慎重すぎる性格で、転職したいけれど一歩踏み出せません【転職相談室】

転職は、職場や働き方、人間関係などを大きく変えるため、転職活動を始めることに慎重になってしまう方も多いようです。モヤモヤした気持ちを抱えたまま、転職するか迷っている場合はどうしたらいいのでしょうか。
そこで今回は、「慎重すぎる性格で、転職したいけれど一歩踏み出せません」というご相談に、組織人事コンサルティングSegurosの粟野氏がお答えします。
目次
慎重すぎる性格で、転職したいけれど一歩踏み出せません(Mさん/29歳/事務職)

新卒入社した企業で事務をしています。営業のフォローや顧客からの電話応対などのサポート業務が中心で、専門スキルが身についているとも思えません。このまま今の仕事を続けるのは将来的に不安です。30歳になる前に、経理や人事などの専門職に転職することも検討しているのですが、慎重すぎる性格で、転職に失敗するのが怖くてなかなかチャレンジできません。これからどのように動けばいいのでしょうか。
現職に強い不満がないのであれば「成果を出してから転職する」という選択肢も
▶アドバイザー
経理や人事などの専門職を検討されているとのことですが、やりたい仕事はありますか?
▶相談者
デスクワークであれば、特に希望はありません。ただ、以前からAIの進化で一部の仕事がなくなっていくと言われています。その中に一般事務も含まれていたので、「このままで大丈夫なのだろうか…」と不安になりました。
実際に、私が新卒で入社した頃は、出張を予定している営業がいた場合、事務がチケットを手配して出張日までに営業に渡していましたが、現在では営業自身がオンライン予約してチケットレスで出張に行くようになりました。お客様向けのセミナーも、事務が会場を準備して当日の受付をして、紙のアンケート用紙の回答をExcelに打ち込んで…と様々な業務を行っていましたが、今はオンラインセミナーなので受付不要、アンケートフォームもデジタルです。
このように、事務はどんどん業務がデジタルに置き換わっているように感じますが、経理や人事であれば専門職なので業務が置き換わることはないのでは?と思っています。
▶アドバイザー
なるほど…ご状況は理解しました。「一般事務の仕事がデジタルやAIに置き換わられそう」とのことですが、実は、経理や人事の業務の一部もデジタルやAIに置き換わると言われています。
経理であれば、例えば学習機能による経理の仕分けや、紙の請求書データの入力自動化などです。人事も「HRテック」と呼ばれる人事評価や採用のシステム化によって、これまで人力で行っていた仕事は減っていくと言われています。
結局のところ、どのような職種であっても、自動化できることはどんどん置き換わっていくでしょう。そのため、自分から主体的に動いて業務改善を図ったり、業務を効率化したりして、新たに創出できた時間で経験・スキルを磨き、人材としての価値を高めていくしかありません。
また、実際にこれから転職活動を始めて、未経験の経理や人事の求人に応募したとしても、他に経理や人事経験者が応募していた場合は、どうしても選考で不利になってしまいます。
どうしても経理や人事がやりたいのであれば、社内で異動希望を出し、経験・スキルを積んでから転職するという方法もありますが、もし特に希望職種がないのであれば、まず現状の仕事で成果を出してみるというのはいかがでしょうか?
業務を可視化して優先順位をつけ、業務改善できないかを探ってみよう
▶相談者
「現状の仕事で成果を出す」と言っても、営業や上司から指示されたことを中心に対応しているので、業務に統一感もなく、具体的なイメージが沸きません…。慎重すぎる性格が災いして、一つひとつの業務を何度も確認するので時間がかかっていて、これ以上業務を増やすのも難しいです。
▶アドバイザー
営業や上司の方から頼まれた業務は、突発的な内容も多く、具体的にどのくらい時間を割いたのか把握しにくくなります。業務整理の一つの方法として、各業務にどのくらいの時間がかかっているのかを可視化するのはいかがでしょうか。
例えば、手帳やスケジュールに「頼まれた資料作りXX~XX時」または「セミナー準備3時間」など、1日の実際の業務内容と時間を書き入れていきます。2週間~1カ月程度溜まったら、業務に優先順位をつけて、優先順位が低く時間もかかっている作業について、時間を減らせる余地がないか探ってみましょう。
これまでやってきた業務の中にも、先ほどお話していたような、「事務が手配していた業務をオンライン化する」「紙のアンケートをWebのフォームにする」といった効率化の余地があるかもしれません。効率化ができなくても、優先順位が低く影響範囲が狭いのであれば「確認作業を簡略化する」という判断もあるでしょう。
なお、業務改善や効率化は、転職活動で有効なアピール材料になります。ちょっとしたことでも構わないので、現在の業務を可視化し、見直してみましょう。
▶相談者
なるほど…。実は、転職活動を積極的に始めることができなかった理由の一つに、「サポート業務ばかりでアピールすることがない」という不安もあったんです。でも、自分で仕事を見直してみて、業務改善したことをアピールすればいいんですね。現在の仕事を続けることも、転職することにも不安がありましたが、具体的な解決策が見えたので、業務改善に前向きに取り組むことができそうです。
悩んでいる場合は、「転職活動を始めてみる」という方法もある
▶アドバイザー
転職については今回いただいたご相談のように、あれこれ考えすぎてしまって動けなくなってしまう方は多いものです。特に現在の職場に強い不満がない場合は、転職で環境やキャリアを変えることに戸惑ってしまうのも仕方ありません。
でも、転職活動をしたからと言って、必ず転職しなければならないわけではないんです。自己分析をして応募書類を作ったり、求人に応募して面接したりして、色々な情報を得るうちに「やっぱり現職を続けよう」と決心する方も多いんです。モヤモヤした気持ちを抱えたまま仕事を続けるよりは、思い切って転職活動を始めてみて、興味を持った企業に話を聞いてみてから、本当に転職するかどうかを考えてもいいのでは。
最近は、オンライン面接を実施している企業も多いので、以前よりも転職活動にかかる負担は減っています。また、転職エージェントも同様にオンライン面談を行っているので、気軽に相談できるようになりました。
▶相談者
確かに、「今後のキャリアが不安」「でも転職に失敗したくない…」「でもアピール材料もない…」と、頭で色々考えすぎていたのかもしれません。慎重すぎる性格を変えていきたいので、まず、自分の仕事で改善できることがないか考えてみることにします。
そして、求人を見たり転職エージェントに相談してみたりして、視野を広げていきたいと思います。相談に乗っていただき、ありがとうございました。
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