転職の決意が揺らぐようになって悩んでいます【転職相談室】
慣れ親しんだ環境から心機一転、新たな職場へ転職したい。
でも、転職はエネルギーがいるからこそ、「やっぱり現職に留まった方がいいかも…」と迷いが生じることもあるでしょう。
一度決めた転職の決意が揺らぐときは、どうすればいいのか…。組織人事コンサルタントの粟野友樹さんに聞きました。
一度は転職を決意したものの、最近決意が揺らぐようになってきて悩んでいます(Tさん/大手証券アナリスト/35歳/男性)

現在は、日系の証券会社で証券アナリストをしています。仕事は面白いものの、給料と評価面において不満があり、給料アップやキャリアアップを目指して、外資系証券会社への転職を考え始めました。
ただ、一度は決意を固めていたのですが、本格的に転職活動を始めた途端に、「会社に馴染めなかったらどうしよう」「転職後のミスマッチが怖い」などの理由で、気持ちが揺らぐように…。
仮に外資系へ転職をすれば給料は増えますが、業績が出なければ解雇のリスクもあり、今以上の激務やプレッシャーが予想されます。
それに、一から人間関係を築くのも、仕事を覚えるのも大変そうですし、年齢的にも転職失敗となればリスクが高いですよね。
このように、転職を迷ったときには、どう考えを整理すべきでしょうか。
転職の決意が揺らぐときの対処法
転職の決意が揺らぐときの対処法には、以下の4つが挙げられます。
①転職を決意した理由を整理しよう

転職は誰にとっても、不安であり怖いものです。
「職場の人や上司と合わなかったらどうしよう」「業務量やプレッシャーに押しつぶされて、思い通りの結果が出せなかったらどうしよう」など、不安を考るとキリがありません。
また、転職活動を始めたら改めて元の会社の良さに気づいた、という方も多く、Tさんのように、決意が揺らぐことは決して珍しいことではありません。


職場環境が変わるのはやはりストレスですし、人間関係や仕事の進め方に馴染むまでには、それなりのエネルギーが必要でしょう。
それを前提とした上で、転職を決意した理由について改めて整理してみましょう。
Tさんは、「年収アップ」「キャリアアップ」を目指したいと言っていますが、現職で年収アップを目指すのではなく、転職にこだわる理由は何なのか?
Tさんを突き動かす強い動機や不満について、一度すべて本音で書き出してみてはいかがでしょう。
そんな経験から、「もっと個人単位で評価してほしい」、という強い思いがあるのかもしれません。


②転職することのメリット・デメリットを書き出す
でも、「本当にシビアな環境が合うのか?」と、何度も自問し始めたら自信がなくなってしまって…。


それらを書き出した上で俯瞰してみると、働く上で自分が大事にしていることが見えてきます。
例えば、年収を一気に上げたいなら外資系は最適かもしれないけれど、着実に上げていきたいなら、現職の方がリスクは少ないかもしれない。
裁量権をもって仕事がしたいなら、今より小規模の証券会社の方が自由度は高いのかもしれない。
上記のように、Tさんが何を重視し、どんな環境で働いていきたいのか…。
そうやって、自分の判断の軸を改めて見つめ直して整理してみるとよいかもしれません。
③面接で対話・質問をして不安を解消する


また、面接で転職理由や志望動機、キャリアプラン等を質問された際に、説得力ある回答ができない場合は、後で自分なりに考えを整理することで思考がまとまっていきます。
また、他社の求人情報にもたくさん触れることで、現職の良し悪しだとか、自分が置かれているポジション等を客観的に見つめ直すことができるので、不安の解消にもつながります。


例えば、Tさんと同じように日系の証券会社から外資系企業に転職した方がいるのであれば、今はその方はどんな風に活躍しているのかを聞いてみたり、可能であれば面談をセッティングしてもらうのもよいかもしれません。
そもそも証券アナリストの職種は、個人プレーというよりも、部下やリサーチャーに情報を集めてもらうことが多いので、どんな人とチームを組むのかは、とても重要な要素と言えるでしょう。
その方が周りのスタッフとどう連携して仕事を進めているのかなど、アナリストとしての働き方を具体的にヒアリングしてみてはどうでしょう。
なんだか、気持ちがラクになりました。

④企業を比較検討し、納得感のある転職につなげよう

証券アナリストとして10年以上の経験があるTさんなら、外資系証券会社への転職以外にも、もっといろいろな選択肢があるかもしれません。
例えば、現職と同じような日系の証券会社でも、特定の領域や企業規模に強い会社もありますし、アナリストとしてのスキルを活かして、格付け会社や調査会社、シンクタンクなどの職種に進む道もあるでしょう。
また、事業会社側に転職してみて、IR担当や経営企画職にチャレンジするのもよいかもしれません。
そうやって、さまざまな選択肢を検討してみることで、今後、自分がどんなキャリアプランを描きたいのかが、はっきり見えてくるでしょう。
それにより、他企業や自身の可能性を十分に比較検討した上で転職を決意した、という納得感にもつながります。


年収や労働時間、福利厚生などの条件ばかりを求めすぎると、自分が本当に活躍できそうな企業を選ぶための選択肢が狭まってしまう可能性も否めません。
そうならないためにも、まずは絶対に譲れない条件と妥協できる条件の両方を整理してから、転職活動を続けてみてはいかがでしょうか。

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