【体験談】金融業界の営業職として経験を積み、30歳を前に転職し年収アップに成功
ワタルさん(仮名):31歳 営業職 |
評価体系が未整備…成果が評価につながらず、転職を決意
学生のころから金融に興味があり、FP(フィナンシャルプランナー)資格を取得したり、株を購入するなどしていたワタルさん(仮名)は、最初の就職も大手証券会社の営業だった。雇用形態は契約社員。「立場や出世よりも正当な評価が欲しい」と考えていたワタルさんには、やればやっただけ評価も収入も増えるという制度が魅力的に映ったからだ。順調に成果を上げていたが、入社1年目に会社が外資系に買収されたことで、評価体系ががらりと変わった。翌年にはリーマンショックが起こり、早期退職が募られるなど不安が増し、退職を決意。転職先は少額短期保険(ミニ保険)を扱う会社で、証券から生命保険という新しい金融の知識を身につけることになった。
しかし配属は営業ではなくインセンティブなどがない管理部門だったため、仕事の実績が収入に結びつかず1年で退社。やはり自分の実績が評価や収入に反映する営業職がやりたいと、生命保険の代理店へと転職した。入社して2年目には東日本大震災による被害からの復興が進む仙台で支社開設を任されることに。
「支社といっても空っぽのマンションの一室をオフィスにして、私ともう一人とで法人を対象に電話でアポイントを取っては出向き、契約を取る形です。土地勘もない、知り合いもいない場所でゼロからのスタート。それでも1年で1億以上売り上げ、粗利も一人あたり2,000~3,000万くらいは出ていました」
ところが、所属している会社はまだ評価体系が未整備の状態で、いくら成果を上げても評価や収入に反映することはなかった。現物支給というインセンティブはあったものの、何をどうすれば給料が上がるのか悩み続けるなか、気がつけば30歳は目前となっていた。実績を出そうと営業活動に励めば励むほど業務時間も増えていく。とうとうワタルさんは、転職という道を選択することにした。
評価に悩んだ経験から、企業選びは慎重に行うことに
1度目の転職で「“同業種同職種”の転職は自分の市場価値を上げやすい」と感じたことから、ワタルさんは今度も応募先は同じ生命保険業界に絞り込んだ。今までのキャリアを伝えたところ、なんと10社から内定を獲得。会社からの評価に悩んだ経験から、内定が出た企業の評価体系はしっかりと確認し、評価が明確な企業を選んだ。実績がきちんと評価される企業を選択したことで、転職後の収入は前職の1.5倍(年収約600万)と劇的にアップした。同時に、自分の時間も確保できるようになり、ようやく自身の将来のライフプランについても考えるゆとりができたという。
「振り返ってみると、1社目の証券会社では、ノルマ達成のためにかなり厳しいプレッシャーに耐えながらメンタルを鍛えてきました。その経験があったから、ほかの会社で少々厳しいことがあっても平気だったんですね。生命保険の知識だけでなく、営業としての基礎力やノウハウは転職してどんな企業に移っても通用することがわかりましたし、やってきたことは無駄じゃなかったと思います」。
転職活動を振り返って
ワタルさんが会社に求める条件は非常に明確だ。タフな精神力を活かして実績を積み上げる代わりに、相応に評価をしてほしいという真っ直ぐな姿勢である。条件を「過去の知識と経験を活かせる同業種同職種」「実績が評価に反映する給与体系を持つ企業」の2つに絞り込んだことで、10社もの内定を勝ち取った。さらに給与アップも実現したという。条件をしっかりと定めた転職活動が、功を奏した事例と言えるのではないだろうか。
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