会社に返却するもの・受け取るもの
[ POINT! ] 個人の所有物のように使っていたものが会社のものだったり、会社が保管していたもので、転職先に渡さなければいけないものもある。受け取るもの、返却するものをよく確認し、退職後に何度もやりとりしなくて済むよう心掛けよう。
*転職者の声「私はこうしました」
■会社に返却しなければならないものは?
 健康保険被保険者証は、退職後は使えないので返却する。転職先が決まっていれば会社が新たに加入手続きをするが、そうでなければ国民健康保険に加入するか任意継続被保険者制度を利用する。
 身分証明書、社員章、制服、名刺など、社員としての身分を証明するものや、通勤に使っていた定期券も、現物を支給されていた場合には返却する。
  会社の経費で購入したり、会社から支給された書籍や文房具なども返却する。取引先や顧客の名刺も、原則的には返却すべきものだ。持ち帰りたい場合は、問題がないか、上司に確認を取ってからにしよう。
  パソコンに保存したデータは業務の一部。自宅のパソコンで作成した資料も、守秘義務があるものは記録媒体に移して返却し、ハードディスクにあるものはすべて消去。自宅に持ち帰った企画書や図面など紙の資料も、忘れず会社に返却しよう。
会社に返却するもの
【返却するもの】
●健康保険被保険者証
健康保険は、加入者が会社を辞めた時点で脱退する仕組み。転職先が決まっていれば、その会社の健康保険に新たに加入し、そうでなければ国民健康保険に加入するか、任意継続被保険者制度を利用する。
●身分証明書、社員章、名刺
その会社の社員であることを証明するものは、すべて返却。仕事で受け取った取引先の名刺についても、会社から返却を求められる場合がある。
●通勤定期券
現物を支給されていた場合には、退職と同時に返却。
●制服
クリーニングに出すか、洗濯してから返す。
●その他
社費で購入した書籍や事務用品など。自身で手掛けたとはいえ、業務で作成したプログラム、図面、フォーマットなどの制作物、業務で使用した資料も残す。
■退職日に必ず受け取るものは?
 「雇用保険被保険者証」「年金手帳」「源泉徴収票」の3つは必ず会社から受け取る。 転職先がまだ決まっていない人は「離職票」も必要。ただし、源泉徴収票や離職票は、手続き上、退職当日にはもらえないので、後日会社から郵送などの方法で受け取る。退職後、遠方に引っ越す場合は、転居先への郵送を依頼しておこう。
会社から受け取るもの
【受け取るもの】
●離職票
会社を退職したことを証明する書類。転職先が決まっている人は必要ない。決まっていない人は失業給付の受給手続きの際にハローワークに提出する。被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内(例えば4月30日に離職した場合は5月10日が提出期限)に会社から交付されるので、期間を過ぎても交付されない場合は問い合わせる。それでももらえない場合は、ハローワークに申し出れば会社に催促してくれる。
●雇用保険被保険者証
雇用保険の加入者であることを証明する書類。雇用保険の受給手続きに必要。転職先が決まったら、新しい会社に提出。
●源泉徴収票
所得税の年末調整に必要。転職先が決まったら提出し、前の会社の分もまとめて年末調整する。退職した年内に再就職しなかった場合は、翌年の3月15日までに税務署に行って確定申告する。
●年金手帳
公的年金の加入者であることを証明する手帳。勤務先が変わっても同じものを使うので、会社が保管している場合は忘れずに受け取り転職先に渡す。退職した時点で転職先が決まっていない場合は、国民年金の手続きを市区町村の役所で行うこと。
■退職日までの給与はどのように支給される?
 退職日までの未払い給与は、通常、所定の給与支払日に精算して振り込まれる。退職日が給与締切日でなければ日割り計算されるのが一般的だ。
 ただし、基本給などの固定給部分を前倒しで払っている会社の場合は要注意だ。残業手当などは、精算後、翌月に振り込まれるが、退職月の基本給は既に退職月に振り込まれている。翌月に振り込まれるのは残業部分のみだ。退職前には、勤務する会社の給与制度も就業規則で確認しよう。
■退職金はどのように算出される?
 退職金の算出方法は、「最終の基本給×勤続年数を基礎とした支給乗率」というのが一般的。 会社都合であれば満額を、自己都合による退職であればこの6割程度を支給するという会社が多い。ほかには、一定の勤続年数を超えると急に支給乗率が上がる会社、老後の生活を保障する基礎部分に在職中の貢献度や業績評価などによるポイントを与え、それに応じて金額を上乗せするポイント制や、 その企業が決めた定年年齢より早い時期に退職すれば通常の退職金よりも割り増しされる早期退職優遇制度などさまざまだ。退職金制度は就業規則の退職金規定に書いてある。退職後の生活設計に困らないよう、あらかじめ目を通しておこう。
「自己都合退職」と「会社都合退職」の場合の「退職金の支給水準相場」
「自己都合退職」と「会社都合退職」の場合の「退職金の支給水準相場」表
*大卒・総合職の場合。単位:千円
出典:労政時報別冊『退職金・年金事情 2003年版』(労務行政研究所刊)
転職者の声「私はこうしました」
会社に返却するもの1。パソコンを初期化したら友人の連絡先も消えてしまった 会社に返却するもの1。パソコンを初期化したら友人の連絡先も消えてしまった/転職者I・Tさん 前職はSI会社のSE[28歳]の場合
自宅でも出先でも、会社から貸与されたノートパソコン一台で仕事していたから、機密事項の多い会社だし、 さすがに退職の際はデータを消して返した方が無難かと、何も考えずにハードディスクを初期化。 気付いたときは、友人のメールアドレスもろとも、すべて消してしまっていた。
会社に返却するもの2。返し忘れた書類のせいで、精神的なストレスに 会社に返却するもの2。返し忘れた書類のせいで、精神的なストレスに/転職者T・Dさん 前職はインターネット会社のウェブ開発エンジニア[29歳]の場合
転職から3カ月ほどたって、前職で担当していた顧客のウェブ構築に使った資料が山のように出てきた。 今さら会社に連絡するのも気まずいし、かといって、会社の誰かが気付いていつ「返せ」と言われるかも分からないから、捨ててしまうのも怖い。 前職の仕事を引きずっているようで、精神的なストレスになっている。
会社から受け取るもの。受け取るものを確認しなかっために、トラブル寸前に/転職者S・Nさん 前職は広告代理店の営業職[31歳]の場合 会社から受け取るもの。受け取るものを確認しなかっためにトラブル寸前に
退職して確定申告する際、源泉徴収票が必要なことを後になって知ったが、いくら捜しても手元にない。 前の勤務先に問い合わせると、「既に渡した」の一点張り。こちらも退職日に確認しなかったという弱みもあって、さんざん謝った末、再発行してもらった。退職の際は、会社から何を受け取るかも確認しておくべき。

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