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転職先の企業から経理と総務の兼務を打診された。兼務するメリットと注意点は?【転職相談室】

後ろ姿の女性転職を検討している会社から経理と総務の兼務を打診されたIさん。

挑戦したい一方で、未経験業務を兼務することに不安もあるそうです。

兼務をするメリット、注意点、引き受ける前に確認をした方が良いことを組織人事コンサルタントの粟野友樹さんがアドバイスします。

アドバイザー 粟野友樹
アドバイザー 粟野友樹

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

転職を検討している企業から、「経理と総務と兼務してほしい」と言われた。未経験業務なので心配です(Iさん/経理/28歳/女性)

相談者
相談者
■相談内容
現在、大手企業で経理として働いています。
組織が完全に縦割で、ルーティン業務ばかりしているので、もっと仕事の幅を広げたいと思い転職を考えています。
現在、気になっている会社から「経理だけではなく、総務も兼務してほしい」と言われました。
挑戦してみたいと思う一方で、総務の業務はやったことがないので、仕事内容のイメージがつかず、自分にできるのだろうかと不安もあります。
兼務って大変ですか?どんな働き方になるんでしょうか?

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経理と総務を兼務するってどういうこと?

アドバイザー
転職を検討している会社から、兼務の相談を受けているということですね?

Iさん
はい。兼務って、2つの部署に所属して両方の仕事をするってことですよね?

アドバイザー
そうですね。
兼務とは、「同じ職場において、1人で2つ以上の職務(仕事)・役割を兼ねていること」を意味します。
言葉に、本務とは別の肩書き・役割を兼ねている時に使われる「兼任」もあります。

Iさん
2つ以上ということは、3つやる人も中にはいるってことですか?

アドバイザー
そうですね。
例えば、数十名規模の会社であれば、「管理部門全般」を担当というような形で、経理も総務も労務もやる…といったケースも考えられます。

Iさん
なるほど。
今は経理として働いているんですが、総務の業務はイメージがつかなくて不安なんです。
どんなことをするんでしょうか?

アドバイザー
経理は、大まかに整理すると「会社のお金管理」する部署ですよね。
記帳・入出金の管理や、請求・支払・経費の管理、決算・財務業務などをIさんはされていると思います。
それに対して、総務は「働く環境の管理」をする部署だと言えるでしょう。

Iさん
環境の管理…ですか。

アドバイザー
大きな分類では、会社の資産管理とサポート、株主総会などイベントの準備と運営、衛生・防災対策や社内周知業務、慶事・弔事への対応などが挙げられますね。

Iさん
会社の資産管理って例えば、どんなことをするんですか?

アドバイザー
具体的には、従業員のIDカード・PCやコピー機、コピー用紙などの備品、施錠、契約書などの社内文書など会社のあらゆるものの管理を担当します。
他にも、郵便物の受け取り・発送などサポート業務や、中元や歳暮などの時期のやりとりなども総務が担当しますね。

Iさん
なるほど。
そういった業務なら、なんとかイメージがつけられますし、自分にもやれそうです。
兼務することでのメリットやデメリットは何かありますか?

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兼務をするメリット

アドバイザー
わかりやすいメリットは、経験・スキルが身につくことですね。
時代の変化やニーズに対応することができると言われている「T字型人材」としての成長も見込めるでしょう。

Iさん
T字型人材という言葉は初めて聞きました。

アドバイザー
特定の分野で専門的な知識や経験とスキルを蓄積した上で、派生するその他のジャンルに対しても知見を持っている人材のことを、「T」の文字の縦を「専門性」、横を「経験の広さ」に見立て、「T字型人材」と呼んでいるんです。

Iさん
なるほど。
兼務をすることで、「経験の広さ」が身につくかもしれないということですか?

アドバイザー
そうです。
経理一本だけではなく、ほかの経験をすることで、複数の視点を持つことができ、ビジネスパーソンとしての幅が広がり、仕事の質が上がるかもしれません。
それにより、市場価値が高くなる可能性もあります。

Iさん
それは魅力的ですね。
丁度、仕事の幅を広げたいと思っていたんです。
何かデメリットはあるんでしょうか?

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兼務をする時の注意点

アドバイザー
デメリットというよりは、注意したい観点はいくつかありますね。
仕事の量や範囲が増えて、マルチタスクになるので、優先順位のつけ方や、業務の時間配分に気を配る必要があります。

Iさん
2つの部署の仕事をするなら、どっちがより大切かということですか?

アドバイザー
そうですね。
一般的に兼務をする場合には、主務としてメイン業務を行い、兼務はあくまでもメインの次に優先する業務という扱いになります。
そうはいっても、日々の仕事の中では、どちらもこなさないといけないので、優先順位がつけられないと、常に忙しいという状態になりかねません。

Iさん
なるほど。

アドバイザー
また、主務よりも兼務の方が忙しくなってくると、人によっては「どうしてこんなことをしてるんだろう…」とモチベーションが保ちづらくなる可能性もあります。

Iさん
確かに、経理として視野は広げたいのですが、総務のスペシャリストになりたいわけではないので、業務量が逆転してしまうと、私もモチベーション低下してしまうかもしれません。

アドバイザー
他にも、転職したてですぐに兼務がつくと、ただでさえ新しい環境に馴染むための負荷がある中で、未経験の仕事もするとなると、心理的な負担もかかりやすくなります。
「経理だけならもっと評価される仕事ができるのに…」と思ってしまうかもしれません。

Iさん
そうか。
兼務するってことは、自分の専門分野だけに注力できない、そこだけで評価してもらえなくなる可能性もあるってことなんですね。

アドバイザー
そうですね。
転職後は、会社に馴染むためにも、小さな成功体験を積んで、周囲の期待に答えていくことがとても大切になります。
思うように仕事を進められなかった時に、後悔しないかどうかは考えておくと良いでしょう。

Iさん
わかりました。
兼務に関して、他にも考えておいた方がいいことや、確認しておくといいことはありますか?

兼務を引き受ける前に確認しておくと良いこと

アドバイザー
まずは、主務と兼務の業務割合の確認ですね。
業務量は作業の大変さにも関係するので、それぞれの部署で業務簡易化のために使っているITツールなどがあるかも確認しておくと良いですよ。

Iさん
なるほど。
ITツールが入っていれば、大変な作業が少なくなる可能性もあるってことですね?

アドバイザー
そうですね。
例えば、会計ソフト、経費精算システム、給与計算システム、施錠管理に使うスマートロックシステム、文書管理システム、備品管理システムなどです。
どれだけ自分が実際に手を動かさないといけないのかを見極めるのに役立つと思います。

Iさん
わかりました。

アドバイザー
また、主務と兼務の業務割合を確認する際には、それぞれの推定稼働時間の他にも、それぞれの仕事をどの割合で評価されるのも合わせて確認しておきましょう。

Iさん
評価の割合ですか?

アドバイザー
例えば、日々の業務量は経理5割、総務5割だけど、人事評価は経理でしか行わない場合、「こんなに総務の仕事をやってるのに評価に繋がらないならやりたくない」という気持ちが芽生えるかもしれません。

Iさん
それはそうですね。
私は、働いた分は、主務であっても兼務であってもちゃんと評価して欲しいです。
他にも何かありますか?

アドバイザー
あとは、兼務先での役割もしっかり確認することをオススメします。
兼務先の業務を他にもする人がいて、自分はあくまでもサポート要員なのか、主力メンバーとしてカウントされているのかなどですね。
責任やプレッシャーが自分だけにかかっていないかは把握しておきましょう。

Iさん
サポートのつもりだったのに、実質の責任者になってしまっていたら、主務と兼務が逆転してしまうかもしれないってことですね。

アドバイザー
その通りです。
兼務の打診があった時には、期間も合わせて確認しましょう。
「実質は責任者であっても2ヶ月後には専任者が入ってくるなら、期間限定で視野を広げるためにやってみたい」と思うこともあるでしょう。

Iさん
確かにそうですね。

アドバイザー
もしかしたら前任者が急遽出向が決まった、育休の延長があったなどにより、一時的に兼務者が必要な可能性もあります。
どうして兼務の話が出たのかの背景確認もしておけば、なし崩し的にどんどん業務が増やされてしまうリスクも減らせるでしょう。

Iさん
なるほど。
業務イメージもつきましたし、仕事の視野が広がるのは魅力的に感じます。
まずは、転職先に兼務の業務量、評価の割合、兼務先での役割と期間、背景の確認をしてみますね。
今日はありがとうございました。

記事作成日:2022年5月30日 ILLUST:安西哲平 EDIT:リクナビNEXT編集部
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※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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