実績や成果の「再現性」を職務経歴書・面接でアピールする方法

転職活動で実績や成果をアピールした際、企業は「その成果は再現できるのか」を確認しています。
採用担当者が実績の再現性をチェックする理由と、職務経歴書と面接のそれぞれで再現性をアピールするコツを組織人事コンサルタントの粟野友樹氏に聞きました。
目次
採用担当者は成果や実績をアピールされた際に、再現性があるかどうかもチェックしている
企業にとって、現職での実績や成果を「転職先でも再現する力があるかどうか」は重要な評価ポイントとなります。
まず前提として、採用担当者は「自分の会社で」活躍してくれる人材を採用したいと考えています。
現職で高い成果を出していても、それが偶然もたらされた成果であったり、一過性のものであったりして、自社では再現されないのであれば意味がありません。
そのため、実績や成果をアピールされた際には、それはどんな環境でも再現できるものなのか、自社でも発揮できる能力なのかをチェックしているのです。
「この人は再現性が高そうだな」と思わせるためには、職務経歴書や面接でただ実績を述べるだけでは足りません。
事前に、なぜその成果を出すことができたのか、成功要因はどこにあったのかを振り返っておき、詳細に語れるように準備することが不可欠です。
「職務経歴書」で再現性をアピールする時の3つのポイント
職務経歴書で再現性をアピールするには、以下の3つがポイントとなります。
1. STARフレームを利用する 2. 成果として取り上げるエピソードは「課題の根本」にアプローチしたものを選ぶ 3. 事例は複数用意し、共通の成功要因を言語化する |
再現性を職務経歴書でアピールするコツ1.「 STARフレームを利用する」
基本的にほとんどの仕事は、何らかの目的・目標に対して課題があり、それらを解決することが成果につながるという構造になっています。
そのため、実績や成果をアピールする場合には、課題にフィーチャーするSTARフレームを使うようにすると良いでしょう。
・Situation:どのような状況で ・Task:どのような課題があり ・Action:どのような行動をして ・Result:どのような成果が出たのか |
このフレームワークを使うことで、聞く側がその時の状況を同じ目線・土台に立ってイメージしやすくなります。
よりイメージを鮮明にするために、具体的な数字を交えて表現すると良いでしょう。
再現性を職務経歴書でアピールするコツ2.「成果として取り上げるエピソードは”課題の根本”にアプローチしたものを選ぶ」
STARフレームを使ってアピールする課題解決エピソードは、表面的な困りごとではなく、そもそもの根本要因にアプローチしたものを選びましょう。
例えば、新市場の開拓をする営業プロジェクトが思ったように進まないという課題があったとします。
その際に、情報共有ができていない、人員が不足しているなど等の困った事象を個別解決していくのは、どちらかと言うと「対処療法」の範囲です。
一方で、上手く進まないそもそもの原因は、新市場でのターゲット設定のズレにあると見抜いて、そこを軌道修正することは「根本要因の解決」にあたります。
転職活動では、こうした根本要因を見抜いて解決をしたエピソードを選ぶと、課題分析力と、課題解決に必要な計画力・実行力などもアピールすることができます。
そして、これらの力は、異なる環境や状況下で成果を出し続けるのに必要なスキルです。
採用担当者に、「この人は自分なりに考え創意工夫し、自分の強みを活かして成果を出し続けることができる人だ(=再現性のある人だ)」と思ってもらいやすくなるかもしれません。
再現性を職務経歴書でアピールするコツ3.「事例は複数用意し、共通の成功要因を言語化する」
課題解決をした事例は1つだけではなく、規模や条件の異なる複数の事例エピソードがあると、「再現性がある」とより思ってもらいやすくなるでしょう。
それぞれの事例に共通する成功要因がなんなのか、言語化しておくことも大切です。
職務経歴書上では、あらかじめ複数の事例を詳細に記載しても良いですし、面接で詳しく質問してもらえるように情報を小出しにしておいても良いでしょう。
例えば、「〇〇プロジェクトのほかにも、△△プロジェクトや□□市場においても同様に成果を出している」「継続して〇年間成果を出し続けている」などと端的に書くのも一つの方法です。
再現性を面接でアピールするコツは、 「現職の話だけで終わらせず、応募先企業にどう貢献できるかを語ること」
最初に記載した通り、企業が採用したいのは「自社で活躍してくれる人」です。
そのため、面接では職務経歴書に書いてある内容をベースにしながら、様々な角度から「うちの会社ではどうかな?」と確認されます。
そんな場所で、現職で高い成果を出しているという話だけで終わってしてしまい、応募先企業では自分のスキルをどう活かせるのかを一切話さなければ、「再現性がある」とは思ってもらえないでしょう。
せっかく成果や実績をアピールしても、採用担当者に「今勤めている会社では成果が出ているのかもしれないけど、うちの会社は環境も条件も違うから、同じような成果は見込めないかもしれない」と思われてしまっては、効果的ではありません。
応募先企業の課題を想定して自分ならどう対処するのかを考えたり、現職で複数の成果を出せた要因を振り返って、応募先企業では自分の経験やスキルをどう活かすことができるのかなどを整理しておくと良いでしょう。
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