パート履歴書の書き方|職歴・志望動機・自己PRの例文&正社員への転職方法

パートタイム勤務から転職する際の「履歴書」の職歴・志望動機・自己PR・本人希望欄の書き方をポイントと例文で解説します。
履歴書フォーマットのダウンロードに加え、パートタイムならではの悩みや、よくあるケースもまとめているので、これまでのパート経験をどのように書くべきなのか悩んでいる方は参考にしてみてください。
正社員への転職方法も含めて、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏が幅広くアドバイスします。
目次
パートタイムの履歴書(職歴欄・志望動機・自己PR・本人希望欄)の書き方と見本例
履歴書は「どんな経歴を持った人物なのか」を伝える書類。
採用担当者が、応募者の人物像を掴みやすくなるように書くことがポイントです。
ここでは、パートタイムから正社員を目指す人が悩みがちな履歴書の書き方4項目を例文や解説を交えて解説します。
履歴書の書き方見本

①履歴書「職歴欄」のパートタイムならではの書き方・ポイント・例文
パートタイムの仕事の経験が応募企業で活かせる場合は、経験者としてのアピールになります。
なお、パートに従事していた期間が長い場合は、パートの職歴を履歴書に書かないと空白期間に見えてしまいます。
そのため、応募している仕事と全く違う内容のパートタイムだったとしても、職歴欄に書くことをおすすめします。
ここでは、パートタイムならではの履歴書「職歴欄」の書き方を5パターンの例文で紹介します。
1. 基本的な書き方 | 2. 契約期間満了など退職理由を説明する書き方 |
3. 業務内容も添えた書き方 | 4. 派遣で働くなど経験社数が多い場合の書き方 |
5. 複数のパート経験がある場合の書き方 |
1. パートタイムの職歴欄の基本的な書き方(例文)
パートタイムであることを明記して職歴欄に記載しましょう。
年 | 月 | 職歴 |
xxxx | xx | 〇〇株式会社 〇〇店 入社(パートタイム) |
xxxx | xx | 〇〇株式会社 〇〇店 退職 |
xxxx | xx | △△株式会社 ××店 入社(パートタイム) |
xxxx | xx | △△株式会社 ××店 退職 |
以上 |
2. 契約期間満了など退職理由を説明する職歴の書き方(例文)
契約期間満了の場合は「契約期間満了により退職」、そうではないタイミングでの退職の場合は「退職」のみ記載します。
ここでも、パートタイムで働いていたことを明記するようにしましょう。
年 | 月 | 職歴 |
xxxx | xx | 〇〇株式会社 〇〇店 入社(パートタイム) |
xxxx | xx | 〇〇株式会社 〇〇店 契約期間満了により退職 |
以上 |
3. 業務内容も添えた職歴の書き方(例文)
パートタイム勤務時に得た、応募先企業に活かせる職務経験、パートリーダー経験などがあれば記載しましょう。
履歴書では概要を書くだけで十分です。
詳細は職務経歴書で説明しましょう。
年 | 月 | 勤務先及び職務内容 |
xxxx | xx | 〇〇株式会社 〇〇店 入社(パートタイム) |
ホールスタッフとして従事 | ||
xxxx | xx | 〇〇株式会社 〇〇店 退職 |
xxxx | xx | △△株式会社 ××店 入社(パートタイム) |
販売スタッフのパートリーダーとして従事 | ||
xxxx | xx | △△株式会社 ××店 退職 |
以上 |
4. 派遣で働くなど、経験社数が多い場合の職歴の書き方(例文)
複数の派遣元・派遣先を経験した場合は、経歴は省略せず、学歴欄を最低限にして職歴欄を増やします。
一行に入社・退職をまとめるなど工夫し、数が多すぎて書ききれない場合はその旨を書いて職務経歴書に記載しましょう。
年 | 月 | 職歴 |
xxxx | xx | 株式会社○○○○(派遣元の会社名)に登録 |
株式会社△△(派遣先の会社名)にて一般事務として派遣(20XX年△月まで) | ||
株式会社○○(派遣先の会社名)にて営業事務として派遣(20XX年△月まで) | ||
xxxx | xx | 派遣期間満了につき退職 |
xxxx | xx | 株式会社●●●●(派遣元の会社名)に登録 |
株式会社▲▲(派遣先の会社名)にて経理事務として派遣(20XX年△月まで) | ||
xxxx | xx | 株式会社●●(派遣先の会社名)にて経理事務として派遣(20XX年△月まで) |
現在に至る | ||
以上 |
5. 複数のパート経験がある場合の職歴の書き方(例文)
同期時に複数の企業でのパートタイム勤務の経験がある場合も同様に、省略せずにすべて書くようにしましょう。
年 | 月 | 勤務先及び職務内容 |
xxxx | xx | ○○株式会社 入社(パートタイム) |
経理スタッフとして請求入金業務に従事 | ||
〇〇株式会社 契約期間満了により退職 | ||
xxxx | xx | 株式会社△△△△ 入社(パートタイム) |
現在に至る | ||
以上 |
6. ブランクがある場合の職歴の書き方(例文)
自己PR欄などに、ブランク期間に何をしていたか・どう過ごしていたかを補足して書きましょう。
【例文①】20XX年◯月~20XX年◯月は、育児のため主婦業に専念しておりました。
【例文②】20XX年◯月~20XX年◯月は、両親の介護で仕事を離れておりました。
7. 仕事経験が少ない場合の職歴の書き方(例文)
過去の仕事経験が少なくても、経験してきたパートの仕事内容を1~2行加えましょう。
具体的な数字などを入れ、職歴欄の空白行を減らせるといいでしょう。
年 | 月 | 職歴 |
xxxx | xx | ○○株式会社 入社(パートタイム) |
△△スーパーで販売スタッフとして接客を担当 | ||
教育担当として〇人のスタッフの育成を手掛ける | ||
xxxx | xx | ○○株式会社 退職 |
以上 |
②履歴書「志望動機」のパートタイムならではの書き方・ポイント・例文
現在パートタイムの方が、引き続きパートタイムの求人に応募する場合は、通勤のしやすさ、勤務スケジュールが合致する、働くことに充てられる時間が増えたなど、比較的「安定・継続して働ける」ことを伝えれば良いでしょう。
パートタイムから正社員へ転職したい場合は、「応募企業を選んだ理由→活かせる経験・スキル→入社後に実現したいこと」の順に伝えると、採用担当者に熱意が伝わる志望動機になるでしょう。
ここでは、パートタイムならではの履歴書「志望動機」の書き方を3パターンの例文で紹介します。
1. 業務「経験者」の志望動機例文 |
2. 業務「未経験者」の志望動機例文 |
3.「ブランクが長い」場合の志望動機例文 |
1. 業務「経験者」の志望動機(例文)
【例文:不動産会社事務 → 不動産会社事務】
地域密着で魅力的な再開発事業を手掛ける貴社に魅力を感じました。
前職で提案資料の作成などを手掛ける中で、不動産業界の専門性をより高めていきたいと考えるようになりました。
今後は、宅建を取得し、営業事務としてより頼れる存在になりたいと思っています。
2. 業務「未経験者」の志望動機(例文)
【例文:コールセンター → 事務】
社員、パート・アルバイトがチームを作り事業アイデアを出すなど、年齢や立場の垣根がない組織のあり方に惹かれています。
前職のコールセンターの仕事では、お客様の求めるニーズを先回りして対応してきました。また、複数の部署からの要望を同時並行で処理しており、事務職でもマルチタスクをこなす能力を生かせるのではないかと考えています。
コールセンターではリーダー職についていたので、将来的には事務部門でも後輩を育成できる立場になりたいです。
3.「ブランクが長い」場合の志望動機(例文)
【例文:機械メーカー営業→食品メーカー事務職】
子育てを通じて、生活や健康に関係の深い食に興味が高まり、オーガニック素材を中心に製品づくりをしている貴社に興味を持ちました。
2年間のブランクがありますが、MOS取得、秘書検定3級などできるだけビジネス感覚を無くさないようにしています。事務経験はありませんが、営業経験が5年あり、社内外の交渉調整、ビジネス文書の作成などすぐにキャッチアップできると考えています。
まずは早期に業務を覚え、事務職のエキスパートになりたいです。
③履歴書「自己PR」のパートタイムならではの書き方・ポイント・例文
自己PRは、「書き出し→エピソード→成果→締め」の流れで構成すると、企業の採用担当者への説得力が増します。
ここでは、パートタイムならではの履歴書「自己PR」の書き方を3パターンの例文で紹介します。
1. 業務「経験者」の自己PR例文 |
2. 業務「未経験者」の自己PR例文 |
3.「ブランクが長い」場合の自己PR例文 |
1. 業務「経験者」の自己PR(例文)
【例文:パート・経理事務→正社員・経理事務】
責任感の強さが私の持ち味です。
前職ではパートタイムで経理事務職に就き、スキルアップを目指して簿記2級を取得しました。また、経理作業の生産性を高めるチームに手を挙げてサポートで入り、年間の残業時間◯%削減に貢献しました。
経理事務の知識と経験を活かしつつ、担当業務に対して成果にコミットして取り組みたいと考えています。
2. 業務「未経験者」の自己PR(例文)
【例文:パート・コールセンター→正社員・事務】
私の強みは、協調性の高さです。
コールセンターでは、10名前後のチームのサブリーダーを務めました。早期離職するメンバーも多くいましたが、チームワークを高めるために情報共有MTGなどを設け、協調性を意識してもらう取り組みを続けました。その結果、1年間でチームメンバーの離職率が◯%から◯%に減少しました。
貴社においても、チームとして目標に向かう意識を持ち、事業成長に貢献したいです。
3.「ブランクが長い」場合の自己PR(例文)
【例文:パート・広報アシスタント→正社員・事務】
コミュニケーション力が強みです。
3年のブランクはありますが、前職のパート勤務では広報アシスタントを5年担当しました。その経験を活かして、離職後は2年間、地域のコミュニティセンターでの広報やイベント企画・運営のボランティア活動に従事。年代や性別など多様な地域住民に喜ばれるセンター運営を行いました。企画したイベントの集客では昨対比◯%の参加を実現しました。
貴社でも、様々な関係部署とのコミュニケーションを円滑にとり、組織を下支えする役割を担っていきたいです。
④履歴書「本人希望欄」のパートタイムならではの書き方・ポイント
正社員への応募では、「本人希望欄」に記載された希望条件が多く、その理由が不明確な場合は、「入社後も要望だけ多い人なのではないか…」と企業に懸念される可能性があります。
譲れない条件がある場合は、理由も添えるようにしましょう。
ここでは、パートタイムから転職でよくある「本人希望」の書き方を4パターンの例文で紹介します。
1. 基本的な書き方 | 2. 勤務時間に制限がある場合の書き方 |
3. リモートワークを希望する場合の書き方 | 4.希望職種や希望勤務地がある場合の書き方 |
1. 基本的な書き方(例文)
正社員への応募では、パートタイム勤務への応募時とは異なり、希望時間帯や曜日、日数、勤務地・店舗・事務所、通勤方法などは、基本的に書きません。
働く上で必須の希望条件が特にない場合は、その旨を書きましょう。
【例文】勤務条件は貴社既定に従います。
2. 勤務時間に制限がある場合(例文)
勤務時間に出勤が難しいことがわかっている場合は、背景と頻度や時間などを書いておきましょう。
【例文】保育園の送迎のために、基本的には17時退社を希望します。
3. リモートワークを希望する場合(例文)
リモートワークを希望する場合は、理由と頻度を明記しましょう。
【例文】保育園の送迎のため週に◯日程度のリモートワークを希望します。
4. 希望職種や希望勤務地がある場合(例文)
希望勤務地がある場合も、その背景をしっかり記します。
【例文】両親の介護があるため、現住所からの通勤時間が1時間以内の勤務地を希望します。
履歴書の基本的な書き方ルール
履歴書の書き方として基本ルールを解説します。
履歴書の書き方ルール1. 設置された項目は全て記入する
履歴書の項目はすべて記載し、空欄がないようにします。
資格欄や本人希望欄などに記入することがない場合は、「特になし」「貴社の規定に従います」と記載し、記入漏れではないことを明らかにしましょう。
履歴書の書き方ルール2. 略称は使わずに正式名称で記載する
学校名や企業名、資格名などは省略せず、正しい名称を記載しましょう。
履歴書の書き方ルール3. 年号は和暦か西暦で統一する
日付、経歴、資格などの欄に入れる年月は、履歴書全体で、西暦・和暦のどちらかに統一しましょう。
年度の確認には、入学・卒業年度計算ツールを使うと便利です。
履歴書の書き方ルール4. パソコンでも手書きでもOK
履歴書で重要なのは、記載内容と読みやすさです。
手書きの場合は、読みやすい丁寧な字を、パソコンの場合も読みやすい文字の大きさになるよう調整しましょう。
履歴書テンプレート(フォーマット)のダウンロード
履歴書は、テンプレートをダウンロードして作成すると効率的です(詳しい書き方は履歴書の書き方をご参照ください)。
なお、履歴書の形式に迷った場合は、厚生労働省が発表した履歴書テンプレートを使うことをオススメします。

履歴書フォーマットのダウンロードは、「履歴書テンプレート・職務経歴書フォーマットの無料ダウンロード(Excel・Word・PDF)と見本」を参照ください。
※厚生労働省様式について ・厚生労働省「新たな履歴書の様式例の作成について」を元に作成しています。 ・性別欄が任意記載欄になっているので、未記載とすることも可能です。 ・「通勤時間」「扶養家族数」「配偶者」「配偶者の扶養義務」については項目がないので記入する必要がありません。 |
パートタイムから正社員への転職方法
パートタイムから正社員への転職を目指す際は、どのような点に注意して転職活動を進めるといいのでしょうか。
正社員として転職を成功させるための4つのポイントを解説します。
1. 応募する企業を絞り込みすぎない
選択肢を広げるために、希望条件をmust/wantで整理しましょう。
まずは、働く上で譲れないmust条件だけで探し、最初から企業を絞りすぎずに幅広く見てみるといいでしょう。
2. 人手不足で未経験者の採用率が高い業界を検討してみる
パートタイムで培った経験・スキルは活かせるものの、正社員となると採用条件も上がっていきます。
そこで、未経験者が活躍できそうな求人として、転職サイト上で「業界・職種未経験歓迎」「ブランクOK」「社会人未経験歓迎」「フリーターから正社員を目指す」といった検索タグで調べて、該当する企業にアプローチするのもいいでしょう。
3. 地方企業への応募を検討してみる
地方には、人材獲得に頭を悩ませている企業も少なくありません。
そこで、事業を拡大している地方企業や本社を地方に移転した企業で、「リモートワーク可」の求人に応募するという方法もあります。
各地に支店がある企業も含め、選択肢に入れて活動するのもいいでしょう。
4. 転職エージェントを利用してみる
どんな業界や企業であればパートタイムの経験を活かして働けるのか、第三者の意見を聞きながら活動するのもおすすめです。
転職エージェントを利用することで、正社員としての勤務経験がない人も積極募集中の企業を紹介してもらえるかもしれません。
パート履歴書についてよくある質問
Q. 履歴書にパートの職歴はどこまで書けばいい?
正社員や契約社員の求人に応募する場合は、基本的にパート・アルバイトの経歴は記載する必要はありません。
ただし、正社員・契約社員として働いた経験がない、または就業期間が短い場合は、パート・アルバイトの経歴・経験も記載することでアピールにつなげることができます。
なお、正社員・契約社員の経験がある際も、応募職種にマッチする経験としてパート・アルバイト経験がある場合は、書いても良いでしょう。
Q. アルバイトやパートでも、職歴欄に「入社」と書いていい?
「入社」と書いて問題ありません。
ただし、「パートであること」が応募企業にわかるように「入社(パートタイム)」や「パートタイムとして入社」などの追記をする必要があります。
Q. 短い職歴は書かなくてもいい?省略したことが発覚したらどうなる?
原則として、正社員・契約社員として働いた場合は短い期間であっても、すべて記載しましょう。
履歴書や職務経歴書に記載せず経歴を省略したことが判明した場合は、信頼関係が損なわれたり、経歴詐称とみなされて解雇されたりする可能性もあります。
職歴が多くて書ききれない場合は、1つの会社の経歴を一行にまとめる、職歴欄が大きい履歴書を使う、履歴書に「以降の経歴詳細は職務経歴書をご参照ください」などの断り書きをして職務経歴書に全経歴を記載する、などの対応をしましょう。
なお、社員としての雇用ではなく、アルバイトやパートの場合は、記載しなくても問題ありません。
Q. パート・アルバイト用の履歴書で正社員採用に応募するのは失礼?
パート・アルバイト用の履歴書は、正社員採用の履歴書とは異なり、職歴欄が小さく、シフト希望欄があります。
正社員の求人への応募に使うと、企業側に「パート採用と誤解しているのだろうか」と懸念されかねません。志望意欲や応募企業への熱意、真剣さが伝わらない可能性もあります。
また、職歴欄、志望動機、自己PRなど正社員採用に向けてアピールできる機会を減らしてしまうので、正社員採用に応募する際は、厚生労働省の履歴書などを用いることをオススメします。
Q. 履歴書に書かない方がいいパート職歴はある?
例えば応募職種に無関係なパート経験や、1日や数日単位のパート・アルバイト勤務経験などは、履歴書にあえて書く必要はありません。
無関係な職歴をたくさん書くと、採用担当者が履歴書を読みづらくなります。キャリアの一貫性などに懸念を持たれてしまう可能性もあるでしょう。
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