面談で厳しい質問をされたら圧迫面接?上手な対処法は?【転職相談室】
「すでに説明したつもりなのに、同じような質問をしつこくされた」「『本当にそうなの?』などと否定的な意見を言われた」。
ただでさえ緊張している面接で、厳しく突っ込まれると焦りが募り、「これって圧迫面接?」なんて思うこともあるのではないでしょうか。
今回は、圧迫面接について組織人事コンサルタントの粟野友樹さんに話を伺いました。
目次
面接で厳しく突っ込まれ、答えに詰まってしまいました。これって圧迫面接ですか?(Sさん/コンサルタント/27歳/男性)

新卒でコンサルティング会社に入り5年目。事業を当事者として見たいという思いから、事業会社の経営企画部門への転職を考えています。
現在、転職活動中で5社ほど並行して受けているのですが、面接では「なぜそう思うのか」「なぜそんな行動をとったのか」と繰り返し聞かれることが多く、緊張感に押しつぶされそうになります。
厳しい質問によって、何かを試されているのかなと感じてしまうほどです。
これは、圧迫面接なのでしょうか。企業側にはどんな意図があるのかを知りたいです。
質問が厳しいから、圧迫面接とは限らない

そもそも面接は緊張して臨むもの。Sさんのように、深く突っ込まれると、まるで責められているように感じるのもよくわかります。
ただし昨今では、意図的に圧迫面接をしている企業は非常に少なくなっているともいえます。
売り手市場が長く続いたことで、企業と求職者はよりフラットな関係になっているのが現状のようです。
また、企業の評価がインターネットなどの口コミですぐに広がるので、圧迫面接を行うことは、転職市場での企業価値を下げることにもつながってしまいます。
もしかしたら、Sさんが厳しいと感じた質問も、企業側は素朴に疑問をぶつけただけかもしれません。

「これって圧迫面接?」と感じる2つの質問パターン

一つは、同じテーマについて「なぜ?」と繰り返して深堀りされるもの。もう一つが、話した内容について「本当にそうなの?」など否定的に返されるものです。


・求職者側が答えた内容に具体性がなく、本人の価値観や考え方が見えてこない
・自分の実績や強みなど、アピールしたい内容を整理できていない
・表面的な話に終始していて、面接官が聞きたい内容に対しての答えがずれている
上記のケースに当てはまった場合、「なぜ、そう思うのか?」と企業側に同じような質問を繰り返されることもあります。
他にも、コンサルタントや経営企画、ソリューション営業など、物事を突き詰めて考える力が必要な仕事では、論理的思考力を問うために「なぜ?」と深堀りするケースは少なくありません。お客様の経営課題に向き合い、何らかの提案をする際は、先方が抱える表面的な課題のみならず、「この問題が起こる原因は何か」など、疑問を突き詰めて考える思考力が必要になるでしょう。
そういう意味でも、企業側は論理的一貫性を探る力を面接で見ているともいえます。


例えば、営業職の求職者の方が面接で「年間で3000万円の新規売上をあげて、社長賞を獲得しました」という実績を話したとしましょう。
しかし、相手の面接官が異業種でもっと大きな金額規模の案件を扱っている業界の会社であったりすると、求職者のいる業界に対する認識がないこともあり、今一つその成果や難易度が伝わらないケースがあります。
すると、「3000万円で社長賞って本当?うちの平均的な新規売上金額の半分くらいだな」といった疑問を感じることもあるようです。
面接では、求職者が話した内容に対して、面接官が自身の経験をベースに評価判断をすることが往々にしてあり、そこで共通認識が作れないときは「それって本当?」というような形で聞き返されることがあります。
面接官に共通認識や具体的なイメージを持ってもらえるようにするためには、「現職の平均新規売上は約1000万円である」など、相対指標で説明することがポイントです。
重視されるのは柔軟な対応力。圧迫面接だと感じても合格可能性はある
面接に向けて自己PRを考える段階から、「なぜそう思ったのか」「なぜその行動をしたのか」など、聞かれそうな質問内容を想定し、深く自問しておくべきだったなと反省しています。


ただし、面接で深堀りされたときに、完璧な答えを用意するのは難しいことですし、答えられないからといって不合格になると決まったわけではありません。
答えがすぐに出てこない場合は、「少しだけお時間をいただいてもいいですか」と申し出て、思考を整理する時間をもらったり、「うまくまとまっていないのですが…」と前置きを入れた上で話し始めるなど、柔軟な対応力が大切になります。
言葉がスムーズに出てこなくとも、その場で問われた質問に対して、自分なりに考えて答えようとする姿勢そのものが評価の対象になります。
答えの論点がずれているがゆえに「なぜ?」と繰り返し問われる場合は、一度、面接官と認識合わせをしてもいいでしょう。
面接の目的は、お互いの理解を深めることですから、「ご質問に対してこんな認識で答えたのですが、合っていますか?」と確認してから答え始めてもいいと思います。


答えられなかった質問内容は整理し、次回面接に活かす


質問内容を振り返ると、企業が自分に何を求めているかが見えてきます。
例えば、個人の業務スキルや知識、成績についてよりも、周りのメンバーに対する働きかけや行動実績、マネジメント上の苦労などを深く聞かれた場合、その企業はチームワークをより重視していて、チームへの貢献が企業側の評価に大きく影響するかもしれません。
そうやって質問内容を事前に整理しておくことで、自分に合う転職先かどうかを判断する貴重な材料にもなります。
もしも、面接官の大半が、明らかに威圧的な態度で接してくる場合、入社後も厳しく接してくる可能性も否めません。
そういう意味では、面接でのコミュニケーションは、社風を反映するともいえるでしょう。圧迫面接にうまく対応できた、できなかったにかかわらず、「この企業に入って本当に幸せか、自分らしく働けるか」を冷静に考えてから判断するといいでしょう。
早速、面接を振り返ってみたいと思います。ありがとうございました。

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