転職に向いている人って?引っ込み思案な性格ではダメですか?【転職相談室】
「転職に興味はあるけれど、引っ込み思案なので、ガツガツと自己アピールするのは苦手。
こんな自分は転職活動には向いていないのでは」と悩むMさんに、組織人事コンサルタントの粟野友樹さんがアドバイス。
転職の向き・不向きについて解説してくれました。
目次
働いてみたい企業があるものの、引っ込み思案な性格もあり応募を迷っています。転職に向いている人って、いるのでしょうか?(Mさん/ITサービス・営業/25歳/男性)

数日前に、学生時代から漠然と憧れている企業が求人募集をしているのを見つけました。
応募してみたいという気持ちがある一方で、「自分は転職には向いていないのでは?」とも感じています。
引っ込み思案で押しが弱い性格なので、面接などで自分の長所をガツガツとアピールすることに苦手意識を持っているからです。
転職活動だけでなく、新しい場所にすぐに馴染んで活躍する自信もありません。
ただ、同じくらいの営業成績の同期が、その企業に転職して年収アップも成功させたことで、「このまま何もせずにいていいのだろうか」と、心が揺らいでいます。
実際のところ、転職に向いている人、向いていない人っているのでしょうか?
転職に「性格的な向き・不向き」はない

基本的に転職は、経験・スキルなどが応募先企業と合うか、合わないかで決まるもの。
引っ込み思案でも口下手な人でも、希望に合った転職先に転職し、活躍している人は大勢います。
私とは正反対のタイプなので、そういう人しか受からないんじゃないかと思うと、なかなか一歩が踏み出せなくて…。


ただ、いくつ内定を獲得しようとも、入社するのは1社だけです。
それに、希望企業も同じような性格やタイプの人ばかりを採用している訳ではないので、Mさんにもしっかりとチャンスはありますよ。
転職市場で評価されやすい人の条件とは?
性格と評価は直結しないとのことですが、それでは転職市場ではどんな人が評価されやすいのでしょう?


そういう人は自分の経験・スキルとマッチしている企業を見つけることができるので、結果的に高く評価され、内定も得やすくなります。
そして、伸びている分野や、売れている商品を扱っている人も評価されやすい傾向にあります。
その分野に新たに参入しようと考えている企業、もっと強化したいと考えている企業が相対的に多くなるので、そういった分野の経験者はどの業界からも注目されるからです。
例えば今なら、AI分野やDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する知識や経験を持っている人の注目度が増しています。
ガツガツと自分についてアピールするのは不得意ではありますが…志望理由と合わせて経験やスキルを伝えるということなら、自分にもできそうな気がしてきました。
ただ、自己分析はしていなかったので、改めて自分と向き合ってみる必要はありそうです。

タイミング次第では「転職しないほうがいい」場合もある

もしもMさんも、これからお伝えする状態に当てはまるようなら、今いる会社でもう少しキャリアを積んだほうがいいかもしれません。
「今、転職しないほうがいい人」とは、どんな人ですか?


そういう人が「今の環境に不満はないけど、有名な企業が募集していたから」などの安易な理由で転職活動をすると、転職理由が明確化されていないために志望動機もあいまいになり、書類選考や面接でも評価されづらいのが現実です。
また、しっかりとした自己分析ができていない場合には、万が一受かったとしても入社後にキャップを感じてしまうケースも多いので注意が必要です。
現職がどうしても嫌というわけでないならば、今の環境でキャリアを積むことで市場価値が上がる可能性もあります。
特に伸びている分野で働いている場合にはなおさらです。
そして、Mさんはこの「今、転職しないほうがいい人」に当てはまるのではないか…と考えています。


転職をしたい理由は「憧れの企業が求人募集しているから」であり、転職を考えたきっかけも「同じぐらいの営業成績の同期が転職に成功したから」ということでしたね。
転職によって変えたいことや、どんなキャリアを歩みたいのかなどの転職の理由がもっと明確になるまで自己分析をしたり、現職でもう少し頑張ってみたりしてもいいのではないでしょうか。もしかすると、同期に先を越されてしまったように感じて焦っているだけなのかもしれませんよ?
同期が憧れの企業にすんなり転職して、しかも年収までアップさせたことで、「このままではいけない」と急に焦りを覚えたんです。
もちろん、志望企業の業務内容や仕事内容には魅力を感じていますが、「この会社にどうしても入社したい」という明確な動機までは、正直なところ持ち合わせていませんでした。
どんなキャリアを積みたいかも、考えたことはなかったかもしれません…


自己分析や、キャリアアドバイザーとの面談を経て気になる企業にいくつか応募してみて、採用選考を受ける中で、仕事において自分が大事にしたいものは何かが、見えてくることもあるからです。
例えば、「この会社は理念がしっかりしているな → 企業理念に心から共感できる会社で働きたい」とか、「この会社はアットホームな雰囲気でいいな → 社員同士の仲がよく和気あいあいとした職場で働きたい」というように。
もちろん、いろいろ応募する中で、これは!という1社に出会える可能性もあります。
自分の強みや磨くべき点がつかめるのも、転職活動のメリットですからね。
Mさんが気にしていた「引っ込み思案で押しが弱い性格」も、仕事面では思慮深く、謙虚な姿勢で仕事に取り組む人として面接官には受け取られるかもしれません。
「慣れない環境でも、丁寧に仕事を積み重ねてくれそうだ」と好印象を持たれる場合もあるでしょう。
転職市場で他人と比較されることで見えてくるものは、たくさんありますよ。


Mさんが勤めている会社は、この条件を満たしていますね。
やりたいプロジェクトに手を挙げられる制度もあるので、今の会社でキャリアを積むという選択肢も不安にならずに選べそうです。
周りの転職をみて焦ったり、自分の性格に自信が持てず何も動けずにいたりしましたが、まずはどんなキャリアを歩みたいのかしっかりと自己分析をしてみようと思います。
ありがとうございました。

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