【体験談】ワークライフバランスを重視し、身体機能の回復を支援する介護職へ転職
田鍋さん(仮名) 介護士(有料老人ホーム→介護予防リハビリ施設) |
限られた人数でのシフト体制に体力の限界を感じ、転職を決意
就職活動で、なかなかやりたいと思える仕事に巡り合えずにいた田鍋さんは、「介護業界は2025年までに30万人の人手不足になる」といったニュースを耳にして、「世の中に求められている場所で働きたい」と、民間の有料老人ホームに就職した。利用者の多くは80代以上。先輩に習って食事、入浴、トイレ、就寝などの介助に取り組んだ。20代から60代まで幅広い年齢層の従業員が所属しており、一番若い田鍋さんには入浴など体力のいる仕事が多く回ってきた。
「2人1組で1日に30人以上の入浴を介助するので体力の要る仕事です。介助の合い間に高齢者の方と会話する時間はとても新鮮で大好きな時間でしたが、限られた時間の中で業務を終えなければいけないので、あまり会話を楽しんでいる余裕はありませんでした。」
入社する前とは現場のギャップはさほど感じていなかったが、入社した施設は夜勤があり、50名ほどの入居者を2人で担当するという方針だった。3時間ごとのおむつ交換の合い間にナースコールが鳴るとすぐに駆けつけなければならない。限られた人数の中、シフト制で担当するため、急な体調不良でも休んで穴を空けるわけにはいかない。自分が休んでも代わりはいないという思いが強く、無理を承知で出勤したこともあるという。一度体調を崩したことを機に、この施設で働き続けるのは難しいと思い、田鍋さんは転職を決意した。
身体の機能回復をケアする仕事に転身。今後はケアマネジャー取得へ
介護の仕事自体は好きであり、かつ介護職員初任者研修の資格も取得したばかりだったため、介護業界を離れることは全く考えなかったという。業界は変えずに夜勤がなく、できるだけ利用者とコミュニケーションが図れる職場を中心に転職先を探し、2社から内定が出た。
現在勤務している株式会社ウェルネスフロンティアは、入院後にリハビリ施設に長く居られない方や歩行が困難になってきた方、麻痺がある方など何らかの症状を抱えている方に、軽いトレーニングプログラムを通じて日常生活への復帰の支援を行っている会社だ。田鍋さんはインストラクターとして利用者の前に立って一緒に運動したり、体温、血圧などのチェックやトレーニングマシンの見守りを行ったりしている。
「プログラムを通じて利用者の方が一度は失った機能を徐々に取り戻し、自分で立って歩けるようになっていく様子を見た時は感動のような何かを感じました。また、利用者の方の前で会話をしながら体操をする『リズム体操』の時間には、質問したり、されたりしながら体を動かすのですが、皆さん先週に私が言っていたことを覚えていてくれる。こういったコミュニケーションをずっとしたかったんだと気がつきました。」
歩行やトイレの介助などの通常業務だけでなく、機能回復のための計画書作成やケアマネジャーとの相談など、以前と比べると幅広い業務に携わっているという。勤務時間もほぼ定時で帰宅しており、精神的にも時間的にもゆとりができたことで、遠ざかっていた資格取得への意欲も湧いた。まずはケアマネジャーの資格に挑戦し、将来の仕事の幅を広げることが目標だ。
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