稼げる仕事に転職したいのですが、どのような仕事がありますか?【転職相談室】

給与が安いことに不満を覚え、稼げる仕事に転職したいというKさん。
稼げる仕事とはどのような仕事なのか、そしてどのように転職先を選べばいいのかなどについて、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏に伺いました。
稼げる仕事に転職したいのですが、どのような仕事がありますか?(Kさん/26歳/営業職)

■相談内容
新卒で入社した会社の給与が安すぎて不満です。このままでは貯金もできないどころか、生活していけるかどうかも不安なので、稼げる仕事に転職したいと考えています。稼げる仕事にはどのようなものがありますか?
給与水準の高い業界や利益率の高いビジネスモデルの会社に注目
▶相談者
どうやら今の勤務先は同業他社に比べても給与水準が低いようです。業績もいいとは言えないし、営業で好成績を収めてもインセンティブもありません。ボーナスで日々の生活費を補填しているような状態に嫌気が差し、とにかく稼げる仕事に転職したいと思っています。
▶アドバイザー
先行き不透明な時代の中、将来に不安を覚え「稼げる仕事に転職したい」という方は多いと思います。働く上で給与は大事な要素ですし、「稼げるようになりたい」というのは立派な転職理由です。
▶相談者
給与アップ転職を実現するには、どのようなところを狙えばいいのでしょう?
▶アドバイザー
いろいろな視点がありますが、まずは業界によっても給与水準は大きく変わることを知っておきましょう。もちろん企業によって差はありますが、一定の原材料や在庫を保有する必要があるメーカーは、一般的に言うと利益率が低く、給与水準も相対的に低い傾向にあります。
一方で、在庫を持たず人材が最大のリソースであるコンサルティング業界や金融業界は、給与水準が高いとされています。実力主義の企業が多い外資系企業も、給与水準が高いと言われています。
また、同じ業界であっても、規模が大きい企業や市場シェアが高い企業は給与水準が高い傾向にあります。一般的な知名度は低くても、BtoBの分野でトップシェアを持っている企業もあるので、調べてみるといいでしょう。
個別企業で言えば、独自の努力や工夫で高収益のビジネスモデルを確立している企業や、急成長中にあり積極的に利益を社員に還元している企業もあります。
したがって、給与水準が高い業界を中心に、市場シェアや利益構造、利益還元の姿勢などを個別に確認しながら、応募先を選定していくことをお勧めします。
「稼げる」だけに注目せず、総合的に判断を
▶相談者
ありがとうございます。そういう企業をチェックしたいとは思いますが、できれば自分の力でもっと稼ぎたいという思いがあります。まだ若いので、若いうちにバリバリ働いて稼げるだけ稼ぎたいのですが、どのような仕事がいいでしょうか?
▶アドバイザー
Kさんは営業職とのこと。営業経験を活かして、インセンティブの比率が高い企業に転職するという方法はあります。
たとえば、不動産や金融などの営業職は、売り上げや契約数に応じてインセンティブが支払われるところが多く、頑張って成果を上げれば高収入を目指せます。営業未経験でも積極的に採用している企業もあるので、営業経験があれば転職は比較的容易でしょう。
ただ、インセンティブの割合が高い分、基本給が低く設定されているケースもあるので注意が必要です。この場合、成果が上がらなければ収入も下がってしまうので、給与維持のために成果を上げ続けなければならないプレッシャーが強くなります。
また、積極的に採用している企業は間口が広い分、入社後の競争も厳しいという側面があります。そのような厳しい環境で頑張り抜く覚悟も必要です。
▶相談者
稼げる仕事は、それだけ厳しいのですね。
▶アドバイザー
若いうちに稼ぐ!と腹を決めて挑戦するのはアリだとは思います。タフな現場でもまれながら頑張り抜いた経験は、貴重な財産になるとも思います。ただ、長く腰を据えて働き続けられる環境とは限らないので、一定期間と決めて臨んだほうがいいかもしれません。
とはいえ、基本的には「稼げる」という視点だけで転職先を選ばないほうがいいと思います。
職場環境は自分に合っているか、福利厚生は充実しているか、人事制度は整っているか、企業の理念に共感できるか、キャリアパスは明確か…など、企業を選ぶ際にはさまざまな項目があります。それらの項目を無視して、「稼げる」の1点で転職先を決めると、あまりの忙しさや競争の厳しさに疲れてしまったり、やる気を失ってしまったりする恐れがあります。
たとえ稼げる環境だったとしても、理念に共感できなければモチベーションがなかなか上がらないでしょうし、社風や風土が自分に合わなければ実力を発揮しにくいでしょう。
Kさんにもきっと「稼げる」以外に大事にしたい項目はあるはずです。企業選びの際には、稼げることを最優先としながら、それらの項目も併せてチェックすることをお勧めします。
▶相談者
うーん…働く環境は大事にしたいかもしれません。周囲と切磋琢磨しながらも、互いに支え合いサポートし合う雰囲気があれば、高い目標に向かって頑張り抜ける気がします。
あと、メリハリも大事にしたいので、休暇が取りやすい風土があるのが理想です。仕事は猛烈に頑張り、休むときは休む。そういう環境を重視したいと思います。
▶アドバイザー
いいですね。そのように自分の思いや希望に向き合い、重視したいポイントを洗い出しながら、応募先企業を探してみてください。「サポート体制」「有給休暇取得率」などのキーワードで求人を検索すると、ピックアップしやすいと思います。
あとは面接の場などで質問したり、実際に社員に会わせてもらい生の声を聞いたりするのもいいでしょう。
▶相談者
企業選びの方向性が見えてきました。目先の稼ぎだけではなく、やりがいを持ってイキイキ働ける環境も目指したいと思います。ありがとうございました。
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