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裁量労働制とは?転職する前に知っておきたいメリット・デメリット

裁量労働制のメリット・デメリット裁量労働制とは、実際に働いた時間(実労働時間)ではなく、一定の時間を労働時間とみなす制度です。以前から法律で認められている労働時間制度の1つでありながら、これまであまり知られていなかった裁量労働制ですが、話題になることも増えつつあります。

そこで今回は、裁量労働制の基本・2つの種類、メリットとデメリット、裁量労働制で働く前のチェック事項を解説します。

プロフィール

あべ社労士事務所
代表 社会保険労務士 安部敏志(あべさとし)

大学卒業後、国家公務員I種職員として厚生労働省に入省。労働基準法や労働安全衛生法を所管する労働基準局、在シンガポール日本国大使館での外交官勤務を経て、長野労働局監督課長を最後に退職。法改正や政策の立案、企業への指導経験を武器に、現在は福岡県を拠点に中小企業の人事労務を担当する役員や管理職の育成に従事。事務所公式サイト:https://sr-abe.jp/

裁量労働制とは?

裁量労働制は、実際に働いた時間と関係なく、労使協定や労使委員会の決議で定めた時間を「労働したもの」とみなす制度です。

例えば1日の「みなし労働時間」を8時間と定めた場合、実際に9時間働いたとしても「8時間働いた」とみなされ、1時間分の残業代は出ません。逆に、7時間しか働かなかったとしても、1時間分の賃金が控除されることもありません。つまり、業務の遂行方法や時間の配分に関して従業員に「裁量」があり、業務に対する1日の労働時間を何時間とみなすかは労使による話し合いで決まるのです。

ただし、裁量労働制はどんな業務にも適用されるわけではありません。「専門業務型」と「企画業務型」の2種類があり、それぞれ対象となる業務や要件が異なります。

専門業務型裁量労働制とは

専門業務型裁量労働制は、業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に従業員の裁量にゆだねる必要がある業務として、

– 法令で定められた以下の19業務の中から、対象となる業務を労使で定め
– 従業員を実際にその業務に就かせた場合に

労使であらかじめ定めた時間を働いたものとみなす制度です。
ポイントは、「従業員を実際にその業務に就かせた場合」という部分です。

例えば、システムコンサルタントの業務は、専門業務型裁量労働制の対象業務に含まれていますが、実際にその業務を行なっていない場合は、専門業務型裁量労働制を適用することはできません。

専門業務型裁量労働制の対象となる19業務

  1. 新商品、新技術の研究開発または人文科学・自然科学の研究の業務
  2. 情報処理システムの分析または設計の業務
  3. 新聞・出版の事業における記事の取材・編集の業務、放送番組の制作のための取材・編集の業務
  4. 新たなデザインの考案の業務
  5. 放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサーまたはディレクターの業務
  6. コピーライターの業務
  7. システムコンサルタントの業務
  8. インテリアコーディネーターの業務
  9. ゲーム用ソフトウェアの創作の業務
  10. 証券アナリストの業務
  11. 金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
  12. 大学での教授研究の業務(主として研究に従事するものに限る。)
  13. 公認会計士の業務
  14. 弁護士の業務
  15. 建築士(一級建築士、二級建築士及び木造建築士)の業務
  16. 不動産鑑定士の業務
  17. 弁理士の業務
  18. 税理士の業務
  19. 中小企業診断士の業務

企画業務型裁量労働制とは

企画業務型裁量労働制は、事業運営上の重要な決定が行われる企業の本社などにおいて、企画、立案、調査及び分析を行う従業員を対象にした制度です。対象業務は、専門業務型裁量労働制のように法令で具体的に明示されていませんが、

– 企業等の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、
– 業務の遂行方法等に関し使用者が具体的な指示をしないこと

とされており、「ホワイトカラーの業務全てが該当するものではない」という行政解釈が示されています。

企画業務型裁量労働制を導入できる事業場

また、企画業務型裁量労働制を導入できる事業場も「対象業務が存在する事業場」とされており、具体的には以下の事業場が該当します。

1. 本社・本店の事業場
2. 1.のほか、次のいずれかの事業場
– 当該事業場の属する企業等に係る事業の運営に大きな影響を及ぼす決定が行なわれる事業場
– 本社・本店である事業場の具体的な指示を受けることなく独自に、当該事業場に係る事業の運営に大きな影響を及ぼす事業計画や営業計画の決定を行っている支社・支店等である事業場

企画業型裁量労働制を導入できない事業場

そして、以下のような事業場は企画業務型裁量労働制を導入できないという行政解釈が示されています。

– 個別の製造等の作業や当該作業に係る工程管理のみを行っている事業場
– 本社・本店または支社・支店等の具体的な指示を受けて、個別の営業活動のみを行っている事業場

なお、企画業務型裁量労働制の導入には、労使協定よりも要件の厳しい、労使委員会の委員の5分の4以上の決議や、対象となる労働者本人の同意が必要です。

裁量労働制で働くメリットとデメリット

裁量労働制で働く前に、メリットとデメリットを知っておきましょう。

裁量労働制のメリット

裁量労働制で働くメリットは、やはり自分の裁量で仕事の時間や進め方を決定できることです。会社が求める成果を達成さえすれば、短時間で仕事を終えても問題ありません。朝が弱い人であれば昼から働き始めても良いし、逆に朝が早い人なら早朝から働いても良く、働き方の自由度が高いのです。

裁量労働制のデメリット

一方、裁量労働制で働くデメリットは、会社が求める成果を達成するために長時間働いたとしても、みなし労働時間に伴う賃金しか支払われず、残業代が出ないという点です。つまり、裁量労働制は、雇用されながら自営業のような働き方を求められるということです。

自分の働く時間をコントロールしたい、会社の指示を受けずに自立的に働きたいという人にはメリットがある制度と言えますし、そうでない人にはデメリットが大きい制度と言えるでしょう。

裁量労働制で転職したい場合の求人の探し方

裁量労働制の仕事に転職したい場合は、どのように求人を探せばいいのでしょうか。確認しておくポイントを2つご紹介します。

希望職種が裁量労働制の対象かを確認する

前述のとおり、裁量労働制の対象業務は限定されています。専門業務型裁量労働制では19の対象業務が定められていますし、企画業務型裁量労働制では企画、立案、調査及び分析の業務のみです。さらに、専門業務型裁量労働制では、実際に対象業務を行なっている必要があります。

例えば、ゲームソフト製作は、専門業務型裁量労働制の対象業務に含まれていますが、ゲーム会社で働いている全員が裁量労働制の対象になるわけではありません。あくまでゲームソフト製作を実際に行なっている人のみが裁量労働制で働くことができ、営業やイベント担当などは適用外です。

裁量労働制を導入している企業単位で探すのではなく、まず、希望している仕事が裁量労働制の対象かどうかを事前に確認しておきましょう。

求人情報に裁量労働制の記載があるかを確認する

2018年1月からの改正職業安定法の施行により、裁量労働制を適用する会社が人材を募集する際には、以下のような内容を明示することが義務付けられています。

– 企画業務型裁量労働制により、◯時間働いたものとみなされます。

応募する職種が裁量労働制かどうかは、求人情報で確認することができるため、気になる方は求人情報をしっかりチェックしましょう。

記事作成日:2018年8月01日 EDIT:リクナビNEXT編集部