仕事のやり方・考え方が合わず、人間関係に悩んでいます【転職相談室】
世代の異なる同僚とのコミュニケーションに悩んで転職したばかりのYさん。
小さな組織での人間関係に疲れて、再び仕事を辞めたいと考え始めています。
人間関係や社風でミスマッチを感じたときはどうすればいいのか…。
組織人事コンサルタントの粟野友樹さんに聞きました。
目次
若い社員たちと仕事のやり方・考え方が合わず、人間関係に悩んでいます。(Yさん/総務・事務/40代/女性)

これまでは派遣社員として大手企業の総務・事務業務を幅広く経験しており、マルチタスクをこなせるエキスパートとして、今の会社に正社員での採用が決まりました。
正社員になりたいとずっと思っていたので、内定をいただけたときはとてもうれしかったです。
ただ業務内容には不満はないのですが、目下の悩みは社内の人間関係です。周りの社員は大半が20代。
コミュニケーションの取り方や仕事へのスタンスなどで違和感を覚えることが多く、若手中心のベンチャー企業は私には合わなかったのかな…と思っています。
転職してまだ2ヶ月なので、仕事を辞めたいと考えるのは早いとわかっていますが、今後長く続けられる自信がありません。
上司に自分の役割について相談しよう

まずは、転職おめでとうございます。
おっしゃる通り、正社員で、かつスキルや経験を求められての転職は幸運だったなと思っています。


例えば、仕事で事後報告が多くて「あの件はどうなったの?」と聞いてようやく「やっておきました」と言われたり、仕事の基本である“報連相”がなっていないところですかね。
一人ひとりの業務範囲が曖昧で、助け合いの善意に頼って業務が回っている感じです。
周りの若手社員たちは阿吽の呼吸で仕事ができているのかもしれないですが、中途で入ってきた私にはすごく居心地が悪いです。


これは傾向の一つでしかないのですが、スタートアップ企業やベンチャー企業では生じやすい問題かもしれません。
初期の段階から一緒にやっている社員同士はコミュニケーションがうまくいくけれど、組織の拡大により中途メンバーが入るにつれ、コミュニケーションに齟齬が生まれていく、という状態なのかもしれません。
これまで派遣社員として働いてきた大手企業のように、きちんと業務分担がされていて、報告系統がはっきりしていているというところはないです。


もしかしたら、今のポジションで採用された背景には、管理部門の豊富な経験を活かして、今の20代中心の若い組織をもう少し成熟させていきたい、という経営幹部の意向があるのかもしれません。
また、社内ルールや業務フロー、人事体制を体系化させていくために、大手企業でのバックオフィス系の業務経験を求められている可能性もあります。
確かに、入社してから「やるべきこと、整理すべきことがたくさんあるな」とは思いました。
でも日々、目の前の業務に追われていて、上司に相談しようと考えたことがありませんでした。
これまで派遣社員だったので相談相手は主に派遣コーディネーターさんということもあり、社内の人に相談するという発想がなかったのかもしれません。


すると、「仕事の進め方が合わないから辞めたい」ではなく、「少しずつ効率化できるように、進め方を変えていこう」と前向きな考えに変わるケースもあります。
人間関係に悩んでいる人へのアドバイス
周囲の理解を得ながら仕事を効率化させるためにはどうすればよいでしょうか。

前の会社と比較せず、歩み寄る姿勢をもとう

「前の会社ではこうだった」「前のやり方のほうが効率的だ」など、以前の会社と比べて主張してしまうと、周りから反感を抱かれる可能性も否めません。


相手の意見や背景を聞いた上で、違うやり方を導入した方がいいと考えるなら、その理由をきちんと説明し、合意形成をとるプロセスを大事にしましょう。
謙虚な気持ちで相互理解を深め、よりよい方法を一緒に探っていくというスタンスが大切です。
自己開示をして、周囲とコミュニケーションを取ろう


Yさんが「20代の社員とは距離を感じる」「考え方が違う」と思っているとしたら、周りの社員の方も「ベテランの中途採用の方だし、年次も上だし、話しかけにくいな」と思っている可能性があります。
わからないことを素直に聞くのも自己開示の一つです。「教えてください」と素直に聞きにいけば、頼られたことを喜ぶ方もいるでしょう。
ほかにも、普段から自分が考えていることや趣味などのプライベートなこともフランクに開示してみることで、相手の緊張感をほどくことができるかもしれません。


では、まずは上司の方に相談の上で雑談の時間設定をお願いしてみてはいかがでしょう。
雑談を通じて「どうすれば、仕事がやりやすくなるのか」「より効率的な働き方とは何か」などの疑問点について話し合う機会もきっと出てくるでしょう。
その際は、業務改善プロジェクトという形でみんなをリードするのも一つの方法です。
そうやってコミュニケーションを深めていくことで、周りは少しずつ「Yさんは、こういう課題意識を持っていたのだ」と理解することができるので、今後は協力的になってくれるかもしれません。
20代と40代の発想が混ざれば斬新なアイデアが生まれることもありそうですね。


無理に仲良しな同僚になる必要はありません。
業務を通じて同じ目標・ゴールを持ち、共有し合うことが大事です。
転職する場合は、社風や働き方を事前にチェック
働く仲間のことや会社のことを理解するために、自分からコミュニケーションをとる姿勢が足りなかったと反省しています。
それに、転職したての2ヶ月で再び転職したら、キャリアとしてはマイナスになってしまいますよね。


もし今転職したら、Yさんは正社員としての就業期間が非常に短いという見られ方をされ、次の転職活動の難易度が高くなる可能性があります。
「まだまだ今の会社でできることがありそう」と少しでも思えるのなら、少なくともあと2~3年は今の会社で正社員としてのキャリアを積むことをおすすめしたいです。
念のためお伺いしたいのですが…今後時間が経っても、やっぱり人間関係が合わなくてどうしても転職したいと思った場合は、どんな情報を事前にチェックすべきなのでしょう。


もし、同世代が働く職場がいいのなら、面接官に社員の年齢層について確認してみてはいかがでしょう。
自分の業務範囲がきっちりと定められた方が自分に合っているのなら、日々変化に富んだベンチャー気質の会社よりも、業務フローや分担がしっかりした大手企業・大手グループ会社などの方が合っているかもしれません。
また、福利厚生面は組織のカルチャーや経営陣が大事にしていることの表れなのでチェックするといいでしょう。
今回の転職を通して、長期的なキャリアを築いていくためには福利厚生やカルチャー面でのフィットがいかに大事かを実感させられました。


- リモートやフレックス制がある
- 雇用形態や勤務形態が様々である
- 育休や産休などの取得率が高い
- 部署が複数あり、人事異動などの選択肢がある
- 幅広い年齢層が働いている
などの特徴のある会社は、多様性があり世代問わず働きやすいという傾向があります。
上記を参考に、企業のどんな点に魅力を感じるのかを、いろいろな企業情報に触れて検討してみてはいかがでしょうか。
まずは、今の環境で同僚たちとしっかりと意思疎通できるように頑張ります。
それでも疑問が出たら転職も視野に入れて、社風や働き方、年齢層などの事前リサーチを怠らないように動いていきたいです。

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