仕事のやり方が合わない上司のことが嫌いで、転職しようかと悩んでいます【転職相談室】
いつも感覚的に仕事を振ってくる上司に振り回され、「上司が嫌い」と不満を抱えているHさん。
「もうやっていけないので、転職を考えたい」と言いますが、その前にできることはあるのでしょうか。
組織人事コンサルタントの粟野友樹さんがお答えします。
目次
上司が嫌いです。転職を考えるのもアリでしょうか?(Tさん/営業/20代/女性)

新卒で入社した専門商社で3年間、新規営業を経験してきました。
4年目に、大型顧客を担当する新しい部署に配属され、より大きな目標数字を持つようになりました。
お客様との信頼関係も少しずつ築けており、やりがいを感じています。ただ、大きな悩みは今の上司の存在です。
私は、1週間ごとに営業活動の計画を立て、一つひとつに「何のために必要なのか」と自分なりの根拠を持って動いています。
もともと論理立てて考えるのが好きな性格なのですが、上司は正反対の性格です。
唐突に「あのお客様にこんな提案をしてみよう」と新たな仕事を発生させたり、翌日には全く違う意見を言い出したり、現場の状況を見ずに営業キャンペーン施策を推し進めたりすることもあります。
上司は感覚的に動く上に、自分の考えを押し付けてきて、部下に反論の余地を与えません。
最近は、振り回されて仕事をすることに嫌気がさしてきて「もうやっていけない」と思い始めています。
上司が嫌という理由で、転職を考えてもいいでしょうか。
「上司が嫌い」という理由だけで安易に転職するのはもったいないこと

仕事の計画が狂うのは、誰にとってもストレスですよね。
Hさんはとくに、きちんと論拠を持って動きたい方だと思うのでなおさらですね。
前の部署の上司は私と同じタイプでしたし、私を信頼して任せてくれる距離感があり、とてもやりやすかったのに…。


ただ、今の上司が嫌いだから、という理由だけで転職を決めるのはもったいないというのが正直な思いです。


やりがいを感じるといえる仕事ができているのは幸せなことです。
しかも、Hさんは4年目から大型顧客の担当部署に配属され、より大きな責任のあるポジションについています。
会社からも営業力を評価され、期待されているということではないでしょうか。
お客様と長期スパンで向き合える仕事は面白いので、だからこそ、上司のことを考えると「この不満さえなければいいのに…」と思ってしまうのです。


ただ、せっかく好きな仕事を担えているのですから、それが続けられるように、上司との付き合い方やとらえ方を変える工夫をしてもいいでしょう。
上司との人間関係に悩む人への4つのアドバイス

①上司と話し合い、相手の立場になって考えてみる


仕事の進め方についてHさんの考えを伝えた上で、上司が普段とっている行動の理由を聞いてみてはいかがでしょう。
すると、上司なりの考えが見えてくるかもしれません。
例えば、Hさんには突発的に感じた「あのお客様にこんな提案をしてみよう」という上司の発言ですが、もしかしたら、Hさんの計画通りに進める仕事の仕方に対して、あえて違うやり方を提案して、もっと柔軟な考えやアイデアを引き出そうと考えたのかもしれないですよね。
また、これは私の推測にはなりますが、もしかしたら現場の状況を見ずに営業キャンペーン施策を推し進めたのも、営業戦略部など他部署の指令が上司に突然降りてきて、立場上やるしかない状況だったのかもしれません。
仮にそうだったとしても、考えが現場に伝わっていないのは上司の説明不足、コミュニケーション不足ではないかと思ってしまうんです。


難しいかもしれませんが、面談の場で、「私にはこう伝わっています」「指示をいただくときは背景も合わせてご説明いただけないでしょうか」と伝えられると、上司も今後はそのように意識してくれるかもしれません。
②会社・上司から求められていることを確認する

そもそも、部署異動の背景や意図について、上司と話したことはありますか?
なんとなく、「3年間の営業成績が評価されたのかな」と思っていた程度です。


もしかしたら、前の部署の上司から「Hさんは営業としてこんな強みがある。一方、ここが弱いからサポートが必要」などと申し送りされている可能性もあるでしょう。
どこまで個人に開示されるは分かりませんが、どんなパフォーマンスを期待されているかを知ることで、今の自分の改善点が見えてくるかもしれません。
成果の部分で、上司を納得させられていないところがあるかもしれないですね。


そして、マネジメント職にいる上司だからこその考え方が見えてくれば、上司への感情に少し変化が生まれるかもしれません。
③仕事の成果を出して認めてもらう



部下の成果が出なければ、上司としても「実績を出した自分のやり方をメンバーに提案してみよう」と考えるでしょう。
上司とは正反対の営業スタイルできちんと数字を残すことができれば、上司のHさんへの見方が変わり、仕事もしやすくなるのではないでしょうか。
③周りのサポートを得て、社内異動のチャンスを相談する


「仕事の指示があまりにも突発的で困る」といった事態も、メールの文面などと合わせて相談すると、現場をよく知らない人事や本部長クラスの方でも客観的に判断しやすくなります。
人間関係の悩みは、心身に支障をきたすほどのストレスになるケースもあります。
努力はしたものの、どうしても状況が改善されない場合は、社内異動のチャンスなども早急に検討してもらいましょう。
上司ばかりに執着するのではなく、周りのサポートを得られるよう動いてみるのも問題解決のための一歩になります。
人間関係を理由に転職したい人が知っておきたいこと
いろいろ試してみたいと思いますが、どうしても人間関係を理由にまた転職を考えたときは、何に注意して動くといいでしょうか。

どの職場でも理解してくれない同僚・上司がいる可能性はある

どこに行っても、仕事のやり方・考え方が合わない同僚や先輩、上司はきっといるでしょう。
だからこそ、どこに行ってもお互いにコミュニケーションをとり合って、理解を深めるための行動が必要になるわけです。
人間関係に不満を覚えたときは、自分の意見を押し付けるのではなく、相手目線ではどうだろう、と考えられるようにしたいです。

面接では、上司になる人に評価ポイントなどを確認しよう

そういう心がけを持った上で、人間関係がよりよい環境を求めて転職するのでしたら、面接など選考プロセスの中で、上司になる方の評価ポイントや大事にしていることなどを確認しましょう。


あるいは、Hさん自身の考え方として、「私は数字できちんと納得して仕事をしていきたいのですが、御社ではいかがでしょうか」と伝えてみて、カルチャーフィットを確認するのも一つの方法です。
まずは、「上司が嫌い」と頑なに思っていた理由を冷静に考えてみて、面談の時間を設けてもらうよう動いてみたいと思います。

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