誰もが陥りがちな自己PRワースト5の添削例
転職する際、書類選考という最初の段階で必要となる「履歴書」。その中でも、自分という人間を相手に理解してもらうための重要な項目が、「自己PR」だ。今回は多くの人が陥りがちな「ダメな自己PR」の具体例ワースト5と、その改善策を紹介したい。
目次
その1:ネガティブなことばかり書いてある
ダメな自己PR例
仕事が忙しくなり、また周りのメンバーの余裕がなくなってしまったため、私自身が担当しなければならない仕事が増え、達成感を味わえなくなったことが転職の理由です。
ワーストポイント
まず、自己PR欄に転職理由を書く必要があるのかを検討する必要あり。自己PR欄にはアピールできることを記載するのが大前提なので、ネガティブな転職理由であれば、入れない方が良いでしょう。アピールする中でどうしても必要な場合には、転職理由を周囲の環境のせいにしないように。ウチでも同じことを繰り返すのではと、人事を不安にさせてしまいます。
改善例
前職ではスタッフ管理や事務作業に時間をとられるあまり、私が求めるお客様と直接コミュニケーションを取る時間が少なくなってしまいました。そこで「コミュニケーションがしっかりとれる仕事」に就くことで、これまで培ってきた「お客様の要望を確実にキャッチした上で、ベストな提案ができるコミュニケーション力」を発揮し、貴社に貢献したいと考えております。
改善ポイント
- 前向きにまとめられる理由だけをピックアップしてみよう
- 忙しいことを理由にするのではなく、忙しさの結果どんな状況が生まれたのかをまとめることで、人事はあなたの退職に前向きな理由があったのだと理解してくれるでしょう。面接と違い、書類は一方通行。記入した内容の背景を「実は…」と説明することはできません。それを考慮すると、後ろ向きだと受け取られかねないことを記入すること自体が間違いと言えるでしょう。いくつかの理由が重なって退職を決意するのが普通でしょうから、転職理由は前向きにまとめられるものをチョイス して書くのが無難です。
その2 :文章が整理されていない
ダメな自己PR例
現在私はWeb関連ソフトウェア開発を担当するSEをしております。弊社の製品は親会社のブランドで市場に出るため、例えお客様から高く評価していただいてもそれは弊社ではなく、親会社に対して向けられるのが現状です。このように、お客様の役に立っている実感が乏しい現職にむなしさを感じ、人の役に立つ仕事、特に以前から興味があった医療に関わる仕事に就きたいと考えるようになりました。MRは、自社製品についての正しい知識を医療関係者にご理解いただくことを通して、地域の医療に貢献し、地域の人々に幸せをもたらすことのできる仕事だと考えています。充実した研修によって一人前のMRに育て上げるカリキュラムの整った貴社であれば、MRとしてのキャリアを着実に積んでいけるのでは、と考え応募いたしました。
ワーストポイント
自己PRに志望動機や職務内容への希望が混在しています。あまりに整理されていない書類だと、内容以前に人事も読む気がなくなってしまいます。
改善例
ついつい仕事に熱中してしまうタイプの私は、勤務中だけでなく休日も製品開発に役立ちそうな情報収集に余念がありませんでしたので、同僚からもまじめで、責任感の強い性格だと言われました。この責任感は、薬剤という人の命に関わるものを扱うMRの仕事にも必要な要素だと思います。
またどんな忙しい時でもコミュニケーションを重視し、良好な人間関係を維持できました。このコミュニケーション能力は、お客様と接する機会が多いMRの仕事でも活かせると思います。
改善ポイント
- アピールポイントだけを簡潔に記載しよう
- 自己PR欄では「自分に何ができるのか」というアピールポイントだけに絞り込んだ上で、簡潔にまとめましょう。またその際には、前職での具体的なエピソードなどを交えるとなおよいでしょう。
その3 :ひと言しか書いていない
ダメな自己PR例
今までの経験を活かして、ユーザーのニーズに的確にこたえられるような仕事に就きたいと思います。
ワーストポイント
「今までの経験」とは何なのか、具体的にどういう職種に就きたいのか、説明不足です。また動機の部分も不明瞭で、あいまいな表現では相手に伝わりません。
改善例
不動産賃貸の営業職に従事した5年間で、どんな方とも肩書きや年齢に関係なく、丁寧なお付き合いができるようになりました。一方で難しい意見を出し合う家主さん、借主さんと応対しているうち、営業する商品を自分で作成できないもどかしさを感じることも多く、もっと商品作りの段階から深く関わる仕事はないかと考えるようになりました。
そんなとき、毎日何気なく使用していた空室情報のネットワークシステムは、どのように他の店舗と情報のやり取りをしているのだろうと、その仕組みに興味を持つようになりました。
そこでお客様一人ひとりのニーズに丁寧に応対してきた経験を活かして、ユーザーのニーズを的確に拾い上げることのできるネットワークエンジニアになることを目指し、サーバの勉強などをしつつ、少しでも知識を増やすためにソフトウェアテストの仕事をしています。
改善ポイント
- 知りたいのは実際の仕事内容、抽象的な表現は避けよう
- 理由もなくいきなり、エンジニアになろう!と思いついたわけではないはず。いつ、なぜ、その仕事をやりたいと考えたのか、具体的に説明することでエピソードに“肉付け”をしましょう。
人事が知りたいのは、職種名や役職名ではなく「仕事の中身」。前職でのエピソードを交え、まとめていくのが正解です。
その4:「受け身」的な表現が多い
ダメな自己PR例
MRの基礎知識はもちろん、プロジェクトマネジメントについても教えていただきたいと思います。
ワーストポイント
「教えていただきたい」という表現が、自分に自信がなく他人を頼りにしているイメージを与えてしまいます。
改善例
医薬品の知識を身につけ、お客様との信頼関係を築いていくことに加え、プロジェクトマネジメントについてもどん欲に勉強して、身につけていきたいと思います。
改善ポイント
- 自発的にスキルアップしようとする意思を示そう
- 仕事内容を十分研究し、土台として身につけたいことを具体的に記入した上で、自発的に勉強する意思を示せば、自信を持って取り組んでいこうとする姿勢をアピールできるでしょう。
その5:熱意ばかりで裏付けがない
ダメな自己PR例
営業のサポート役として顧客トラブルの処理窓口を担当していました。貴社の業務でも必ず、この経験を活かすことができるはずです。
ワーストポイント
顧客トラブル対応の窓口となったことで、なぜ営業と信頼関係を築けたのかがわかりません。そのプロセスが人事にもわかるように記入しましょう。
改善例
顧客トラブルの窓口になった際、普段から営業の顧客情報を把握しており、小さなトラブルは自分で処理、大きなものは上司に報告。このように自分で判断した結果、営業との信頼関係を築けました。このようにして培った「信頼構築力」は、貴社の業務で活かせると自負しております。
改善ポイント
- 共通性のある経験を裏付けにしてみよう
- トラブル対応の際に何を心がけていたのか、どんな結果を残したのか、例を挙げて説明すれば、あなたが新しい職場でどのように働いてくれるのか、人事もイメージしやすくなります。
過去の仕事内容と、志望する仕事内容の共通性のある経験を拾ってアピールすればいいのです。例えば「営業で身につけたコミュニケーション能力は、接客業でも武器になる」など、なるべく具体的に伝えるのがポイント。
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今回の記事は過去に実施した企業の人事・採用担当者へのアンケート結果を参考に、現状を踏まえ記事内容を再構成しています。
有効回答数:企業25社作成日:2010年9月29日
EDIT&WRITING:山田モーキン ILLUST:内山弘隆
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