事務職にはどんな種類がある?具体的な仕事内容や働きやすさ、転職のポイントを解説

数ある職種の中でも人気が高い職種の一つが事務職です。事務と言えば「一般事務」をイメージされる方も多いかもしれませんが、事務職にも複数の種類があり、仕事内容も異なります。
専門知識が身につく事務職もあるので、事務職への転職を希望している場合は、どのような種類の事務職があるのか知っておくと選択肢が広がります。
そこで今回は組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏に取材し、事務職の種類や転職のポイントについてまとめました。
<知っておこう>事務職の種類
事務職は、書類作成や電話応対などを行う「一般事務」と、バックオフィスや士業事務所、医療機関などで書類作成や事務サポートを行う「専門事務」の2種類に分類されます。
一般事務
書類作成や電話応対などの汎用的な事務作業を行うのが一般事務です。
来客が多い職場では、受付や応接室への案内などの顧客対応が業務の中心になることもあれば、社内手続きが多い職場では、書類作成ややり取り、ファイリングなどが業務の中心になることもあります。
事務業務は、派遣スタッフやアルバイト・パートスタッフに依頼するケースも多いため、正社員の一般事務職の求人数は、一般事務を希望する求職者数に比べると多くはありません。
厚生労働省が発表している有効求人倍率(※)を見ると、令和6年11月分で一般事務従事者は0.33 倍と、営業職業従事者の2.43 倍と比べると非常に少なくなっています。
※参考:一般職業紹介状況(令和6年11月分)について│参考統計表(PDF), 参考統計表8-1, 有効求人倍率(パート除く常用)
専門事務
専門事務は、経理や人事などの専門職種のサポートをするケースと、士業事務所や医療機関などで専門知識を活かして事務業務を行うケースに分けられます。
営業事務は、営業部門で営業のサポートや数字管理、顧客対応などを行う仕事です。 売り上げ数字の管理や、顧客向けの書類作成や営業資料作成などを行うため、WordやExcel、PowerPointなどのスキルを伸ばすことができます。 営業活動のサポートを行うことも多いため、ホスピタリティが求められる仕事とも言えるでしょう。 |
経理事務は、バックオフィスの経理部門で経理のサポートを行う仕事です。 例えば、請求書の内容確認とデータ入力、入金処理や消込など、お金のやり取りが中心となります。 月次決算などの経理業務は時期による業務量の波が決まっているため、繁忙期は経理スタッフの業務のサポートをすることもあります。 お金を扱うという業務の性質上、正確性や確実性を求められる仕事です。 経理業務でできることを広げ、簿記などの専門資格を取得することで、経理のスペシャリストを目指すこともできるでしょう。 |
人事は、労務と採用、人事・組織設計、教育研修などに分けられます。 労務系の事務の場合は、入社や退職などに伴う社内手続きや社会保険に関する事務作業や給与計算などを行います。 採用系の事務の場合は、応募者の面接の日程調整や面接会場の手配、求人広告の作成、管理、説明会の準備などを行います。 制度設計や教育研修についても、実務担当者のサポートを中心に、書類作成や手続きなどを行います。 経理事務同様に、人事業務でできることを広げて、専門知識やスキルを身につけることで、人事のスペシャリストを目指すこともできるでしょう。 |
医療事務は、医療機関で働く事務職を指します。 医療事務の仕事を大きく分けると、「受付・会計」「クラーク」「レセプト」が挙げられます。 受付は、医療機関で患者の受付を行う業務、会計は診療内容から明細書を作成して会計を行う業務、クラークは受付した患者のカルテの準備をしたり、入退院する患者に対して説明や手続きを行ったりする業務、レセプト(診療報酬明細書)は健康保険組合に対して診療費用を請求するために、レセプトを作成して内容を確認する業務です。 規模の大きな医療機関は役割が細分化されていますが、規模の小さい医院やクリニックなどでは複数の役割を兼務するケースもあります。 |
法律事務所や税理士事務所、会計事務所などの士業事務所で、受付や顧客対応、書類作成や士業のサポートなどを行うのが士業事務です。 士業事務所で働きながら勉強を続けて、資格取得を目指す方も多く、資格取得をサポートして受験費用を補助したり、勤務時間を調整したりする事務所もあります。 |
事務職に転職するポイント
求職者に人気の高い事務職。事務職に転職するポイントを解説します。
応募する仕事との共通点を意識する
これまでの経験と、応募する仕事との共通点を意識することが大切です。
例えば、「紙の書類をデジタル化した経験が、応募する企業の働き方改革にも活かせそう」「販売の接客経験が、営業事務の顧客対応にも活かせる」など、未経験であっても、これまでの経験で活かせるポイントを探し、アピールしましょう。
その際は業種や職種に関わらず通用し、持ち出し可能な能力である「ポータブルスキル」を見つけるという方法があります。
例えば「主体性」「課題発見力」「計画力」など、仕事の進め方や人との関わり方などで力を発揮した経験を振り返り、応募する仕事に活かせるかどうか考えましょう。
パソコンスキルをしっかりとアピールする
事務職の多くはパソコンを使って業務を行います。
そのため、パソコンスキルがあると選考で有利に働きます。
これまでの経験でパソコンを使って業務を行っていた場合は、操作可能なソフトウェアの種類を職務経歴書に記載しておきましょう。
特にWordやExcelなどのオフィスソフトは、どの程度使えるのかを知りたい企業が多いため、下記のように具体的な業務内容やレベルが分かるように補足を入れておくとアピールにつながります。
・Word(社外向け文書の作成など)
・Excel(関数やピボットテーブルを使った表計算など)
・PowerPoint(顧客向けの提案資料作成など)
事務職が未経験で、オフィスソフトを使ったことがない場合は、書籍などで自主的に学ぶほかに労働局やハローワークが実施しているパソコン講習を検討してもいいでしょう。
主体的に取り組んだ実績を伝える
事務職はサポート業務も多いので、仕事での工夫や主体性を意識して伝えないと、「指示された業務だけを処理している」と受け身の姿勢に聞こえてしまう可能性があります。
求人に記載されている「仕事内容」や「求めている人材」の項目を確認して、どのような人材を求めているのかをイメージしてみましょう。
例えば「明るい応対ができる方」と書かれていたら、「普段から挨拶や声がけを行い、円滑なコミュニケーションを図ってきました」など、日々の工夫や仕事への姿勢を伝えることで、入社後の活躍イメージが湧きやすくなるでしょう。
選択肢を広げて応募しよう
事務職は人気が高いため、条件の良い事務職は応募が集中する可能性があります。
条件にこだわりすぎると応募できる求人が限られてしまい、内定を得るのに時間がかかってしまうかもしれません。
求人には興味が湧かなかった企業でも、応募して面接で話を聞いてみたところ、意外な魅力を知って応募意欲が高まるケースは多いものです。
優先順位の高い条件のみに絞って、できるだけ応募先の幅を広げることで、自分に合った仕事を見つけられる可能性が高まるでしょう。
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