履歴書の本人希望記入欄(本人希望欄)の書き方と例文|書いて良いこと・NGを解説

この記事でわかること
- 特に希望がなければ「貴社の規定に従います」と書く基本ルール
- 勤務時間や健康上の理由など、状況別にそのまま使える例文
- 給与や待遇の希望など、書くべきではない内容と正しい伝え方
履歴書の本人希望記入欄(本人希望欄)は、特に希望がなければ「貴社の規定に従います」と書きます。空欄や「特になし」の記入は、記入漏れや意欲不足と受け取られる恐れがあるため避けましょう。
この記事では、本人希望記入欄の基本の書き方と状況別の例文、書くべきではないNG内容を解説します。
組織人事コンサルティング 株式会社YAGAI 代表取締役CEO
目次
履歴書の「本人希望記入欄」とは
履歴書にある「本人希望記入欄」は、入社希望時期や連絡手段・時間などといった「応募先に認識してほしい事項」や、勤務時間の制約など「入社にあたっての絶対条件」などを記載する欄です。
履歴書には、「本人希望記入欄(特に給料・職種・勤務時間・勤務地・その他についての希望などがあれば記入)」などと併記されているケースが多いため、「希望があれば自由に記載して良い」というイメージを持つかもしれません。
しかし、実際は「希望を何でも書く欄」ではなく、記載内容には一定のルールやマナーがあります。思いつくままに記載するとマイナスイメージにつながる恐れもあります。
基本の書き方や記入例を参考にしながら、正しく本人希望記入欄を作成しましょう。
関連記事
▶ 履歴書テンプレート8種|無料ダウンロード
履歴書の「本人希望記入欄」の基本の書き方(見本付)
履歴書の「本人希望記入欄」を書く際は、次の3つの基本ルールがあります。
- 特に希望がない場合は「貴社の規定に従います」と記載する
- 採用担当者に事前に共有しておきたい事項のみを記載する
- 内容は簡潔にまとめる
3つのルールを理解したうえで、希望がある場合・ない場合それぞれの書き方を確認しましょう。
希望がない場合は「貴社の規定に従います」と書く
本人希望記入欄に記載することがない場合は、空欄にするのではなく、次のように「貴社の規定に従います」と記載するのが基本です。
○記入例
✅ 貴社の規定に従います。
空欄で提出してしまうと「書き忘れ」と捉えられる可能性があるため、必ず「貴社の規定に従います」と記載しましょう。
希望がある場合は、内容を簡潔に書く
あらかじめ採用担当者に事前に共有しておきたい事項がある場合は、詳細は省き要点のみを簡潔に記載しましょう。
記載した内容は「入社の条件」として受け取られることもあります。希望の詳細は面接ですり合わせる機会があるため、この欄には必要最低限の内容を「△△のため、〇〇を希望します」のようにシンプルにまとめることがポイントです。
具体的に書いて良い内容は、次の段落で解説します。
履歴書の「本人希望記入欄」に書いて良いケースと書き方のポイント
履歴書の「本人希望記入欄」に書いても良い内容は、主に次の6つです。
- 複数の職種や勤務地で募集があり希望を伝えたい場合
- 連絡方法や連絡可能な時間帯を伝えたい場合
- 退職予定日や入社希望日などに関する希望を伝えたい場合
- 子育てや介護で勤務時間に制約がある場合
- 通院など健康上の理由で希望がある場合
- そのほかに譲れない条件や希望がある場合
「絶対に譲れない条件」とまでは言えない希望や要望の場合は、ここでは「貴社の規定に従います」と書いておき、選考過程ですり合わせると良いでしょう。
複数の職種や勤務地で募集があり希望を伝えたい場合
複数の職種や勤務地で募集している場合は、募集要項に書かれている表記に合わせて希望職種や希望勤務地を明記しましょう。
○記入例
✅ 営業職を希望いたします。
✅ 東京本社での勤務を希望いたします。
✅ 事務職として、大阪支社での勤務を希望いたします。
連絡方法や連絡可能な時間帯を伝えたい場合
連絡方法が限られている場合や、連絡がつきにくい時間帯がある場合は、この欄を活用して共有すると良いでしょう。採用担当者との連絡の行き違いを防げます。遅い時間帯や休日のみの指定は避け、先方の業務時間にも配慮して書くようにしましょう。
○記入例
✅ 就業中のため12:00-13:00/18:00以降は通話可能です。
✅ 在職中のため、お電話でのご連絡は平日18時以降にお願いいたします。
○記入例
✅ 平日はメールでの連絡を希望いたします。18:00以降は携帯にご連絡ください。
✅ 日中は電話に出られないため、ご連絡はメールにてお願いいたします。
退職予定日や入社希望日などに関する希望を伝えたい場合
退職予定日がすでに決まっていて、「いつから働けるのか」を明確に伝えたい場合は、この欄に具体的な日付を記載しましょう。
現在在職中で、退職にむけて日程を調整中の場合は「現在、3月末の退職にむけて調整中」などと一言添えるのも良いでしょう。
○記入例
✅ 〇月〇日より勤務可能です。
✅ 現在、3月末の退職にむけて調整中です。
○記入例
✅ 退職予定日:20XX年6月30日 入社可能日:20XX年7月1日より就業可能
✅ 現職を3月31日付で退職予定のため、4月16日以降の入社が可能です。
子育てや介護で勤務時間に制約がある場合
子どもの送迎や家族の介護で勤務時間に制約がある場合は、制約の内容と理由を本人希望記入欄に簡潔に書き、勤務できる範囲もあわせて伝えましょう。「17時までの勤務が可能」のように対応できる範囲まで示せば、採用担当者は勤務条件を検討しやすくなります。
○記入例
✅ 子どもの保育園への送迎のため、17時までの勤務を希望いたします。
✅ 子どもの保育園への送迎のため、始業は9時以降を希望いたします。
○記入例
✅ 家族の介護のため、平日は18時までの勤務を希望いたします。
✅ 家族の介護があるため、土日祝の勤務は難しい状況です。
希望に幅があり、詳細を面接ですり合わせたい場合は、「面接の際にご相談させていただけますと幸いです」と添える書き方もあります。
×NG例
❌ プライベートの時間を確保したいため、残業はできません。
❌ 子どもがいるため、急な残業や休日出勤は一切できません。
やむを得ない事情があっても、「できません」「一切不可」などの断定的な表現は避けましょう。採用担当者に一方的な印象を与えかねません。理由を添えたうえで「希望いたします」「難しい状況です」といった表現でまとめるのがポイントです。
通院など健康上の理由で希望がある場合
通院など健康上の理由で配慮してほしいことがある場合は、「業務に支障はありません」と先に添えたうえで、配慮してほしい内容を本人希望記入欄に簡潔に書きましょう。業務に支障がないことが先に伝わる書き方であれば、採用担当者も安心して選考を進められます。
○記入例
✅ 業務に支障はありませんが、通院のため月1回程度、平日に半日お休みをいただく場合がございます。
✅ 業務に支障はありませんが、毎週金曜日は通院のため、残業が難しい状況です。
✅ 業務に支障はありませんが、定期検診のため年に数回、平日にお休みをいただく場合がございます。
記載するのは配慮してほしい点だけで十分であり、病名や通院の詳細まで書く必要はありません。
×NG例
❌ 持病があるため、体調によっては急に休む場合があります。
❌ ○○(病名)の治療中のため、長時間勤務はできません。
体調不良の可能性のみを伝える書き方や、病名を具体的に記載するのは避けましょう。「業務に支障がない」という事実を先に伝えることが重要です。病名の開示は義務ではなく、書かなくても選考上の問題はありません。
そのほかに譲れない条件や希望がある場合
入社にあたりどうしても譲れない条件や、業務への影響が想定される事情がある場合は、その条件と理由を記載しましょう。例えば、家族の介護で転居を伴う転勤が難しいケースなどが挙げられます。
曖昧な表現は避け、具体的に配慮が必要な内容を簡潔に明記しましょう。
○記入例
✅ 親の介護のため、転居を伴う転勤は難しい状況です。
✅ 家庭の事情により、自宅から通勤できる範囲での勤務を希望いたします。
✅ 〇〇県内での勤務を希望いたします。詳細は面接の際にご相談させていただけますと幸いです。
×NG例
❌ 家庭の事情により、転勤はできません。
❌ 諸事情があるため、条件面は面接でご説明いたします。
理由が曖昧なまま断定的に書いたり、詳細を履歴書に記載せず面接に丸投げしたりする書き方は避けましょう。「○○のため、△△は難しい状況です」のように、理由と希望をセットで簡潔に書くのがポイントです。
履歴書の本人希望記入欄に書くべきではないこと
繰り返しになりますが、「本人希望記入欄」と言っても応募者の希望を自由に書くための欄ではありません。マイナスイメージにつながりやすい内容を解説します。
- 給与や待遇面での希望、一方的な条件提示
- 志望動機や自己PRを記入する
- 「特になし」や空欄のままにする
給与や待遇面での希望、一方的な条件提示
給与や待遇は入社を決める際の重要な条件ではありますが、本人希望記入欄に書く内容ではありません。一方的に希望をぶつけてしまうことになり、ネガティブな印象を持たれかねません。
また、「東京本社以外の勤務は不可」「フルリモートを希望」といった断定的な条件提示も同様です。給与・待遇・勤務条件いずれも、自分の都合を優先しすぎる書き方は採用担当者にマイナスな印象を与えます。
希望条件はある程度選考が進んだ後、または内定後の条件すり合わせの場で伝えるのが一般的です。
志望動機や自己PRを記入する
履歴書の本人希望記入欄は、志望動機や自己PRを記載する欄ではありません。ここに志望動機などを記載してしまうと、ルールが理解できない人、ビジネスマナーをわきまえていない人などと思われてしまう可能性があります。
志望動機や自己PRは該当する欄を活用し、書き切れない場合は職務経歴書に記載しましょう。
「特になし」や空欄のままにする
希望がない場合であっても「特になし」と記載するのは、熱意や意欲に欠ける印象を与えかねないので避けるべきです。
空欄のままにするのもNGです。記入漏れと誤解され、「注意力が散漫なのではないか」「ミスが多い人なのではないか」などと思われてしまう可能性があります。忘れず「貴社の規定に従います」と記載しましょう。
履歴書の本人希望記入欄に関するよくある質問
履歴書の「本人希望記入欄」に関してよくある疑問や質問について解説します。本人希望記入欄の不明点や不安を解消したうえで、正しく記載しましょう。
本人希望記入欄は、選考ではどこまで重視される?
多くの企業は、本人希望記入欄に書かれていることは応募者の「絶対条件」であり「妥協できないポイント」であると認識しているため、記載内容は必ずチェックし重視しています。
したがって、「記載されている条件を満たせない」と判断した場合、書類選考の段階で採用候補者から外されてしまう可能性もあるため、安易に書き込まないよう注意しましょう。
本人希望記入欄に書きたいことが複数ある場合はどうすればいい?
書きたい希望が複数ある場合は、優先順位をつけて1〜2点に絞って記載しましょう。希望を多く書きすぎると「条件が多い人」という印象を与えかねません。
どうしても複数記載する必要がある場合は、箇条書きでまとめると採用担当者が読みやすくなります。詳細な条件のすり合わせは面接の場で行うのが一般的です。
応募先が医療法人などの場合は、どう書けばいい?
応募先が一般企業ではない場合は、応募先に合わせて「貴社」以外の敬称で記載しましょう。例えば、銀行の場合は「貴行の規定に従います」、医療法人の場合は「貴法人の規定に従います」との記載が適切です。
具体的な記載方法は、次のとおりです。
- 財団法人や医療法人などの場合:貴法人
- 協会の場合:貴協会
- 銀行の場合:貴行
- 学校の場合:貴校
- 行政機関の場合:貴庁、貴省
- 業界団体や社会福祉団体など各種団体:貴団体
組織人事コンサルティング 株式会社YAGAI 代表取締役CEO
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、転職支援や企業の採用支援、人材育成・組織開発など幅広く人事領域のコンサルティング業務に従事している。
- タグ:





