転職失敗して無職に…転職活動の方法を教えてください【転職相談室】
転職先を見つけてから会社を辞めるか、それとも先に退職するのか悩む方は多いようです。
今回は、転職先を見つける前に退職して無職になった方のご相談に、組織人事コンサルティングSegurosの粟野氏がお答えします。
目次
転職失敗して無職に…転職活動の方法を教えてください(Mさん/コールセンター/25歳/女性)

コールセンター業務をしていましたが、退職し無職です。
■悩み
メーカーのお客様サービスセンターに所属し、3年間コールセンター業務を行っていました。お客様のご意見は営業や商品開発などの各部署にフィードバックするのですが、数多くのご意見を頂戴して社内に報告しているにも関わらず、なかなか現場に改善してもらえず板挟みになっていました。
サービスが改善されない状態にストレスを感じていたので、覚悟を決めて会社に退職の意思を伝え、転職活動を始めました。
転職活動開始当初は、大手企業や社名に聞き覚えのある中小企業を中心に5社程度応募したのですが、書類選考さえ通過せずに退職日がどんどん近づき、「このままでは無職になる!」と焦って、会社の規模を問わず10社くらい応募したのですが、内定を得られないまま退職し、現在に至ります。
■相談
無職になって1カ月半が経過しており、応募しても書類選考を通過しないか、面接に進んだとしても一次面接で落ちている状況です。
3カ月以上転職活動して落ち続けているので、もう内定を手にすることができるのか分からなくなってきました。どうしたら転職できるのでしょうか?
募集が少なく人気の高い求人は、未経験者が不利になりやすい

最初に応募したのは、有名な商品やサービスのマーケティング職でした。
その後に応募した10社も、やはりマーケティング職です。
求人を見ていると、「マーケティング」と書かれていても、実際の仕事内容は営業に近かったり、クライアントのWebマーケティングやディレクションを行う仕事だったりして、私のイメージするマーケティング職の求人はあまり多くはありませんでした。
なかなか選考を通過しないので、もっと応募したかったのですが…。


「自分が興味を持った商品やサービスじゃないと、マーケティング活動にも力が入らないのでは」と考えたのですが、こだわりが強すぎたのでしょうか?


また、中途採用の求人が出たとしても人気も高い職種なので、経験者からの応募があった場合は、未経験者は不利になってしまいます。
応募した企業から立て続けに不採用を伝えられると、ご自身のキャリアやスキル、人格までも否定されたように感じるかもしれませんが、未経験で求人が少なく人気の高い職種にチャレンジしていただけなので、決して悲観的に考える必要はありません。
ただ、ご相談のように「内定が出るか分からなくなってきた」という気持ちの状態では、なかなか自信を持って転職活動を続けることができないかもしれないので、まず以下の「自己効力感を高める方法」を試してメンタルの立て直しを図ることから始めてもいいかもしれません。
▼自己効力感を高める方法
- 達成経験:就活で採用されたことや現職で成果を出したなど過去の成功体験を思い出す
- 代理経験:自分と似ている人の転職体験を聞く
- 言語的説得:自分を応援してくれる人と会う
- 生理的情緒的高揚:気持ちが上がる趣味をする
- 想像的体験:受かることをイメージトレーニングする
詳しい記事はこちら
中長期を見据えたり、幅を広げたりしてキャリアを構築できる手段を探ろう


二段階でキャリアを構築する場合
求人が多く、Webマーケティングを学ぶことができるWeb系の広告代理店に転職し、経験を積んでからベンチャー企業などのマーケティング職に転職するという方法です。
クライアントの商品・サービスのマーケティングにはなりますが、担当領域や提案次第では、Web広告だけでなく、SNSやコンテンツ制作など、マーケティングの幅広い経験を身につけることができるでしょう。複数のクライアントを担当することによって、様々な業界を知ることもできるので、興味範囲が広がる可能性もあります。
これまで経験したことのない仕事は、実際にやってみるとご自身の意外な適性に気づくことができたり、共感を覚えたりするものです。Web系広告代理店で得たことをベースとして、二段階目のキャリアを検討してみてもいいでしょう。
経験を活かして応募する場合
サブスクリプションモデルの代表例として、定額制の音楽・動画配信などが有名ですが、ビジネスシーンでもSaaSツールなどにサブスクリプションモデルが数多く導入されています。定額で中長期の取引を行うサブスクリプションのビジネスは「カスタマーサクセス」が重要視されており、“顧客満足が事業成長を導く”という考え方に基づいて、事業活動を行っています。
カスタマーサクセスは、事業を成長させるマーケティング活動の一部を担うポジション。これまで経験されてきたカスタマーサポートは、受動的にクライアントの要望を受けて商品・サービスにフィードバックする役割を担いますが、カスタマーサクセスは能動的にクライアントの満足度を高める役割です。現場との板挟みにあうというジレンマを経験されているからこそ、他部署を巻き込んでアクティブに活動することのできるカスタマーサクセスの仕事は、前職で実現できなかった「顧客満足度の向上」を推進することができるかもしれません。
また、カスタマーサクセスで実績を出して、本来やりたかった広告宣伝を中心としたマーケティングポジションに異動するという選択肢もあるでしょう。
前職で思うような結果が出せなかったので、キャリアをリセットしてマーケティング職を希望しましたが、これまでの経験を活かしてアクティブな働きかけができるのであれば、ぜひ応募して話を聞いてみたいと思います。


採用担当者から「計画性がない人物なのでは」「他社で評価が低い何らかの懸念点があるのでは」という懸念を抱かれるからです。
もちろん、焦って“内定が出そうな企業”に応募することは、健全なキャリア形成とは言えませんが、無職期間をチェックされる傾向はあるので、意識して転職活動を進めることをお勧めします。
職務経歴書などに数行でも構わないので、補足しておくと採用担当者の懸念が和らぐこともあります。また、面接で聞かれる可能性が高いので、企業が納得できる回答を用意しておきましょう。
新卒の就職活動時に目指していたマーケティング職への転職を希望し、転職活動を行いました。残念ながら、経験スキル不足でご縁がなく、改めて自分ができること、やりたいこと、貢献できることを見直し、●月から仕切り直しをして●職を希望して転職活動を行っております。
まとめ
- 募集が少なく人気の高い求人は、未経験者が不利になりやすい
- 転職に失敗すると否定されたような気持になるかもしれないが、応募先を絞り過ぎていただけなので、悲観的になる必要はない
- メンタルを立て直し、中長期を見据えたり、幅を広げたりしてキャリアを構築できる手段を探ろう
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