転職なら社会人のための転職サイト【リクナビNEXT】|求人、転職に関する情報満載! 2020/09/25 UPDATE 毎週水・金曜更新!

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30代後半の未経験転職、そのポイントは?

ベンチに座り考え事をしている男性30代の転職では、一般的に今までの経験をもとに、即戦力となることが求められるため、同業種同職種での転職が多くなる傾向にあります。しかし中には未経験の業界・職種への転職を希望する方もいらっしゃいます。

果たして30代後半で、未経験業界や職種への転職は実現するのでしょうか。転職できた人とできなかった人の事例を参考に、35歳からの転職ポイントについて、リクルートキャリアのキャリアアドバイザー(CA)へのインタビューをもとにご紹介します。

アドバイザー

株式会社リクルートキャリア

キャリアアドバイザー田原寛之氏

30代後半の未経験転職のカギは、企業の求めるポータブルスキルを保有しているか

仕事を通して身に着けた工夫や強みの中で、異なる業界にも持ち運べるスキルをポータブルスキルと言います。業界・業種に限定されたた専門的なスキル(異業界・職種では必要とされない)とは違い、スケジュール管理能力や対人コミュニケーション能力、業務のPDCAを実行していく推進力など、どの業界・業種でも活かすことのできる能力です。30代の未経験転職ではポテンシャルやスタンスだけでなくポータブルスキルが企業の求めるスキルとマッチするかが大きなポイントになります。

かつては30代後半の転職は、いわゆるテクニカルスキルが企業ニーズに合う、即戦力を活かせる人に限られた市場でした。現在は、生産年齢人口の減少により労働力の確保が急務であることやダイバシティ(多様化)を受け入れる社会変化の影響から、テクニカルスキルのマッチに限らない、ポータブルスキルまで幅を持たせたマッチングが実現し始め、30代後半の未経験職種・業界への転職も可能になってきています。

30代後半で未経験から転職できた事例

では、実際30代後半で未経験業界・職種へ転職できたのはどのようなケースだったのでしょうか。ポータブルスキルに着目しながら事例をご紹介します。

幅広い年齢層の方への「対応力」などが評価され転職したAさん(37歳 男性/警察官→学習塾教室長)

Aさんは派出所に勤務する警察官でした。日々、小さな子どもから年配の方まで様々な相談に乗り、相手に合わせた話し方や対応をしてきました(対人対応力)。事件や事故の対応で緊急を要する際には、リスク管理をしながらも迅速に行動できるための判断力も培ってきました。派出所ではリーダーとして、部下のマネジメントも行っており、マネジメント能力も兼ね備えていました。

これらの経験を活かして、業界・職種ともに未経験である学習塾教室長へ転職ができました。学習塾では子どもの対応はもちろんのこと、その保護者から信頼を得られるような対応が求められ、ここに派出所での対人対応力が活かせます。また、塾講師をマネジメントする立場でもあるので、リーダーとして部下をマネジメントしてきた経験を活かすことができました。

間接的な「対外折衝」の能力などが評価され転職したBさん(36歳 男性/官公庁職員→総合コンサルティングファーム・コンサルタント)

Bさんは大学卒業後から官公庁職員として勤務してきました。所属省庁によって詳細の業務内容は異なりますが、政府の出す法案・予算案等の企画・施策や、それらを遂行するための関係者との調整が主な業務です。情報収集・データ分析力だけでなく、多方面からの意見を吸い上げつつ、あるべき方向に向けてアウトプットを整理する編集力も備え持っていました。また、多岐にわたるステークホルダーの合意を得ながら、国会で発議する議員をサポートし、間接的な対外折衝をしてきました。

この経験を活かして、Bさんは総合コンサルティングファームへ転職しました。コンサルタントの仕事も、情報収集や分析業務が多く、官公庁職員の頃と扱う情報は異なるものの、経験を十分活かすことができそうだという評価を受けたようです。また、コンサルタントも、クライントへの提案は主にマネージャーが行いますが、その意向を汲みつつ、社内外のステークホルダーの合意形成ができる人材として期待を受けての転職となりました。

対人コミュニケーション力などが評価され転職したCさん(39歳 男性/自動車部品メーカー営業職→化学材料メーカー購買職)

Cさんは、自動車部品メーカーで営業職に就いていました。顧客からのちょっとした相談も丁寧に聞き(傾聴力)、真摯に対応してくれることで、顧客担当者からの信頼がありました。

社内では、顧客に傾聴しつつも、潜在ニーズを聞き出し、販売数や種類を増やせるCさんの提案力に頼る人も多かったようです。彼は、営業職ではありますが、資材調達から製造工程・経理まで様々な部署の人と顔見知りで、他愛もない会話の中から自社製品に関する情報を収集していました。

そんなCさんは、化学材料メーカーの購買職へ転職。元々、営業職として損益意識が高く、自社の資材調達の苦労も面白みも見聞きしていたため、異業種・異職種ではありましたが資材購買でその経験を評価されました。メーカーを顧客としているBtoBビジネスで、受発注の規模や期間、扱う金額の親和性があったのは大きいかもしれません。特に評価されたのは、誰に対しても真摯に向き合い、コミュニケーションを取っていくことが出来る能力や姿勢。購買先の企業に対しても、よきパートナーとして接していけそうな人柄に好感が持たれたようです。

プレイングマネジャー経験と実績が評価され転職したDさん(37歳 男性/Webサービス・営業職→不動産管理会社・運営管理職)

Dさんは、Webサービス企業でプレイングマネジャーとして広告の営業をしていました。6名のメンバー管理をしながら(マネジメント力と対人対応力)自分自身も営業数字を持ち、チームとしての営業目標を達成した経験があります。このチームマネジメント力と営業職としての対人対応力を活かして、不動産管理会社でマンションの運営管理の仕事へ転職しました。

評価のポイントは、マネジメントをしながらも自身で営業をしてきた経験です。周囲を和ませる対応で、初対面の人でも話しやすい空気づくりを心掛けてきたDさんは、顧客の本音のヒアリングに強みをもっています。メンバーに対しても、垣根を作らない関係で接してきたことで、営業する上での課題を聞き出し、整理し、目標数字を達成してきました。

転職先のマンション管理では、マンションの理事会運営者や住民と本音で話せる関係づくりが重視される一方で、理事会費用を目的に合わせて正しく使うための、合意形成が必要です。人の懐に飛び込むコミュニケーションが得意で、数字を扱ったマネジメント経験もあるDさんは、今後マンション管理で力を発揮できるはずと、期待されての採用となりました。

営業としてのプロセス管理能力が評価されて転職したEさん(36歳 男性/金融・営業職→コールセンターSV)

Eさんは金融機関の個人向け営業職からコールセンターのスーパーバイザー(SV)へ転職しました。自身の営業実績のプロセスをExcelで管理してきたため、見込み客からアポイント率、その先の成約率について数値化することが習慣でした。その経験がコールセンターのSVでは評価されたということです。

コールセンターのSVでは十数名いるメンバー管理が求められますが、単に勤怠管理だけではなく、稼働率、受注率、を上げるためのプロセス管理も求められます。

一人当たりの応答時間を数値化し、稼働率を改善するための提案を考えるなど、多くのメンバーを抱えるからこそ、属人的ではなく、可視化できるプロセス管理も必要とされています。Eさんが自分の営業実績を管理するために行ってきた行動分析力は、異業界・異職種でも活かされると期待されました。

30代後半で未経験から転職できなかった事例

では、実際、残念ながら未経験業界・職種への転職ができなかったのは、どのようなケースだったのでしょうか。

ポータブルスキルが活かせず転職できなかったFさん(37歳秘書職→企画職)

Fさんは、病院で院長の秘書をしていましたが、院長との人間関係がうまくいかず、転職を考え始めました。転職に活かせるという話を聞き、中小企業診断士の資格取得のための勉強も始めています。病院では関わる人が限られているので、今とは異なる、多様な人とコミュニケーションを取りながら仕事ができる企画職に転職したいと考えています。
Fさんの場合、今までの経験と希望する企画職に必要とされるスキルに大きなかい離があります。まず、30代ではポータブルスキルが活かせることが転職の大前提なので、院長秘書の経験で、どんなスキルが身についているかを整理することがポイントです。

例えば、院長のスケジュール管理を10年以上していたのですから、目的に合わせた管理・調整力はあるはずです。また、一定の作業をコツコツと積み重ねる事も、おそらく苦手ではないでしょう。仕事をしながら資格取得の勉強を始めている点から、時間管理能力も高そうです。

ただ、現在お持ちのポータブルスキルは、残念ながら、企画職の重要なスキルである、ゼロから新しいものを作り出す力との親和性があまりありません。また、同業界である医療業界での企画職への転職を考えてみても、そのポスト自体あまりないのが実情だと思います。

また、例え資格を取ったとしても、その資格を活かした業務経験がなければ、残念ながら転職の際には即戦力とみなされません。何かしらのポータブルスキルを活かさない限りは、未経験の業界または業種への転職は難しくなってしまいます。

Fさんの場合は、管理調整力と時間管理能力を活かせる求人に応募すると、企業が期待するスキルを即戦力として発揮できそうです。

業界を問わず、秘書職で培ったポータブルスキルを発揮できる企業を広く探すと、未経験業界への転職実現が見えてくるかもしれません。もし、各部門との調整業務で力を発揮していたのでしたら、人材コーディネーターや不動産カウンター業務など、様々な人の希望を聞いてサービスを提供する職業でも即戦力と評価を受ける可能性があります。

自分のポータブルスキルを整理して、経験を活かせる仕事を!

ここまで、30代後半で未経験業界・職種への転職が「できたケース」「できなかったケース」についてご紹介しました。自分のポータブルスキルを整理すると、未経験の業界・業種でも接点が出てきて、今までのキャリアを活かしながら、転職が可能だということが見えてきたのではないでしょうか。自分のキャリアのポータブルスキルを自分では捉えにくいという場合は、キャリアアドバイザーなどへ相談することも検討してみてもよいですね。

記事作成日:2019年12月23日 WRITER:衣笠可奈子 EDIT:リクナビNEXT編集部

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