部下のミスで怒られ仕事が辛い。転職を考えるのは甘いですか?【転職相談室】
マネジメントをする立場になると、今までと求められる役割が変わってきます。
部下のミスで怒られることが多く、仕事が辛いので転職をしたいというご相談に、キャリア形成のプロフェッショナルとして、組織人事コンサルティングSegurosの粟野氏がお答えします。
部下のミスで怒られ仕事が辛い。転職を考えるのは甘いですか?(Tさん/29歳/女性/IT企業・プロジェクトマネージャー)

大手IT企業に新卒で入社して6年目になります。最近、プロジェクトマネージャーになり、責任が大きくなりました。
開発チームは私を入れて4名で、全員後輩ですが、メンバーのミスでお客様から怒られることが増え、謝ってばかりの日が続いています。
エンジニアとして働いていたころは、開発の達成感があり、やりがいがあったのですが、この数ヶ月は仕事が辛いばかりで、転職を考えています。こういう理由で転職を考えるのは甘いのでしょうか。
仕事が辛いと感じるのは甘えではない

まず、仕事が辛いから転職するという考えは、必ずしも「甘え」というわけではありません。ただ、辛い状況を受け入れて、なぜそう感じるのか、原因を分析して、適切な対処をしていくことが大切です。
そのうえで、対処法の一つが転職ということも、もちろんあるでしょう。
転職した人の主な理由には、職場の人間関係が好ましくないため、労働条件が悪いため、というものが上位にきます。
【転職者が前職を辞めた理由】
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
男性 | 労働条件が悪い (労働時間・休日) |
人間関係 | 収入が少ない | 会社の将来性不安 | 能力・個性・資格をいかせない |
女性 | 人間関係 | 労働条件が悪い (労働時間・休日) |
収入が少ない | 仕事の内容に興味を持てなかった | 会社の将来性不安 |
※厚生労働省 2019年(令和元年)雇用動向調査結果より(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/20-2/dl/kekka_gaiyo-04.pdf)
※会社都合、定年・契約期間の満了、出向等を含むその他の理由を除いた順位
顧客へのヒアリングが甘いため要件定義が詰め切れず、手戻りが発生したり、基本的なソースのバージョン管理ができておらず、リリース後に不具合が生じたりなど、普通だったらやるべきことができておらず、不具合が生じています。
後輩たちが、作業を簡略化したがる傾向があり、その結果、お客様にご迷惑をかけているため、本当に辛いです。


言われなくてもやるべきことを、やっていないようです。
障害原因を調べていくうちに、私だったら考えられないようなところでミスが出ているので、驚くことばかりです。
こんなことなら、自分自身がエンジニアに戻りたいと考えたり、職場を変えれば同じレベルで仕事をできる人がいるのかもしれないと、転職を考えたりしています。


だからこそ、エンジニアとしてやるべきことが見えているTさんが、プロジェクトマネージャーを担っているのだとは思いますが、現状は後輩のミスのフォローばかりで、辛いですよね。
エンジニアに戻りたいということですが、自分で作業をするのは好きなのですね。
転職をするとしたら、どんなことを実現したいですか?
プロジェクトマネージャーの仕事であれば、自分自身どうすべきかが見えていないので、もっとスキルの高い人の元で勉強したいと思っています。


ほかの人に開発の基本的な考え方を伝え、技術を教えていくことは、あまり積極的ではないのでしょうか。
自分のやり方が完璧だと思っていないので、それを誰かに伝えるというよりは、もっと技術を学んでいきたいという想いがあります。
でも、当然のことができない後輩を見ていると、伝えるべきことはあるのかもしれません。

仕事の辛さを解消する方法

もちろん、その想いを優先して転職することも可能ですが、今の状態で転職をすると、辛さ、不満を理由に転職してしまうことになります。もう少し、自分で考え、改善を試みてから、前向きな理由で転職を考えてもよさそうです。
参考までに、現状に不満があったときの解決ステップをご紹介します。
STEP1:自分で改善できることを洗い出し、取り組む

現状、顧客に迷惑をかけてしまったメンバーのミスが目立っていますが、その背景に、プロジェクトマネージャーとしてやるべきことをやっていたのか、という振り返りをしてみましょう。
上司や部下からのフィードバックの機会もあるでしょうから、それらの意見を参考に、キャリアの目標設定を見直していきます。
その結果、プロジェクトマネージャーとして成長していくためには、考え方や行動の改善を求められることもあるでしょう。
一方で、プロジェクトマネージャーに求められるスキルは、自分に合わないということであれば、社内で別のキャリアパスを相談することも考えていきましょう。
STEP2:周りの人、組織のサポートを得るように動く

上司にもメンバー育成に協力してもらうことが可能でしょうし、顧客対応やプロジェクトマネジメントの支援をしてもらうこともできます。チーム編成の変更や部署異動など、人員配置を変えてもらうことを含めて相談してもいいでしょう。
STEP3:自分でも努力してみたが解決できないなら転職も一つの手段

ただ、きっかけが「今の仕事が辛い」であっても、転職活動の書類や面接で伝える「転職理由」としては不十分です。
転職をすることで実現したい、前向きな目標を整理して、自分のキャリアビジョンと結び付けていきましょう。
上司にマネジメントの相談をしたり、後輩がマネジメントに何を求めているのか考える余裕もなかった気がします。
改めて、上司にプロジェクトマネージャーのスタンスについて相談するとともに、チームで話合いの場を作り、コミュニケーション回数を増やしてみます。


あなたの「辛い」を解決するためだけに、企業は求人を出すわけではありません。
前向きな転職理由にするためにも、まずは目の前の課題解決から取り組んでいくとよいですよ。
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