履歴書の職歴欄の正しい書き方とケース別の書き方見本

転職するときは、応募書類として履歴書と職務経歴書の提出を求められるのが一般的です。ここでは履歴書の職歴欄について、書き方をご紹介します。
中途採用の場合、職歴は職務経歴書で詳しく記載するため、履歴書の職歴欄は簡潔に記載すると見やすくまとまります。これまでの入退社の履歴が分かるように記載しましょう。
履歴書の職歴欄の見本と基本的な書き方

・西暦か和暦のどちらかに統一し時系列で書く ・会社名や部署名は略さず正式名称で書く ・在籍していた会社はすべて書く ・在職中の場合は「現在に至る」、在職中でも退職する予定がある場合は「退職予定」と書く ・職歴の最後に右寄せで「以上」と書く |
ケース別の職歴欄の書き方見本
アルバイトやパート、派遣社員や家業手伝いなど様々な雇用形態や、育児や療養などでブランクのある方など、さまざまなケースの職歴欄の書き方見本をご紹介します。
経験・スキルをアピールしたい場合の書き方見本
応募する仕事に活かせる経験・スキルを持っている場合は、職歴欄に社名だけでなく具体的な業務内容を書くという方法もあります。詳細は職務経歴書に記載するため、履歴書の職歴欄は簡潔にまとめるようにしましょう。
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
20XX | X | 株式会社○○○ 入社 |
××営業部に配属 新規開拓営業に従事 | ||
20XX | X | 一身上の都合により退職 |
退職予定がある場合の書き方見本
すでに退職を予定している場合は、「退職予定」と記載します。退職予定日が決まっている場合は、日付も書いておくと丁寧です。
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
20XX | X | 株式会社○○○ 入社 |
××営業部に配属 新規開拓営業に従事 | ||
現在に至る (20XX年X月X日 退職予定) |
アルバイトやパート経験がある場合の書き方見本
アルバイトやパートタイムの経験は、中途採用の場合は原則として記載しませんが、職歴が少なくアピールしたい場合は記載します。アルバイト・パート経験しかない場合は、空白期間ではないことを伝えるために、就労経験を職歴欄に記載しておきましょう。
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
20XX | X | 〇〇株式会社 〇〇店 入社(アルバイト) |
20XX | X | 〇〇株式会社 〇〇店 契約期間満了により退職 |
派遣社員の経験がある場合の書き方見本
派遣社員として働いていた場合は、履歴書には派遣会社と派遣先を記入し、具体的な仕事内容は職務経歴書に書くようにします。派遣先が少なく、業務経験をアピールしたい場合や、募集職種と関連性のある業務経験がある場合は、「〇〇会社で△△業務を担当」など、具体的に記載しても良いでしょう。
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
20XX | X | 〇〇株式会社(派遣元)に登録 |
20XX | X | XX株式会社(派遣先)にて派遣社員として就業 |
経理部にて請求・入金業務や月次決算に従事 | ||
20XX | X | 契約期間満了によりXX株式会社を退職 |
ブランクがある場合(育休・療養)の書き方見本
職歴に長い空白期間(ブランク)がある場合、面接の際に理由を問われる可能性があります。履歴書の職歴欄では、育児休業や療養によるブランクについては下記のように記載しておきましょう。
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
20XX | X | 〇〇株式会社 入社 |
20XX | X | 第一子出産、育児休業取得中 |
現在に至る |
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
20XX | X | 〇〇株式会社 入社 |
20XX | X | 病気療養のため退職 |
現在は回復し、業務に支障はありません |
自営業や個人事業主、家業手伝いから転職する場合の書き方見本
自ら会社を経営していた場合は、社名を記載した上で、「設立」と書きます。会社をたたんだ場合は「解散」と書きます。
個人事業主(フリーランス含む)として起業した場合は、屋号を使っていた場合は屋号を記載した上で「開業」と書きます。個人事業をやめた場合は「廃業」と記載します。会社に勤務していた場合と同様に、事業内容も添えましょう。
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
20XX | X | 〇〇株式会社 開業 |
業務システムの開発・保守・運用を受託 | ||
20XX | X | 〇〇株式会社 解散 |
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
20XX | X | 〇〇〇 開業 |
業務システムの開発・保守・運用を受託 | ||
20XX | X | 〇〇〇 廃業 |
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
20XX | X | 家業である〇〇〇業に従事 |
事務・経理・問い合わせ対応を行う | ||
20XX | X | 一身上の都合により退職 |
異動や昇進の経験がある場合の書き方見本
同じ会社で違う部署に異動した場合は、部署名と異動年月を記載します。昇進をした経験は、役職名や役割、メンバー数などを補足すると良いでしょう。
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
20XX | X | 〇〇株式会社 入社 |
名古屋営業部に配属 ○○の営業活動に従事 | ||
20XX | X | 九州支社に異動 マネジャーに昇進(メンバー数:X名) |
現在に至る |
出向・転籍の経験がある場合の書き方見本
グループ会社などに出向した場合は、出向先の社名を記載した上で「出向」と書きます。元の会社に戻った場合は、元の会社の社名を記載した上で「帰任」、転籍した場合は、転籍先の会社名を記載の上、「転籍」と記載します。
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
20XX | X | 〇〇株式会社 入社 |
名古屋営業部に配属 ○○の営業活動に従事 | ||
20XX | X | △△株式会社に出向 営業企画部に配属 |
20XX | X | 〇〇株式会社に帰任 営業本部に配属 |
20XX | X | 株式会社××に出向 事業企画部に配属 |
20XX | X | 株式会社××に転籍 |
現在に至る |
職歴が多く書ききれない場合の書き方見本
職歴が多く履歴書の学歴・職歴欄に書ききれない場合は、いくつかの対処法があります。詳しくは後述しますが、学歴・職歴欄のスペースが大きい履歴書のフォーマットを利用する、学歴の一部や配属先などを省略する、履歴書の職歴はまとめて書き、詳細は職務経歴書に記載するなどの方法が挙げられます。
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
20XX | X | 株式会社○○○ 入社 ××営業部に配属 |
20XX | X | 一身上の都合により退職 |
20XX | X | 株式会社△△ 入社 □□営業本部に配属 |
20XX | X | 一身上の都合により退職 |
20XX | X | ××株式会社 入社 仙台支社に配属 |
20XX | X | 一身上の都合により退職 |
現在に至る |
退職の理由を伝えたい場合の書き方見本
在籍期間が短い、短期間に複数の会社に転職しているといった経歴は、面接で採用担当者から理由を聞かれる可能性があります。やむを得ない事情があり退職した場合は、履歴書で退職理由を補足しておくのも一案です。
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
20XX | X | 株式会社○○○ 入社 |
××営業部に配属 新規開拓営業に従事 | ||
20XX | X | 家族の転勤に伴い退職 |
20XX | X | 株式会社△△ 入社 |
営業本部に配属 新規開拓営業に従事 | ||
20XX | X | 経営不振による事業撤退に伴い退職 |
現在に至る |
職歴が多くて履歴書に書ききれない場合の対処法
ここでは「職歴が多くて書ききれない」という方に向けて、限られた範囲でまとめるポイントをいくつかご紹介します。
対処法①:学歴の一部を省略する
小学校・中学校など義務教育の学歴は省略する方法があります。高等学校卒業以上の学歴を持っている場合は、高等学校入学から最終学歴の卒業歴までを記入することをおすすめします。
対処法②:1社の職歴は1行に収める
「○○株式会社 入社(20XX年X月 退職」という形で、1社の入社・退職を1行にまとめて書いても問題ありません。
対処法③:配属先と業務内容を省略する
履歴書の職歴欄では、配属先と業務内容の記載は必須ではありません。応募企業にアピールしたい内容でなければ、省略してもいいでしょう。
対処法④:詳細な職歴は職務経歴書に記載する
履歴書の職歴欄に収まり切らない場合は、職務経歴書に職歴の詳細を記載する前提で、履歴書には「20XX年X月~20XX年X月までX社を経験。詳細は職務経歴書に記載しております」など、期間と経験社数のみを書き添えると良いでしょう。
それ以外にも、「現在に至る」「以上」を同じ行に書いたり、学歴・職歴欄を広くとっている履歴書を使ったりと工夫してもいいでしょう。
ただ、社名が長すぎて一行以内に収まらない場合でも、株式会社を(株)などと省略しないこと。必ず正式な名称で書き、スペースが足りないときは、株式会社を小さめに書いて改行する方法もあります。