうでしょうか。興味がある仕事に就けばやる気が上がり、必然的に成果も上げられると思うのですが…。
▶アドバイザー
確かにそういう側面もあると思いますが、興味がずっと続くとは限りません。
初めは興味を持っていた仕事でも、慣れてしまい日々の業務がルーティン化してきたら、つまらなく感じ興味がなくなってしまう可能性があります。
勤務先を取り巻く環境が変われば、目指す目標や求められる働きも変わるでしょう。
今の勤務先のように、会社の方針が売り上げ至上主義に変わってしまって、興味がどんどん失われる可能性だってあります。
▶相談者
おっしゃる通りですね…。
▶アドバイザー
Kさんはまだ24歳。第二新卒であり、ポテンシャルをアピールすればキャリアチェンジも可能だと思います。
ただ、「興味が持てるかどうか」だけで転職を考えると、もしまた興味が持てなくなってしまったときのことを考えると、興味だけで転職するのはあまりお勧めできません。
▶相談者
確かに…私はいったいどうすればいいのでしょう。
興味を失った理由と向き合い、方向性を明らかにしよう
▶アドバイザー
まずは「興味がなくなった理由」を洗い出してみましょう。
そこから「仕事に対するKさんの思い」が明らかになると思います。
今現在、最も興味を失っているのは「教育業界」に対してですか?それとも「仕事内容」か「勤務先」に対してでしょうか?
▶相談者
うーん…先ほど「教育そのものに興味を失った」と言ってしまいましたが、よくよく考えれば、生徒のことよりも売り上げを最重要視して、無理な勧誘をさせる勤務先に嫌気が差し、この会社の仕事に興味を失ったのだと思います。
運営スタッフの仕事自体は、嫌というわけではありません。
▶アドバイザー
教育に関してはいかがでしょう?もし転職するとして、教育分野以外に「働いてみたい」と思える業界はありますか?
▶相談者
特に思い当たらないなあ…。学生時代からずっとこの業界ばかりを見てきたので、やっぱり教育が好きなんだと思います。
教育を通じて、日本の未来を担う人たちの育成に関わりたいという思いは今も変わりがありません。
▶アドバイザー
わかりました。となると、「教育に関わる」という軸はそのままに、転職先を考えるのが良いと思います。
例えば、教育事業を展開しているIT企業に転職するのは一つの方法。
「EdTech」という、教育(Education)×テクノロジー(Technology)を組み合わせたビジネスを展開するIT企業は増えています。Kさんの知識や経験が活かせる場面は多いでしょう。
もちろん、今から学校の教師を目指すのもありでしょうし、例えば児童福祉施設の指導員や、プログラミング教室など子ども向けスクールのスタッフといった、受験目的ではない教育機関を狙うのもいいと思います。
資格を取得してスクールカウンセラーを目指すという道も考えられるでしょう。
視点を変えて、「社会人の教育」に携わるという方法もあります。
DX(デジタルトランスフォーメーション)やAIに関連する仕事が増えるのに伴い、新しい仕事に必要なスキルの修得を目指す「リスキリング」が注目されています。
学生向けの教育事業は、少子化の影響で競争が激化していますが、社会人の教育は今後も市場拡大が見込めるため、伸びている分野でイキイキ働くことができそうです。
もしくは企業の人事職や総務職にキャリアチェンジして、自社の社員の教育や育成業務に携わるという道もあり得ると思います。
▶相談者
教育という軸で、これだけさまざまな方向性が考えられるのですね。視野が広がりました!
「これまでの強みが活かせそうかどうか」で応募先を絞り込もう
▶アドバイザー
そして応募企業を絞り込む際には、「自分の強みを活かせそうか」で判断するといいと思います。
第二新卒と言っても、経験を活かせるほうが転職においては有利です。
強みをアピールすることで、応募先企業によりポテンシャルを感じてもらえるでしょう。
例えばですが、新規集客のためのイベントを企画するのが得意であれば、その経験を活かしてEdTech企業の商品企画や事業企画を狙うという道があります。
教育計画を練るのが得意ならば、リスキリング関連企業の企画系職種や、社員教育に関わる人事職のポジションでも力を発揮できるでしょう。
生徒とのコミュニケーションに強みを持っているのであれば、子どもたちに直接関われるようなスクールスタッフや、教育系企業の営業、商品企画なども考えられると思いますよ。
▶相談者
なるほど…集客イベントの企画・実行は何度となく行い、それなりに成果を上げてきました。
生徒とのコミュニケーションも、年齢が近いため比較的スムーズに取れていたと思いますし、勉強や進路に関する相談を受けることも多かったです。
▶アドバイザー
いいですね。是非自分の強み、そして思いと向き合い、いろいろな可能性を検討してみてください。
▶相談者
ありがとうございます。チャレンジできそうな選択肢が広がって、ワクワクしてきました。
2年弱という短い経験ではありますが、改めて自分の経験を棚卸しして強みを洗い出し、転職活動に活かしたいと思います。
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