数年後の再転職を見据えて、転職に強い企業に入りたい【転職相談室】
転職を複数回することでキャリアアップしようと考えている方も多いのでは?
「数年後の転職を見据えて、今から転職に強い企業を探している」というYさんに、組織人事コンサルタントの粟野友樹さんがアドバイス。
転職に強い企業について解説してくれました。
目次
数年後にまた転職することを見据えて、転職に強い企業に入りたいです。どんなところがありますか?(Yさん/ITサービス・企画 /28歳/男性)

現在、社会人歴は6年目です。3年前に1回目の転職を経験し、その際に大きく年収を上げることに成功しました。あと数回転職を繰り返すことで、最終的に希望する年収と役職までキャリアアップしていきたいと思っています。今から次を見据えて転職活動をしたいのですが、「将来の再転職にも活かせるような、転職に強い企業」ってどんなところがあるでしょうか?
転職に強い企業とは

具体的には、上場をしたばかりで勢いがある企業や、ネクストユニコーン企業と呼ばれるような、企業価値の評価額が10億ドル以上になりうる未上場のスタートアップ企業などですね。
こういったところでは、企業の急成長に合わせて、働くメンバーにも成長機会が数多く舞い込むため、短期間でも濃密な経験とスキルを積むことができると言われています。
また、退職後に起業する社員が多い企業も、転職に強いと言えるでしょう。
こういった環境では、社員のキャリアアップを応援する風土が根付いていたり、向上心溢れる人材が多かったりするため、バイタリティ溢れる人と一緒に働くことで、自身も鍛えられるという側面があります。


このような企業群は、「人材輩出企業」とも呼ばれ、身につけた経験・スキルが他の企業でも活かせる場合が多く、企業名自体がブランドになっている場合もあります。
一概には言えませんが、こういった企業に勤めていると転職活動における最初の関門である、書類選考が通りやすい傾向にあると言えるでしょう。
そういった企業に転職するのはとても魅力的に感じます。
「成長機会が多い」と言うのは、具体的にはどういうことなのでしょうか?


また、高いレベルでの成果を求められることも多いので、厳しい環境でもスピード感を持って、最後までやり抜く力を身につけることもできると思いますよ。
転職においては、そのタフさを評価されている場合も多く見受けられますね。
それに、若いうちから少し背伸びをした経験ができるというのはいいですね。
今勤めている会社は、プロジェクトを進める場合には、どうしても年功序列で役割が決まっていく側面があるので…。
ただ、反面、プレッシャーもすごくありそうですね。


基本的に切磋琢磨する環境なので、プレッシャーが全くないとは言えないでしょうね。
勤め先の企業名がブランドとなり書類選考に通りやすい傾向にある理由も、採用企業側が「実力と成果を求める社風の企業で働いている人なら、一定の水準はクリアしているだろう」と期待感を持っているからとも言えます。
成果を出すことを強く求められる環境が負担に感じられるような人にとっては辛い環境かもしれません。
確かに、そう言った環境が合わない人もいるかもしれませんね。
考えてもみませんでした。他にも人材輩出企業への転職では気をつけておいたほうがいいことはありますか?
デメリットなどがあるなら教えていただきたいです。

人材輩出企業に転職する時の注意点

それは単に仕事のプレッシャーという面だけではなく、社内競争が激しいので、前職ではトップクラスの活躍をしていた人も、同じような高い成果を出しづらくなるかもしれないということも示します。


それを自身の成長する機会と捉えて活かすことができれば良いですが、もしうまく成長することができない場合、社内での昇進や昇格といったキャリアアップが達成できない恐れも出てきます。
その結果として、転職市場での価値が下がってしまう可能性もあります。
前職のまま勤めていれば、数年で管理職になれていたような人が、人材輩出企業に転職したことで、周りも優秀でいつまで経ってもプレイヤー止まりになってしまったというケースもあります。
そうなると、次の転職で思うような結果を得られないかもしれません。


それに、転職先の仕事内容や社風が自分にあっているのかも大切です。
そこがマッチせずに有名企業のブランド力に惹かれて転職をした結果、入社後にギャップを感じて、思ったような力を発揮できずに失敗したと感じたりするケースもあります。


入社当初は、誰もが知るメーカーに入ったことを誇らしく感じていたようですが、数ヶ月もすると働き方のギャップに苦しんでしまいました。
その企業は社員同士が足並みをそろえて働くことを求める社風だったので、自分の裁量でどんどん仕事を進めることができた前職の働き方の方が合っていたことに入社後に気づいてしまったのです。
定時になると全員でピタっと仕事を切り上げて全員で飲みにいくという、企業文化にも馴染めなかったようですね。
他にも、公認会計士から有名なIT企業の経理職に転職をしてギャップを感じた方もいます。
最初は先進的な企業イメージと綺麗なオフィス、充実した福利厚生制度などに満足をしていましたが、実際に働くうちに仕事内容に不満を感じるようになったのです。
何をするにも上長の承認が必要で理想とするスピード感で動けないことや、苦労して取得した公認会計士の資格も社内ではあまり評価してもらえず、これまでの仕事内容に比べてレベルの低い業務を行なっているように感じてしまい、モチベーションが上がらないとおっしゃっていました。

企業のブランド力以上に大切なのは、そこでどんな経験をするか

自分の市場価値を上げる転職をするために、本当に大切なのは勤め先のブランド力以上に、「そこでどんな経験をしてきたのか」ということです。


そして、そこに対して今の自分はどんなことができて、何が足りないのかを考えることが大切です。
企業名だけで選ばずに、仕事内容やそこでどんな経験を得ることができそうか、その企業で働くことで自分はどんな風に成長できそうかを考えてみてください。
Yさんが最終的に目指すキャリアはどんなものですか?


企業フェーズが近いスタートアップ・ベンチャー企業や、様々な企業の経営・事業の支援をするコンサルティング会社等で経験を積むことを視野に入れてもいいかもしれませんね。
有名企業に入ることで会社のブランド力を活かして大きな仕事をして経験を積むという考え方もあれば、そうではない企業に入って個人の力を磨くという考え方もあります。
複数回の転職を視野に入れているのであればなおさら、今回の転職によって得たいものは何なのか、どんな経験を身につけたいのかを明確にしてみてください。
実現したいことに対して、今の自分のスキルと、足りないものは何なのかをゆっくりと考えてみようと思います。
ありがとうございました。

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