【年代別】転職で重視される能力とスキルは?
中途採用では、経験や知識が重視されるケースが一般的です。では、転職で求められる能力とは、どのようなものが挙げられるのでしょうか?
20代、30代、40代の年代別に、求められる能力についてご説明します。
企業が採用で重視する能力・スキルとは
企業が採用をする際に重視するポイントは、大きく分けると4つあります。基礎学力や素養、職務遂行能力といった「ポテンシャル」、仕事に対する価値観や考え方を表す「スタンス」、業界問わず生かせる仕事の強み「ポータブルスキル」、そして専門性が高く特定の領域で発揮される「テクニカルスキル」です。
第二新卒や異業種からの採用では「ポテンシャル」「スタンス」「ポータブルスキル」が重視されますが、経験年数が増えるに従って「ポータブルスキル」に加えて「テクニカルスキル」が重視されるようになります。
採用面接では、ポータブルスキルやテクニカルスキルを判断するために、具体的なシーンやアクションを確認しています。
一例として「STAR」と呼ばれる手法では、「S:どのような状況で(Situation)」「T:どのような課題があり(Task)」「A:どのような行動をして(Action)」「R:どのような成果が出たのか(Result)」を、面接の質問を通じて明らかにしています。
例えば「周囲を巻き込む力」というポータブルスキルの場合は、「大手クライアントに対して、既存商品の売り上げが下がる中(S)、注力商品のリニューアルを成功するために(T)、開発部門を説得してプロトタイプを作って提案した(A)結果、売り上げが15%アップした(R)」などのように、面接では事実や具体的なシーンを交えて伝えることが重要です。
20代で重視される能力・スキルとは
20代では、ポテンシャルとポータブルスキルが重視されます。第二新卒や20代前半であればポテンシャルを重視、20代後半ならポータブルスキルがより重視されるようになります。
従業員の能力を高める教育研修という観点でも、2016年にリクルートマネジメントソリューションズが行った「人材開発実態調査2017」によると、内定者や若手に対して重視する学習内容は、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「仕事に向かうスタンス」が上位となっています。
これらは、経済産業省が提唱した「社会人基礎力」とも一致する、仕事をするために必要な基礎的な能力と言えるでしょう。
引用元:リクルートマネジメントソリューションズ「人材開発実態調査2017(https://www.recruit-ms.co.jp/research/inquiry/0000000548/)」
30代で重視される能力・スキルとは
30代は、リーダーや管理職など、メンバーをマネジメントするポジションに就く人が増える年代です。
ポテンシャルやスタンスが重視される20代とは異なり、中途採用では即戦力を求められるため、汎用的なポータブルスキルだけではなく、マネジメント力を含めたテクニカルスキルも評価のポイントとなります。
「人材開発実態調査2017」でも、係長やチームリーダーといった中堅クラスに対しては、「職場の課題を解決する力」「自らの考えを発信し、周囲を動かす力」「後輩を指導・育成する力」が重視されるようになっています。
引用元:リクルートマネジメントソリューションズ「人材開発実態調査2017(https://www.recruit-ms.co.jp/research/inquiry/0000000548/)」
ポータブルスキルにプラスして、テクニカルスキルが重視されるのが30代の傾向ですが、テクニカルスキルは職種やポジションによって異なります。
営業であれば「交渉力」「ヒアリング力」「コミュニケーション力」など、営業活動で必要となる能力が、経理であれば「正確性」「分析力」「調整力」などの能力が求められるでしょう。また、役職が上がれば求められる能力も変わり、職場やメンバーに働きかける能力が重視されるようになります。
40代で重視される能力・スキルとは
40代では、マネジメントスキルと専門知識が重視されるようになります。中途採用では、キャリアチェンジよりも同業種同職種、または異業種同職種の転職が増える傾向にありますが、採用背景によって求められる能力・知識は異なります。
異業種同職種の採用の場合は、例えば事業成長が早く、求められているポジションに相応しい人材が自社で育っていない、または人材が足りないなどの事情により中途採用が行われる傾向があります。
また、異業種同職種の採用の場合は、既存事業の革新のためにあえて異なる視点を持つ人材を取り入れたい、企業成長のために風土を変えていきたいなどの事情が挙げられます。
ポジションによって求められる能力が異なるのは、「人材開発実態調査2017」でも同様で、課長クラスでは「部下を動機づける力」「部下を指導・育成する力」が重視されますが、部長クラスでは「内部環境を踏まえ、組織のビジョンを構成する力」「戦略を立案する力」が上位となっています。
また、1000名以上の大手企業を中心に「環境変化を踏まえて新しい事業や仕組みを企画・推進する力」「組織風土を変革する力」も重視されるようです。
引用元:リクルートマネジメントソリューションズ「人材開発実態調査2017(https://www.recruit-ms.co.jp/research/inquiry/0000000548/)」
自身の能力・スキルが分からない場合は自己分析を
ご紹介した通り、各年代で求められる能力は異なります。
転職活動では、求人情報に記載されている採用背景や仕事内容、求めているスキルを確認し、過去の経験でアピールできるエピソードがないかを振り返ってみましょう。また、アピールする時は、前述の「STAR」のフレームを利用し、具体的なエピソードを交えると説得力が増すでしょう。
「アピールできる強みが見つからない」という場合は、キャリアの棚卸しや自己分析から始めることをお勧めします。
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