【転職後】期待していた働き方とはズレを感じた時の対処法
転職後に、自分が期待する働き方とはズレを感じてしまった時はどう対処すれば良いのでしょう。
どのようなことにズレを感じやすく、そのズレを前もって小さくすることはできないのか…などを組織人事コンサルタントの粟野さんにアドバイスをいただきました。
目次
転職後に期待していた働き方とのズレを感じたら、再転職したほうがいい?
書類準備や面接対策など、懸命に転職活動をして、やっとの思いで希望企業に入社した後に、期待していた働き方とは違うと感じてしまうと落胆も大きいでしょう。
「こんなはずじゃなかった…」と感じ、「やっぱり違う会社の方が自分には合っているかもしれない」と、再転職を考える人は少なくありません。
しかし、転職後に期待とのズレを感じることは、珍しいことではありません。
大なり小なり、誰もが抱える問題と言っても差し支えないでしょう。安易に再転職を図るのではなく、「転職にギャップはつきものだ」「全て自分が期待したようにはいかないものだ」と、理解しておくことが大切です。
再転職は悪いことではありませんが、どこに行っても不満を感じて短期間で転職を繰り返してしまうのは危険。
キャリアが積み重ならず、将来的には行き詰まりを感じてしまうこともあります。辛くて辞めたい…と感じた時こそ、転職の目的を振り返り、少し様子を見てみることをオススメします。
例えば、「とりあえず○ヶ月は頑張ってみよう」などと、期間を決めてみるのも良いでしょう。
転職後に感じやすい「自分が期待したこととのズレ」にはどんなことがある?
「転職にギャップはつきものだ」と紹介しましたが、具体的にはどんなギャップがあるのかを見ていきましょう。
転職後に、自分が期待したこととのズレを感じやすい内容として、主に以下の4つのが挙げられます。
- 人間関係:もっと職場の人とうまくやれると思っていたのに馴染めない
- 仕事内容:期待していた仕事内容と違う、やりがいを感じない
- 成果の実感:思ったほど活躍できない
- キャリアの展望:自分のやりたい仕事ができない
転職後には、上司や同僚と円満な関係を築き、やりがいを持って働き、成果を出して活躍して、やりたい仕事をしていきたいと思う人は多いでしょう。
転職後の働き方に希望を抱くのは当然のこと。特に、「人間関係」「仕事内容」「成果の実感」「キャリアの展望」の4つは、転職によって良い変化を期待する人が多いため、その分「思っていたのとは違った…」という落胆も生みやすくなっています。
4項目の中でも、特に自分が期待する転職後の働き方とのズレが起きやすいのは「キャリアの展望」です。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズが実施したアンケート調査でも、職種別に「転職後の適応感」を①職場の人とうまくやれていると感じるか(人間関係)、②現在の仕事にやりがいを感じるか(仕事内容)、③会社が期待する成果を出せていると感じるか(成果の実感)、④現在の会社で、自分のやりたい仕事ができそうだと感じるか(キャリアの展望)の4つの観点で質問したところ、全ての職種において「キャリアの展望」が低いという結果が出ました。
引用:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「中途採用者の適応に関する実態調査報告」より
(各項目に対して職種別に、「1:まったくあてはまらない、2:あてはまらな い、3:どちらかといえばあてはまらな い、4:どちらかといえばあてはまる、5: あてはまる、6:とてもあてはまる」の6 段階で回答を求めた。グラフの数値は平均値となる。)
自分が期待する働き方とはズレを感じた時こそ、仕事で成果を出すことに注力をしよう
環境が変わり、人間関係も変わったことで、新しい職場での仕事の進め方に慣れるのに時間がかかると、「こんな仕事に取り組みたい」と転職活動でアピールをしていた内容をすぐに実現できないことは珍しくありません。
また、採用担当者から強く勧誘されていたのに、実際に入社してみると上司も同僚も淡々としていてギャップを感じるということもあるでしょう。
中には、マネージャー候補として採用するという話だったのに、入社してみるとそういう話はなくなっていた…なんてこともあるかもしれません。
自分の期待とのズレを感じやすい社内キャリアについては、内定承諾前に、上司や同僚との面談を何回も設定されて口説かれたり、交渉によって年収を上げてもらったりといった経験をしていると、「入社後の社内キャリアも期待できる」と思うかもしれません。
しかし、こう言った特別対応はいつまでも続くものではありません。入社後のキャリアは、成果を出すことによって拓けていくのです。
自分が期待する働き方とはズレを感じた時こそ、仕事で成果を出すことを心がけましょう。
新しい職場に慣れ、既存社員と比べても遜色なく成果を出せるようになると、社内キャリアの展望も回復してくると考えられます。
さらに、成果が出れば、達成感や充実感を感じ、仕事にやりがいも感じられるようになります。周囲に認められ人間関係もスムーズになるかもしれません。
入社直後には期待とズレを感じ、不満を抱えていたとしても、仕事に真摯に取り組み、成果を出すことでその不満は徐々に解消していき、新しい環境にも適応できるようになるでしょう。
新しい環境に適応するためにはどうすると良い?
自分が期待する働き方とのズレを感じている時は、新しい環境に適応できていない時でもあります。では、どのようにすれば、新しい会社に適応して、馴染むことができるのでしょうか。
前述した株式会社リクルートマネジメントソリューションズの調査では、新しい会社に適応するために、実際に転職者がしていた工夫として以下のようなことがあげられました。
■人間関係の工夫
- 仕事の範囲を超えた関係づくりを意識
- 自分から積極的にコミュニケーションをとる
- わからないことは周囲に聞く
- 社内の人脈づくりを心がける
- 社内イベントへの参加
■課題(仕事の成果、知識の習得、情報収集)に対する工夫
- どんな仕事でも進んで引き受けた
- 信頼を得られるように、与えられた仕事は期待以上の成果を出すように努めた
- 仕事に関するスキルアップを図って勉強した
- 社内のイントラネットで職場内の各種情報を入手した
■スタンス面での工夫
- 年齢に関係なく教えていただく謙虚な気持ちを持つ
- 常に礼儀正しくあいさつをする
- 笑顔で人当たり良く接する
- 周りとの調和を大切にする
引用:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「中途採用者の適応に関する実態調査報告」より
このように自分なりに会社に適応しようと励むことは、周囲があなたを見る目が変わるきっかけにもなります。
「この人は努力しているな」「会社や仕事について理解しようとしているな」と思ってもらえると、仲間として受け入れてもらいやすくなります。仲間意識を互いに持つことで、仕事を進めやすくなり、仕事の成果も出しやすくなるでしょう。
転職後に感じる「期待する働き方とのズレ」を小さくするために、転職活動中にできること
転職後に全くギャップがない状態を作るのは難しいかもしれませんが、そのズレを小さくすることはできます。
内定承諾をする前に、自分がその企業でどんな風に働くのか、そこで活躍できそうかどうかなどを考える時間を持ちましょう。
採用担当者にお願いをして、配属予定先の上司や同僚と面談を設定してもらうのも一つの手です。面談では、想定している仕事の進め方や、成果を出すために必要なこと、会社として大切にしていることなどを聞くことで、より具体的に働くイメージをつけることができるでしょう。
特に、成果を出すために必要なことを聞くことで、会社のWebサイトや求人情報には掲載されていないカルチャーを知ることができるかもしれません。
例えば、アットホームに見えていた会社が「個々人が高い目標を掲げてやり切ることを重視している」かもしれませんし、腰を据えて物事に取り組めそうに見えていた会社が「仕事の基本はスピード感!」と、イメージとは全く違った…なんて可能性もあるのです。
転職後に成果を出すために必要なことは、スキルや経験だけではありません。
その会社が大事にしていることを自分も大切にできそうか、今いるメンバーの仲間として一緒に仕事に取り組めそうかといったことも含めて、働くイメージをつけてみましょう。
もしも「なんとなく合わないかも」と思った時には、その直感を無視しないことが大切です。
どうして違和感を覚えるのか、それは転職の優先順位と照らし合わせてみて許容できることなのか、できないことなのかを改めて考えてから、入社を決めましょう。
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転職後は、「思っていたのと違う…」と期待とのズレが生じるように、何かと不安や心配が尽きないもの。
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・転職後、慣れるまでにかかる期間と「早く馴染むために」できること【転職相談室】
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