28歳女性の転職、成功のポイントは?【転職相談室】
女性にとって28歳は、結婚・出産・育児など、自分のライフプランやこの先のキャリアプランをあらためて見つめ直す時期といえるでしょう。
「今の仕事の経験を生かしてキャリアアップしたい」、「結婚、出産後も働きたいからキャリアチェンジしたい」と考える20代後半女性の相談に、リクルートキャリアで多くの転職者のサポートを行っているキャリアアドバイザーがお答えします。
まずは、一般的な20代後半の転職の成功のポイントについて、そして、相談者に対するアドバイスをご紹介します。
20代後半女性が転職するときに、知っておきたい2つのこと
年代が上がるにつれてポータブルスキルが重視される
企業が採用時に重視するポイントは、以下の4つに大別することができます。
- ポテンシャル……基礎学力や素養、職務遂行能力
- スタンス……仕事に対する価値観や考え方
- ポータブルスキル……業界問わず生かせる仕事の強み
- テクニカルスキル……専門性が高く特定の領域で発揮されるスキル
新卒のころは「ポテンシャル」と「スタンス」が重視されますが、30代へと年代が上がるにつれて「ポータブルスキル」が重視されるようになります。
ですから、自分が培ったポータブルスキルが企業のニーズにマッチすれば、例え30代目前で未経験の分野への転職であっても可能性はあります。ポイントは、自分のポータブルスキルを言語化し、転職したい企業のニーズに合ったスキルを的確にアピールすることです。
【年代別】20代・30代・40代で押さえておきたい転職活動のポイント
女性が活躍できる会社の見極め方
ライフステージの変化に合わせて柔軟に働き続けたいと考えている方は、企業の職場環境を知っておくことも大切です。
女性が活躍できるかどうかを見極めるポイントは、大きく3つあります。
- ケア……女性がライフイベントを経ても長く働き続けられる
- フェア……女性が男性と変わらずフラットに評価される
- キャリア……女性が専門性やマネジメント力などのスキルを身につけ、成長し続けられる
「ケア」は両立支援施策が整っているかどうか、「フェア」は男女の採用数や勤続年数と女性管理職比率がどうなっているか、「キャリア」は女性向けの研修や育成プログラムがあるか、などに着目してみましょう。
こうした情報は、企業のホームページや求人情報、厚生労働省が公表している「女性の活躍推進企業データベース」などで確認することができます。
女性が活躍できる転職先の探し方、会社選びの3つのポイントとは?
一般的な20代後半女性が転職するうえで知っておきたい2つのことを紹介しました。上記を踏まえたうえで、28歳女性の転職のケースを見てみましょう。
【相談】経験を生かして、メーカーからのWeb業界に転職しキャリアアップしたい
- <相談内容>
現在、メーカーの営業企画として、紙媒体を中心とした販促ツール制作のディレクションやキャンペーンの企画・運営業務などを行っていますが、もっと制作に近い現場でモノづくりに携わりたいと考えています。
- できれば、以前から興味のあるWeb業界で今までの経験を生かして働き、キャリアアップしたいと思っています。未経験の業界で、転職を成功させるコツはあるでしょうか?(Aさん/28歳/女性)
アドバイザー
キャリアアドバイザー
藤山和久(IT・Web領域)
Web制作会社、Webサービス運営会社の2社を経て、リクルートキャリアに転職。現在、転職エージェントサービスを手掛ける「リクルートエージェント」のキャリアアドバイザーとして、主にインターネット領域全般を担当。
ポータブルスキルを生かせれば、異業界からの転職は十分可能
ひと口にWeb業界といっても、自社でサービスやメディアを運営している事業会社もあれば、他社からの受託物を制作する制作会社や広告代理店もあります。巨大企業から中小、ベンチャー企業まで、企業規模もさまざまです。それぞれ求められるスキルや仕事内容も異なりますので、ミスマッチを防ぐために転職者のキャリアプランや今までの経験を詳しくヒアリングしながらアドバイスをしています。
Aさんの場合、これまでのディレクション能力を生かして、制作会社や広告代理店に転職することは十分可能です。異業界からの転職となるので、同業界からの転職者が多い大手事業会社への転職は難易度が高いかもしれません。
ただ、私が以前担当した方の中に、チラシなど紙媒体の制作会社でDTPとディレクション、進行管理を経験していた20代後半の女性が、そのポータブルスキルを生かして大手のWeb事業会社に転職し、メディア系の記事制作の進行管理業務に就いている事例があります。
求人内容とこれまでのスキルがマッチすれば、事業会社であっても可能性はあります。
自分の仕事を振り返り、ポータブルスキルを詳細化しましょう
Web業界は、転職回数や性別に関係なくスキルを重視する企業が多いこともあり、異業界からの転職を成功させるためには、「自分は今までどんな仕事をしてきたか」を振り返り、相手にきちんと言語化できるようにしておくことが大切です。
Aさんの場合、“ディレクション”という大きな言葉を詳細化してリストアップすることがポイントとなります。
具体的には、制作物の企画立案や外注先(制作会社)のコントロール、納品までの進行管理を行っているとのこと。進行管理は、Webのコンテンツ制作などでもニーズの高いポータブルスキルです。
また、販促キャンペーンの運営業務において、キャンペーンの目標設定や効果測定といったKPI(重要業績評価指標)の設定にも携わっているのであれば、それもポータブルスキルとなるので、具体的に書き出しておきましょう。
求人情報を読み込んで、企業が求めるスキルをアピール
もう1つは、自分のポータブルスキルが必要とされる求人を探すこと。求人情報を見て、職務内容などから自分の能力を求めている企業を見つけるのです。
ただし、「進行管理」というキーワードがズバリ使われているとは限りませんし、ディレクターをプランナーと呼んでいる企業もありますので、求人情報をしっかりと読み込む必要があります。
自分のポータブルスキルを求めている企業に応募することで、異業界からの転職成功率は高まります。
そして、応募の際に大切なのは、自分が得意なスキルではなく企業が求めているスキルをアピールすること。どんなに得意なスキルをアピールしても、企業がそのスキルを求めていなければ、マッチングは望めないからです。
キャリアアップを望むなら、幅広い業務を経験できる会社からスタートを
Aさんのように20代後半で転職し、Web業界でキャリアアップを考えているのなら、まずは中小の制作会社や代理店、ベンチャー企業への転職からスタートし、幅広い業務を経験するのがいいでしょう。
なぜなら、一般的には大手企業では未経験から入社するのはハードルが高く、また組織・役割分担が明確になるため特定の専門業務に携わるケースが多いため、いろいろな仕事を経験できる中小企業やベンチャー企業で働く方が、Webに関する幅広い知識とスキルを習得できるからです。
こうしてさまざまな仕事やマネジメント経験を積み、自分の市場価値を向上させていけば、将来的には高待遇の企業に転職して年収アップというキャリアプランも十分に可能性があります。
未知の業界で転職を考える場合、仕事内容を具体的にイメージするのは難しいでしょう。
入社後のミスマッチを防ぐためにも、実際にその業界で働いている人や、業界全般の情報に精通したキャリアアドバイザーに「どんな仕事があるのか」を相談してみると良いでしょう。
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