一流の人たちと働けるような会社に転職したいです【転職相談室】
転職して一流の人達と一緒に働くことで、将来の起業で活かせるような経験を身に付けたいという公認会計士のKさん。
一流の人と働くには、どんな転職先があるのかという相談に、組織人事コンサルタントの粟野友樹さんがお答えします。
目次
一流の人と働きたいです。どんなところへ転職すると良いでしょうか(Kさん/ 公認会計士 /30歳/ 男性)

25歳で公認会計士になり、大手監査法人に勤めて5年になります。
将来的には起業を考えており、今回の転職では、一流の人達と一緒に働くことで、将来の起業で活かせるような経験を身に付けたいと思っています。
現在、一流の人材が集まる場所として、ひとまずコンサルを検討しているのですが、コンサルサービスを提供する会社は多く、その違いがイマイチ掴めません。
そもそも、「一流の人材が集まる場所=コンサル」という考え方が正しいのかもあやふやです。
将来を見据えて一流の人と働くには、どんなところへ転職すると良いのでしょうか。
Kさんにとって一流の人とは?
アドバイザー
今回の転職の軸は、将来の起業を見据えて、一流の人と一緒に働きたいということですね。
Kさん
そうです。
起業する前に、世の中で一流と言われている人たちと一緒に働いて、そのスキルを自分のものにしたいんです。
アドバイザー
では、お伺いしたいのですが、「Kさんにとっての一流」とはどんな人でしょうか?
Kさん
私にとっての一流…ですか?
アドバイザー
世の中には、様々な面に秀でた人がいて、それぞれが一流と呼ばれますが、1人で全てを完璧にこなせる人がいる訳ではありませんよね。
現職の同僚も、公認会計士という難関資格を取得しており、会計分野では専門家として一流といえる人もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
どういった面に秀でた人と働いて、そのスキルを身につけたいと思っているのか、自分なりの「一流の定義」を明確にすることが必要です。
Kさん
なるほど。
私にとっての一流が、他の人にとっての一流と必ずしも一緒ではないかもしれないですもんね。
アドバイザー
その通りです。
転職活動では自分の中の言葉を、採用担当者と擦り合わせて共通認識を持たせることも大切になります。
まずは、転職活動の軸となる「一流」の定義を明確にして、誰にでも伝わるようにしましょう。
Kさん
確かにそうですね。
私は、将来の起業を見据えて、自分でゼロから企画や事業を作っていく力を身につけたいと思っているので、そういった面に秀でている人たちと働きたいと思っています。
アドバイザー
なるほど。
Kさんにとっての一流の定義は、「自分で考えて何かを生み出す力を持つこと」なのですね。
ちなみに、どうしてそのように考えるようになったのですか?
Kさん
今のメイン業務は、監査なんです。
基本的には相手が基準を満たしていないような不足部分を見つけていく作業になるので、長年続けるうちに仕事での成長感を感じにくくなってしまって…。
アドバイザー
ミスができない重要な仕事ですが、基準が明確な分、慣れてくると単調に感じてしまうかもしれませんね。
Kさん
そうなんです。
会計分野ではAIの導入も進んできているので、いつか仕事の大半はAIに代替されるんじゃないかという不安もありますし、パートナーにまで昇進して会社に残れるのはごく一部の社員だと考えると、転職や起業をして生き抜く力を付けたくて…。
アドバイザー
なるほど。
Kさん
明確なルールや基準に則った業務をメインで行っている自分に、一番足りないのは自分で考えて何かを生みだす力だと思っているので、企画や事業を作っていくことに秀でた人たちと一緒に働いて、そのスキルを自分も身に付けたいと思っているんです。
アドバイザー
それでまずは、そういったことに秀でている人材が多そうなところとして、コンサル会社に注目したということですね。
Kさん
そうです。
顧客の課題解決のために、自分なりに分析をして解決策を生み出して提案するのがコンサルだと思っていたので。
もちろん、「自分で考えて何かを生みだす力」が身について、それに秀でた人と一緒に働けるなら、コンサルじゃなくても構いません。
アドバイザー
希望は分かりました。
では早速、Kさんの場合、どういった企業が転職先として考えられるのか見ていきましょう。
「自分で考えて何かを生みだす力」に秀でた人が集まる企業は?
アドバイザー
Kさんの希望する「自分で考えて、何かを生み出す力」が高いレベルで必要とされ、尚且つ会計士としての知識を活かせるかもしれない転職先として、以下があげられます。
- 戦略コンサルファーム
- 投資銀行
- PEファンド
- ベンチャーキャピタル
- 事業会社など
Kさん
それぞれ、どんな経験が積めるのでしょうか?
アドバイザー
まず、戦略コンサルファームでは、顧客の会社全体の事業を作ることに注力することになります。
将来の起業に向けて、売り上げを作ることを仮想経験できるでしょう。
Kさん
なるほど。
将来の起業に繋がりそうなのはいいですね。
アドバイザー
投資銀行では、主にM&AやIPO支援などに携わることによって資金調達の経験を積めるかもしれません。
IPO支援に関わる場合には、上場する顧客企業にCFOとして関わる道が拓ける場合もあります。
Kさん
そういった業務内容なら、会計士としての知識も活かしやすいかもしれませんね。
アドバイザー
PEファンドでは、投資先の企業の価値を上げていくことがミッションになります。
経営陣の挿げ替え提案や、場合によっては自分が経営陣として参画する可能性もあります。
期間限定ではありますが、実際の企業経営を体験できるので、コンサルファーム出身の人にも人気の転職先です。
Kさん
実際の企業経営ができるのはとても魅力的です。
アドバイザー
ベンチャーキャピタルでは、どの成長フェーズの企業に出資するかにもよりますが、場合によっては経営コンサルのようなことも行います。
どういう企業・分野・経営者が伸びていくか、伸ばせる余地があるのかの目利きができるようになるので、ここで得たノウハウや知見を自分の起業に活かすことができるかもしれません。
Kさん
これもいいですね。
将来の起業に役立ちそうです。
アドバイザー
最後に、事業会社へ経理や財務として入社するという方法もあります。
そこから、経験を積んで、経営企画や事業企画へ異動するのも良いでしょう。
財務のままであっても、大手であればM&Aを経験し、買収先の企業にPMIで入社するなどの選択肢が拓ける場合もあります。
Kさん
なるほど。
事業会社は監査で関わっているので、イメージしやすいです。事業会社の中に入って、お金の流れや組織づくりを見るのも良さそうですね。
まずは、社内の部署異動でスモールステップを踏むのもアリ
Kさん
思っていた以上に色々な選択肢があるんですね。
どれも魅力的に感じて、迷ってしまいます。オススメはありますか?
アドバイザー
そうですね。
公認会計士としてのお金周りの知識や強みを生かしつつ、事業を作る経験を積めるという意味で、PEファンドやベンチャーキャピタルなどはいいかもしれませんね。
自分の強みを活かすことができると、転職後の早い段階で成果を出しやすくなります。
Kさん
確かに、全く違う分野ばかりに手をつけるよりは、安心かもしれません。
アドバイザー
そうですね。
特に、Kさんが希望しているように、優秀な人と一緒に働く場合には、なかなか成果が出ないと焦ったり、萎縮して居辛くなったりすることもあります。
早い段階で会社に馴染んで自信をつけるためにも、自分の得意分野を活かせるかどうかの視点はとても重要だと思います。
Kさん
そうですね。
現職でも、これらに近い自分で考える要素が強い仕事ができるといいのですが…。
監査業務では、なかなかできそうもありません。
アドバイザー
例えば、今の会社の中で、アドバイザリー部門への異動を願い出てみるのも一つの手だと思いますよ。
FAS業務の中でも、例えば事業再生部門などを担当することができれば、近しい仕事ができるようになると思います。
Kさん
なるほど。
転職にばかり目を向けていたので、その選択肢は全く思いつきませんでした。
アドバイザー
アドバイザリー部門で、監査とは異なる、コンサルティング要素の強い提案する経験を積んでおけば、転職の際にアピールできるポイントが増えますし、転職後に全くの未経験から始めるといったことも少なくなるでしょう。
Kさん
確かにそうですね。
アドバイザー
転職によって大きくキャリアを変えるのも良いですが、時には社内異動でスモールステップを踏んで経験を積んでいくのも良いですよ。
Kさん
そうですね。
まずは、社内での部署異動の希望を出しつつ、教えていたいただいた転職先の業務内容について調べるなど、できる範囲での準備をコツコツ進めていこうと思います。
本日はありがとうございました。
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