年次に関係なく“挑戦”できる会社の探し方が知りたい【転職相談室】

若いうちからもっと大きな仕事に挑戦したいのに、任せてもらえない。そんな悩みを抱える相談者へ、組織人事コンサルタントの粟野友樹氏が「挑戦できる会社の探し方」を解説します。
キーワード検索についてや、挑戦できる環境を求めて転職するときの注意点などについてもアドバイスしていますので、参考にしてください。
目次
年齢や入社年次に関係なく挑戦できる会社で、自分を成長させたい(Iさん/メーカー/25歳)

<相談内容>
新卒で日系メーカーに入社し、営業企画職として働いています。
会社として業務改革や意識改善の施策も行われていますが、まだまだ年功序列の側面が強く、若手のうちに大きな仕事を任されることはほぼありません。
本来は、新しい施策などを考えることが主体の職種のはずですが、過去事例を元にしたアップデートばかりで、いまいち「自分で考えている」という実感も湧きません。他の会社の企画職と比べて、自分のスキル不足や経験不足が心配です。
入社年次や年齢に関係なく、挑戦できる環境の会社に転職したいのですが、どうやって探せばいいのでしょうか。挑戦しやすい社風かどうか、見分けるコツを教えてください。
挑戦しやすい会社とは?求めている環境を整理しよう
▶アドバイザー
新しい施策を考える仕事でありながら、「自分で考えている」と思えないのはもどかしさがありますね。
「挑戦できる環境」を求めているとのことですが、それは具体的にどういう環境を指しているのか。
まずは、考えを整理することから始めましょう。
▶相談者
どんな挑戦ができる環境を求めているか…ということでしょうか。
▶アドバイザー
そうですね。例えば、
- 多様性のある組織で、年次や性別、バックグラウンドにかかわらずマネジメントポジションに「挑戦」できる
- 年功序列ではなく実力・成果主義で、どんどん高い目標に「挑戦」できる
- 新規事業を立案できるなど、新しい事柄に「挑戦」できる機会がある
- 評価制度や研修制度が整備され、目指すキャリアに「挑戦」しやすい
など、同じ挑戦でも、環境は少しずつ異なります。
Iさんは、どんな働き方をイメージしていますか。
▶相談者
なるほど。そう言われると、私の「挑戦」の捉え方はあいまいでしたね。
営業企画として施策づくりから運用まで、もっと一貫して任されたい…と考えていたので、新しい事柄に挑戦する機会を欲しているのだと思います。
▶アドバイザー
では、新しい事柄に挑戦する機会がある会社を探していく必要がありますね。
求める環境によって、会社の探し方や情報収集の軸も変わってきます。
どんな風に調べるといいのか、詳しく見ていきましょう。
挑戦しやすい会社を探すには?社風を知るための情報収集方法
▶アドバイザー
情報収集の手段には、
- 会社が発信する公式ブログ
- ビジネスサイト、雑誌、新聞などに掲載された経営者インタビュー、社員インタビュー
- 口コミサイト
- 転職サイト
- スカウトサービス、転職エージェント
- 転職イベント(合同、個別企業説明会など)
- 知人友人
- 所属社員とのカジュアル面談
などがあります。
自分はどういった「挑戦しやすさ」を求めているのかを把握した上で、転職サイト内をキーワードで検索し、広く企業情報を集めるといいでしょう。
興味を引かれた企業があれば個社ホームページなどで詳細を調べていったり、面談やイベントなどで社員の方に質問をしてみたりと、徐々に情報の解像度を上げていくのがいいと思います。
▶相談者
検索する際には、どんなキーワードを入れるといいのでしょうか。
▶アドバイザー
例えば、多様性のある組織を求めているのなら、「中途入社50%以上」「平均年齢20代」「女性管理職登用あり」といったキーワードで見てみると、組織構成がフラットで、上のポジションに挑戦しやすい環境があるかもしれません。
実力主義の環境なら、「インセンティブあり」「歩合給あり」といったキーワードがマッチするでしょう。
一人ひとりの裁量権が大きい環境としては、スタートアップやベンチャー企業のほか、急成長フェーズにある組織として「2年連続売上10%以上UP!」などのキーワードで見てみるのもいいと思います。
▶相談者
なるほど!そうした切り口を参考に見ていくと、選択肢が広がりそうですね。
▶アドバイザー
Iさんがおっしゃったように、新しい事柄に挑戦する機会を求めるのでしたら、新規事業部署での募集や、新規事業を立案できるかどうかを、応募要件で確認するといいと思います。
ほかに、目指すキャリアを実現しやすい目標管理の仕組みや人事・評価制度があるかどうか、「研修制度充実」というキーワードでチェックするのもいいでしょう。
働き方の自由度が高く挑戦しやすい社風として、「フレックス勤務」「在宅勤務OK」「副業OK」などで調べるのも一つの方法です。
▶相談者
制度面からも社風が見えてくるんですね。制度を軸に調べると、新たな気づきがありそうです。
▶アドバイザー
そうですね。例えば、本人の異動希望を尊重する「社内公募制度」、成果や実績に応じた「インセンティブ制度」などもありますよね。
社内で新規事業のアイデアを募集する制度や、他部署の仕事に挑戦する社内副業・兼業制度などは、社員のキャリアを応援し、チャレンジを促進する社風を表しているとも言えるでしょう。
挑戦できる環境を求めて転職するときの注意点
▶相談者
いざ挑戦できる環境を求めて転職しようと思ったときに、他にも何か知っておくべきポイントや注意点はありますか。
▶アドバイザー
挑戦できる環境は、責任を担う分、業務負荷やプレッシャーが大きくなる可能性があります。
成果主義の環境であれば、実績を残せなければ評価が下がり、追い詰められていく…ということもあるかもしれません。
また、企業によっては、高いスキルを持った人材が不足し、若手や未経験者に任せるしかない状況もあるかもしれません。
挑戦の幅は広がっても、育成体制や制度が不十分で、中長期的には経験スキルが身につかないという可能性も考えておくと良いでしょう。
▶相談者
なるほど…。企業情報を集めるときは、マイナスの面がどこにあるかもあわせて把握していかないといけないですね。
▶アドバイザー
そうですね。企業が発信している情報をすべて鵜呑みにせず、実際に働いている社員のリアルな情報を取りにいくことはぜひ大切にしてほしいです。
ほかにも、スタートアップやベンチャー企業などに転職する場合は、業績が景気の影響を受ける不安定さを理解しておくといいでしょう。
裁量権が大きく、新しいことに挑戦はできても、仕事の規模が小さかったり、下流工程の仕事だったりするケースもあります。
もしかしたら、現職は、すぐに仕事を任されず挑戦ができなくても、中長期目線で段階を追って成長できる環境なのかもしれません。
いずれ大きなプロジェクトにかかわれる可能性があるのなら、長期的なキャリアを考えると、いい面もたくさんあるかもしれませんよ。
▶相談者
そうですか。「挑戦」を求めている場合、ポジティブな面ばかりでなく、働く上での大変さをきちんと理解しなくては…感じました。
まずは、自分が求めている「挑戦」をもっと細かく言語化できるように、現職の環境を改めて振り返りながら考えていきます。ありがとうございました!
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