憧れ職種への転身成功率を高めたい!

“本気”が伝わる「自己PR」の書き方講座

長引く不況もあって、憧れの仕事に就くなんて「夢のまた夢」だと思ってはいないだろうか。しかし、こんな時でも、未経験から思い通りの転職を実現した人は確実にいる。なぜ彼らが転職できたかといえば、「本気」で努力し、それを伝えるための工夫をしてきたからなのだ。そこで今回は、あなたの経験やこれまでの努力をうまく表現して、採用担当者にあなたの本気をアピールするための方法を紹介する。

2011年1月26日

<ADVISER>

ハナマルキャリアコンサルタント<br>
埼玉女子短期大准教授 細田咲江氏

ハナマルキャリアコンサルタント
埼玉女子短期大准教授 細田咲江氏

流通企業の人事部で採用担当や人事教育を経験後、独立。1994年にハナマルキャリアコンサルタントを設立する。学生の就職や社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演、執筆など幅広い分野で活躍中。

なぜ今、「本気」を伝えられる人が
夢を実現することができるのか?

経験よりも「伸びしろ」に期待

未経験の分野に挑戦したいが、「経験がないから」と尻込みをしてしまった…。そんな経験はないだろうか。実際のところ、やはり未経験から人気の職種に就くのはそう簡単ではない。この不況下、企業もあらゆる部分で逼迫しており、なかなか未経験者を採用して育成できるだけの余裕がないのだ。普通に考えれば、即戦力として見込める経験者を優先して採用するのは当然のこと。しかし、そうした「憧れ企業」への転職を実現させた人も確実にいる。
未経験で採用された人の一番の違いは何か?それは、「本気かどうか」である。企業が経験よりも本気度を評価する理由を、細田氏に聞いた。
「この不況下では、企業は “きちんと仕事に取り組める人”を採用したいと思うものです。経験者の場合、以前のやり方に固執したり、経験があるからこそ頭でっかちになって柔軟性に欠けるなど、悪い意味で経験が邪魔をする時がある。そのリスクを比較して、経験はなくとも『伸びしろが期待できる』未経験者に魅力を感じるというわけです。そこで、伸びしろの大きそうな、できるだけ早く成長できそうな『本気度の高い人』を、厳選して採用しようと考えているのです」

応募先を「恋人」だと思ってみる

そうはいっても、生半可なアピールでは、目に見えない「本気度」を伝えるのは難しい。
「転職活動は、恋愛と一緒だと考えればわかりやすいですよ。相手のことが好きなら、もっと相手のことが知りたいと思いますよね。そして、相手のために自分が何をしてあげられるかを真剣に考えるはず。それと一緒なんです」
どうしても入りたいからこそ、あらゆる手段を使って応募先のことを徹底的に調べあげるのは当然。そして、自分がどういうかたちで貢献できそうかを考えてみる。そのためには、入社後に求められるスキルについてイメージしてみる必要があるだろう。そして、過去の努力や経験を棚卸しし、結びつけ、相手のメリットを考えたうえで伝える。ここまでして初めて、経験者に勝てるくらいの「やる気」が伝えられるということだ。つまり、採用担当者に「ここまで努力しているなんて、この人は本当にうちで働きたいと思ってくれているんだな」と思わせることがすべて。「やる気があります」「頑張ります」「本気です」といった、聞こえはいいが中身が伴わない言葉でアピールする人が多い中で、好きだと伝える程度ではなく、「あなたでないと絶対にダメなのだ」という本気さが相手の心を打つのだ。
それでは、さっそく、あなたの本気をどう伝えていけばいいのか、具体的なアピール方法を見ていこう。

「前職での実績・経験」をもとに
努力した「事実」を伝えることが大事

転職先でも活かせる「共通のスキル」を探す

「やりたい」といくら熱く語ったところで、それだけでは意欲は伝わりにくいもの。うわべだけのきれいごとに終止しても、何も心には残らないだろう。アピールに説得力を持たせるためには、未経験なりにも前職で経験した「事実」を具体的に、かつ志望職種でも活かせることをアピールしなくてはダメなのだ。一見、関係のない職種でも、希望する職種に求められるスキルを分析してみれば、これまでに得たスキルの中に共通するものが必ずあるだろう。まずはその共通点を探すことから始めてみよう。

【Case1】
営業から「人事研修企画者」に転職したいAさんの場合

 【Aさんの職務経歴】
<職歴>
2009年1月〜2010年12月 法人営業第2グループでリーダーを経験
・部下の数:10人(入社2年目から5年目の社員が中心) 
・担当顧客:東京都新宿地区内の社員数300人以下の法人。グループ全体で500社を担当
部下の営業力向上のために、さまざまな部署と連携して独自の勉強会を企画(中でも、私が中心になって各部署のリーダーとともに立ち上げた「企画力アップ研修」は、来年度からの基礎営業研修に正式採用予定)。さらに、グループ間のコミュニケーション円滑化を目的に、定例会を毎日朝晩の2回実施。その結果、昨年12月には前期比121%の売り上げを達成して最優秀グループとして表彰される。また、部下の1人が全営業中3位の実績を残すなど、部署全体の営業力の底上げにも貢献した。

<資格>
英検2級/TOEIC720点(2010年度の成績)
初級産業カウンセラー(2010年に取得)
 
【解説】
リーダー経験を活かす
役職のあるなしにかかわらず、責任ある立場を任されたことは貴重な経験。大きなアピールの一つになるだろう。ただし、「課長として10人の部下をまとめた」と書くだけでは、採用担当者も評価しづらいところ。リーダー経験があれば誰でもいいわけではないからだ。「与えられた場所で何を学ぼうと努力したか、自分なりにどう頑張って、どのような成果を残したか」こそが、採用担当者の知りたいこと。そのうえで、その経験をどう活かしたいのかを具体的に伝えなくては、うわべだけの熱意しか伝わらないだろう。
また、「独自の育成プログラムを企画した」など、リーダーとして行った仕事の中で、転職後に活かせそうな経験は必ず書くこと。ほかにも、業務で活かせる資格を独自に取得したなど、「その仕事に就くためにこれだけ頑張っている」ことが伝えられれば、採用担当者の印象に残る応募書類になるはずだ。
 
【自己PR例】
課長として若手メンバーの育成を任される中で、人材育成に熱心といわれる数々の企業を研究しながら、独自の勉強会を企画・実現してきました。また、既存の定例会の見直しを通じて、報告・連絡・相談のしやすいグループ作りを実践してきました。その経験を通じて、人が成長していくための「仕組み作り」に興味を持つようになり、他グループを巻き込みながら積極的に研修内容を提案するなど、意欲的に部下の育成に取り組んできました。そのうちの一つである「企画力アップ研修(さまざまな業界のクライアントニーズを想定し、あらゆる解決策を企画する実践型の研修)」が正式な営業研修として採用されるなど、実績を残してきました。また、業務の合間を縫って「初級産業カウンセラー」の資格を取得するなど、目標達成に向けて努力を続けることを全く苦にはしないタイプです(今年1月に中級を受験予定)。若手人材を積極採用し平等にチャンスを与える御社で、人事研修制度の構築業務に携わりながら、会社の成長にも貢献していきたいと考えています。

【Case2】
SEから「オンラインゲーム企画会社の事業企画」に転職したいBさんの場合

 【Bさんの職務経歴】
<携わった仕事>
入社以来、一貫して自社向けのシステム開発業務を担当。大小さまざま、多い時は月に8個の開発プロジェクトに携わりました。設計業務の精度はもちろん、事前ヒアリングに力を入れることで、使用者の立場を考えたシステム開発を心がけてきました。
使用言語:C言語、C++、Java、JavaScript
<携わったプロジェクト>
自社会計システムの新規導入プロジェクト(2010年1月〜2010年8月)
創業以来初となる、大規模なシステム入れ替え案件に、サブリーダーとして携わる。メンバーは部署を横断して集まった20人。私はその中で、システム全体の要件定義の一部とプロジェクト全体の進捗管理を担当。要件定義フェーズでは約2カ月をかけて経理担当全員に細かく業務内容ヒアリングを実施した後、安定稼働と作業の効率性を重視した3つのシステム案にまとめた。プレゼン直前には3日間続けて徹夜で業務にあたり、その結果、精度の高いシステムの企画を実現。
●全体進捗管理担当者として工夫したこと
・担当者、作業内容、期間、進捗状況を細かく記入できるシートを独自に作成し、全メンバーで共有しながら作業の進み具合を確認し合いました。
・メールに頼りすぎず、メンバー同士の電話連絡を頻繁に行うように決め、不安点や疑問点はすぐに相談できるような仕組み・環境作りに注力しました。

 
【解説】
プロジェクトを任された経験を活かす
「新商品の販売戦略企画を任された」「経理として株式上場にまつわる業務を経験した」など、なかなか経験できない大きなプロジェクトに責任ある立場で参加し、成功に導いた事実は評価されるだろう。とはいえ、大事なのは、「どんな役割を、どのようにやり抜いたのか」を伝えること。「何パターンもの資料を作り、プレゼンを成功させた」「クライアントのニーズにこたえるために、開発チームに働きかけて新しいシステムを作った」など、徹底的にやり抜いたことを積極的にアピールしよう。肝心なのは、「目的達成のために、とことん努力できる人なんだな」ということを伝えること。さらに、その粘り強さを持って企業研究も熱心に行ったことをアピールすれば、経験がきちんと身についていることが伝わる。「努力で、足りない経験を補ってくれるのでは」と、不安を期待に変えることができるはずだ。
また、「毎日飛び込み営業を200件」「1カ月に10件の開発案件に携わった」など、ある意味過酷な環境で、簡単には他人がマネできないようなことに取り組んだ事実があれば、それは大きな強みになる。「やり抜く力」だけでなく、「これだけの数をこなせるということは、どんな厳しい事にも耐えられるだろう」と、打たれ強さやメンタル面のタフさも伝わるからだ。
 
【自己PR例】
●自社会計システムの新規導入という創業以来の大プロジェクトにサブリーダーとして携わったことで、目標に向けてチーム一丸となる働き方にやりがいを感じました。通常は一年以上はかかるシステムを7カ月で作る必要があり、また、運用開始日時をずらすことはできない中、プロジェクト全体を常に見渡しながら、徹底した進捗管理を行い、予定日にカットオーバーすることができました。プロジェクト開始3カ月後には、コミュニケーションミスによる要件設計漏れトラブルも発生しましたが、関係する部署(経営企画部・経理部)と外部SEとの接続を図り、問題が発覚した当日に話し合いの場を設定し、要件を再整理することによって、スピード感を持って解決まで導くことができました。結果、納期を遅れることなく、「業務時間が2分の1になったよ」と各部署に喜ばれるようなパフォーマンスをあげることができました。このプロジェクトを通じて、あらゆる状況を想定して次々と新しい打ち手を考えていく、広い視野に立っての仕事の進め方を身につけることができました。この経験を通じて身につけた「物事を俯瞰して客観的に見られる力」と「状況に応じて柔軟に対応する力」は、マーケット全体を見渡して仕事を進める事業企画でも活かすことができるのではと考えています。
●貴社がこれまでに企画したモバイルゲームの中でも、「お散歩くまさん」が特に好きで、移動中や仕事の休憩時間を使って、一日約3時間は利用しています。中でも、実店舗と連動した「限定おみやげ企画」にはまっており、休日には友人とドライブがてら買いに行ったりしています。年齢・性別問わず誰でも簡単に遊べるゲームに力をいれているほか、他社よりもセキュリティ面がしっかりしていたり、実店舗と提携する新しいビジネスモデルを生み出しているところに、今後の事業拡大の可能性を感じています。事業企画の実務経験はありませんが、より利用者に近い立場で、今後の事業について提案していけるのではないかと考えています。また、システム開発の経験もあるので、やりたい企画を実現するための方法を検討する場面では、今まで培った経験を活かしていきたいと思っています。

業務経験以外の「社外活動」も
アピール材料になる

「こんなに頑張った」という具体的な事実を伝える

アピールできることは、何も前職での経験だけとは限らない。「独自に勉強したこと」や、「夢中になって取り組んでいること」「仕事に活かせる社外活動」などがあれば、職種経験と同様に共通項を見つけ出してアピール材料にしよう。その際、職歴の最後に項目として立てたり、自己アピール欄とからめて書けば、応募書類に深みが増すはずだ。

【Case3】
アパレル販売担当からファッション誌の編集職を目指すCさんの場合

【Cさんの職務経歴】
<携わった仕事>
2008年10月より、女子高生向けのセレクトショップで店長代理を任される
複数店舗をかけもちする店長に変わって、現場の取りまとめ全般を任されました。主な業務内容はアルバイト(全8人)のシフト管理、給与計算、商品の在庫管理や発注など。そのほか、DMの発送や、オリジナル新聞の作成なども担当しました。
<身についたこと>
・代理とはいえ、店長として現場運営を任されたことで、責任感を持って働く経験ができました
・来店客がほぼ女子高生だったため、世代の違うお客に対し、懐に入り込むような、商品説明だけに終止しない積極的なコミュニケーションを意識し、リピーター増を実現しました
・最新のトレンドをキャッチするために、日頃から情報収集には力を入れました。休日でも自主的に他店を見て歩き、いいところは真似して取り入れる習慣がつきました
<そのほかの活動>
2010年4月より、「かもめエディタースクール(東京都港区)」で編集を勉強中(ファッション誌編集専攻)
雑誌を想定した特集企画立案、制作などの編集業務や、文章力をつけるための講座などを週2回受講しています。現在は卒業制作として、20代女性をターゲットにした「人生を変えた洋服」というテーマの8ページの企画を作成中です。
 
【解説】
独自に取り組んだ「努力」を伝える
夢の実現に向けて、学校にまで通って勉強しているのであれば、それは熱意を伝えるための貴重なアピール材料。ただし、勘違いしてはいけないのは、「知識が身に付いている」ことがアピールポイントではないということ。採用担当者は、実際に仕事で身についた知識だけを評価する傾向にあり、学校で学んだ知識をすぐに現場で活用してもらおうとは思っていないからだ。肝心なのは、「高い授業料を払って、また忙しい合間を縫って学校にまで通ったほど、その仕事に就きたい」という熱意そのもの。知識をアピールするよりも、どれだけ夢中で取り組んでいるか、それを仕事にしたい意欲がどれほどのものなのかを伝えるよう心がけたい。
Case1のように資格取得も一つのバロメーターになるが、その資格がないと業務に携われないような場合を除き、資格を持っていることを理由に採用となるケースは、実はあまり多くない。「なぜその資格を取得しようと思ったのか」「資格取得のためにどれだけ努力したのか」を伝え、計画的にコツコツと勉強に取り組んだことや、自分なりに工夫して勉強に励んだエピソードなど、取得に向けて努力した過程を具体的に書くのがベスト。何より、「資格を取ろうと思うほど、その仕事に携わりたいんだな」とわかってもらうことが大事なのだ。
そのほか、「好きな作家の本は全部読んで、自分なりに分析している」「全店に実際に足を運び、商品はすべて食べ歩いた」というような、「半端な気持ちではないからこそ、ここまでやった」という事実を伝えるのも、本気度をアピールするのに効果的だ。
 
【自己PR例】
雑誌を読むのが好きで、小学生時代からファッション誌を愛読。眺めるだけでなく、独自の企画を考えるという別の楽しみかたをしていました。その延長で、学生時代から描いていた「読者にもっとも近い編集者になりたい」という夢をあきらめることができず、昨年の4月から、編集業務を学ぶために学校に通っています。通勤時間を使って読書をしたり、退社後に課題原稿作成に取り組んだりと、毎日少なくとも5時間はライティングや構成の勉強をしています。とても慌ただしい毎日ですが、やりたいことができているために、全くつらいとは思いませんし、時間も忘れるほど夢中で取り組んでいます。編集の実務経験はありませんが、貴社が力を入れている「断捨離ファッション」というテーマに関する記事や本をここ半年で500以上読んでいるので、より読者視点に立った記事作りに貢献できるのではと考えています。何事も素直に吸収していけるよう、努力する気持ちを忘れずに頑張ります。

具体的な行動で示すことができれば、意欲は伝わる

頑張りたい気持ちを、そのまま「頑張ります」と伝えるのは、誰にでもできる。だからこそ、経験してきたことや、自分なりに努力したことなど、「私にしか伝えられないこと」を伝える努力をしないと、あなたの熱意は採用担当者には伝わらないだろう。その内容に説得力を持たせるために必要なのが、これまでの経験に裏打ちされた「事実」、そして相手企業を思う強い気持ちだ。不況が続く昨今、求職者にとってはなかなか厳しい局面も多いかもしれない。だからこそ、未経験から自分の憧れの仕事に就くためには、人一倍努力しないといけないということ。可能性がある限り、あきらめずにチャレンジしてみよう!

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EDIT
高嶋ちほ子
WRITING
志村 江
ILLUST
もりいくすお

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