「書類選考なし」というオファーがありますが、本当でしょうか?【転職相談室】

企業から送付されるオファーには、「書類選考なし」「面接確約」という文言が記載されていることがあります。こうしたオファーは、なぜ書類選考がなく、すぐに面接をすることができるのでしょうか。
今回は、「『書類選考なし』というオファーがありますが、本当でしょうか?」というご相談に、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタントの粟野氏が回答します。
目次
「書類選考なし」というオファーがありますが、本当でしょうか?(Oさん/28歳/エンジニア)

【相談内容】
新卒入社したメーカーでインフラ系のエンジニアをしています。入社してもうすぐ3年目を迎えるのですが、だんだん今後の自分のキャリアを考えるようになりました。自分のキャリアだとどのような選択肢があるのか分からないため、試しに転職サービスに登録してみたところ、たくさんのオファーが届きました。ただ、そのオファーの多くに、「書類選考なし」「面接確約」と書かれています。書類選考がなく、すぐに面接をしてもらえるのは、自分の経験が評価されているのか、それとも待遇などが悪く人手不足の状態で、書類選考をせずに誰でもいいから採用したいという企業なのか、どちらなのでしょうか?見極めがつかず、不安で手を出せずにいます。
「書類選考なし」「面接確約」の採用を行う企業の背景とは?
▶アドバイザー
「書類選考なし」「面接確約」と書かれたオファーがたくさん届いたものの、企業から評価される経験をお持ちなのか、それともとにかく採用したい企業なのか、どちらか判断がつかないということですね。「書類選考なし」「面接確約」が記載された求人やオファーは、以下のケースでよく見られます。
希少な職種や採用競合の多い職種
例えばエンジニアのように、多くの企業が採用したいと考えている職種や、新しく登場した職種や専門性の高い職種で、転職市場に人数が少ない職種では、「書類選考なし」「面接確約」の求人やオファーが多く見られます。
書類選考をしている間に、他の企業で入社を決めてしまうかもしれないので、できるだけ選考スピードを速くしたいというケースです。
人の入れ替わりが多い職種
人の入れ替わりが多く、恒常的に一定の人材採用をしている職種は、面接で人柄や仕事への意欲、仕事内容との相性を見極めようとする傾向があります。
例えば、実力主義の評価制度を持つ不動産や金融の個人向け営業、シフト制で夜勤や休日出勤を求められるサービス系職種や医療専門職種などが挙げられます。
第二新卒などポテンシャル重視の採用
第二新卒など、若手を採用しようとする場合、経験・スキルよりもポテンシャルを重視する傾向があります。
ポテンシャルを重視しているため、書類選考で経験・スキルをチェックする必要がなく、「書類選考なし」「面接確約」にして、会って人柄や意欲を確認しようとしています。
採用活動の間口を広げたい企業
知名度が高くないために採用に苦戦している企業なども、求職者と接点を持とうとして「書類選考なし」「面接確約」にするケースがあります。求人に書かれている文字情報だけでは企業の魅力が伝わらないため、会って直接話をして、入社意欲を高めたいと考えるからです。
――Oさんの場合は、人材ニーズの高いエンジニアで、かつ入社して3年弱というご経歴なので、積極的にエンジニア採用を行っている企業とポテンシャル重視で若手を採用している企業のどちらからもオファーが届いている可能性があります。
オファーをきちんと見ないと確実なことは言えませんが、「誰でもいいから採用したい」というオファーばかりではないと思いますよ。
▶相談者
そうなんですね。たくさん届くのでちょっと戸惑ってしまって…。
書類選考が免除されても、面接は通常通り選考されるので念入りに準備を
▶アドバイザー
なお、「面接確約」と書かれていても、実際は「30分程度の短めのカジュアル面談」という位置づけの企業もあります。
▶相談者
「面談」と「面接」は何が違うのでしょうか?
▶アドバイザー
「面談」は、企業と求職者の双方が、働き方や仕事内容、評価制度などの気になることを、ざっくばらんに会話し、お互いに理解を深める場です。選考の場ではないので、気軽に参加することができるでしょう。
「面接」は、面談とは違って選考の場です。よく、「書類選考なし」「面接確約」だから経歴を評価されているものと思って、準備をせずに面接に臨む方がいますが、あくまで書類選考が免除されているだけなので、面接の受け答えが不十分な場合は不採用となってしまいます。
また、書類選考が免除されるものの、経歴を理解して面接で深く質問するために、面接までに履歴書や職務経歴書を求められるケースもあります。「書類選考なし」「面接確約」でも油断せずに、応募書類や面接の準備を徹底するようにしましょう。
▶相談者
なるほど。「面談」の方が、気軽に参加して話を聞くことができそうですね。
▶アドバイザー
はい。ただ、企業によっては経歴の詳細までを把握せずにオファーを送っているケースもあります。きちんとOさんのことを知ってオファーを送るのと、確認せずにオファーを送っているのでは、企業の熱意が異なります。人を大切にして採用を真剣に取り組んでいる企業かどうかを、オファー文面から判断するのもひとつの方法です。
また、オンライン面談であれば、移動の負担がないので、興味のある企業には積極的に面談を受けて話を聞いてみるという方法もあります。
▶相談者
オファーの見極め方は、文面を見るという方法があるんですね。
リクナビNEXTの登録で、「書類選考なし」という求人が表示されることも
▶アドバイザー
なお、リクナビNEXTでは、登録したレジュメの内容と、企業が設定した条件が合致した場合「あなたは書類選考なくこの求人の面接に進めます。」と表示されます。このメッセージが表示された求人に応募すると、書類選考なく面接に進むことができます。
オファーの場合は、経歴や希望条件の一部をもとにオファーが届くケースがありますが、リクナビNEXTの場合は条件が合致した場合に表示されるので、経験・スキルなどの条件のミスマッチということは少ないでしょう。
▶相談者
自分に合う企業を見つけるためには、色々な方法があるんですね。
▶アドバイザー
企業から直接話を聞くことで、どのような経験・スキルにニーズがあるのかが分かりますし、他の企業の仕事内容や評価制度、待遇などを知ることもできます。
社会人3年目を迎えるにあたり、ご自身のキャリアの選択肢を知りたいとのことなので、求人やオファーから可能性を探ってみてはいかがでしょうか?
▶相談者
そうですね。今すぐ転職したいわけではないので、じっくりと自分のキャリアに向き合ってみようと思います。ありがとうございました!
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