外資系に転職したいけど、英語力不足。応募しても大丈夫?【転職相談室】
2020年6月5日公開
最終更新日:2022年6月9日
外資系企業への転職を検討する際に気になるのが「英語力」。応募条件に「ビジネスレベルの〜」と書いてある場合、どの程度の英語力を求められているのか、気になりますよね。
今回は日本企業から外資系企業に転職を希望する方からのご相談に、組織人事コンサルティングSegurosの粟野氏がお答えします。
アドバイザー 粟野友樹
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。
「ビジネスレベルの英語スキル」お持ちの方歓迎と応募条件に書いてありますが、自分の英語力は不足しているかも……。応募していいのでしょうか?(Tさん/企画・マーケティング職/30歳/男性)
■現在の仕事
日本企業で企画・マーケティングの仕事をしています。
■悩み
転職活動にあたり求人を見ている中で、グローバル展開をしている外資系企業のマーケティング職に挑戦してみたいという気持ちが湧いてきました。今の会社ではそれなりに実績を積んでおり、求める人材の要件もほぼクリアしているのですが、1つだけ懸念が……。
■相談
採用情報を見ると、「ビジネスレベルの英語スキル」が必要とのこと。ざっくりした書き方なので、実際どれくらい英語を使えると合格ラインに乗るのかわかりません。ただ、英語を使った実務経験はないですし、英語力に自信があるわけではなく……。思い切って挑戦してみてもいいでしょうか?
「ビジネスレベルの英語力」のレベルは外資系企業によってさまざま
転職したい会社が提示しているお仕事の情報を、詳しく教えてください。
世界各地に展開している企業のマーケティング職です。業務内容としては、まずは国内市場のマーケティングから携わり、ゆくゆくはアジア・ヨーロッパ市場の仕事にもかかわることになるそう。それ以外についてはあまり記載がなかったのですが、入社直後でも「本国とのミーティングを定期的に行う」と書かれていて、会社に入ったらすぐに英語を使うことになるのかなと想像しています。
そこで英語力がどれくらい重要視されるか、が気になるわけですよね。
はい、英語の勉強は一応していますが、今の自分の英語力で足りるのかどうか、不安があります。
目安としては、TOEICのスコアが730点以上でしたら、ある程度英語ができる印象を与えることができるでしょう。得点ごとの大まかな目安は以下の通りになります。
- 220点未満:コミュニケーションができるまでに至っていない
- 220~465点:通常会話で最低限のコミュニケーションができる
- 470~725点:日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる
- 730~855点:どんな状況でもコミュニケーションができる素地を備えている
- 860~990点:Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる
出典:TOEICスコアは、英語スキルの目安になるの?TOEIC満点が教える本物の実力をつける学習法
ただ、どの程度の英語力が必要になるかはケースバイケースで、自分が就く職種や役職によるといえます。今回はまず国内市場のマーケティングに携わるとのことですから、実務の現場でのコミュニケーション相手は、主に国内の取引先や日本人メンバーになると思われます。
少し安心しました。入社してからも英語を勉強する余裕はありそうですね。
ただ、本国とのミーティングが定期的にあると書かれています。そこでどの程度のコミュニケーションが発生するのか、詳しく聞く必要があるでしょう。大企業であれば、本国のスタッフと直接やりとりをするのは、管理職クラス以上であることが多く、そこからメンバーに対しては情報が日本語で展開されるケースもあります。会議に通訳が入る場合もあるでしょう。その場合は、会議ですべての発言を理解できなくても、後でわかればOKというケースもあるかもしれません。
一方で、例えば、ベンチャー企業の日本法人で、直属の上司が英語圏出身者の場合は、入社後即英語でのコミュニケーションが発生する可能性が高いといえます。いずれにしても、入社後の環境を正確に確認することが必要です。
英語力不足でも、実務経験や専門分野は選考で強みになる
ここまでお話を聞いて、ビジネスシーンで一定レベル以上の英語力がないと、外資系企業への転職にチャレンジできないのでは、と思いました。正直、自信がありません……。今、他の外資系企業のマーケティング職も、採用情報をチェックしているのですが、どこも英語力が求められていて、自分にはやっぱり無理なのかなあと弱気になります。
必ずしもそうとは限らないと思いますよ。マーケティングの実務経験に自信があれば、英語に苦手意識があってもチャレンジする価値はあると思います。
マーケティングスキルを強調するといいのでしょうか。
そうですね。というのも、今回転職を希望されている会社では、まずは国内市場、ゆくゆくアジア・ヨーロッパ市場に携わる、ということですよね。ここで主として求められているスキルは、英語力よりマーケティング力である可能性が高いです。だからこそ、選考ではマーケティングの実務経験を強く打ち出してみてください。その上で、英語力については、たとえば「今は英語を勉強中で、入社1年以内にTOEICのスコアで800点を目指す」など、具体的な目標を設定し提示することで、意欲やポテンシャルがあると、評価してくれる企業も多いと思いますよ。
なるほど。マーケティングの実務なら任せてほしい、と自信を持って言えます!
特に外資系は職務や勤務地を絞り込む雇用契約である「ジョブ型」の採用方針を取り、職務の専門性に重きを置く企業も多いです。具体的にどの程度の英語力が求められているかは、選考を受けてみないとわかりません。直属の上司が外国出身者で、日々のコミュニケーションはすべて英語である場合など、ネイティブレベルの英語力を求められる場合、現在の英語力では難しいかもしれません。
それは仕方ないですものね。気になる外資系企業を何社か受けて、「今英語は勉強中で、入社後に〜」と目標を伝えて、英語力だけではなく、マーケティングの経験スキルを評価してくれる会社を探すのがいいかもしれませんね。
そうですね。一口に外資系と言っても、会社によって規模や条件は違いますし、求めるものも異なるでしょう。それに同じ会社でも、上司が外国出身者から日本人に変わったなど、タイミング次第で状況も変わるもの。選考を受ける前から自信喪失せず、積極的にチャレンジしましょう!


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まとめ
- 外資系企業ごとに、求める英語力は異なるため、具体的に求められるレベルを確認する
- 「ビジネスレベルの英語スキル」の目安はTOEICスコア730点前後
- 英語力が不足していても、実務経験や専門分野があるならアピールし、英語はこれから学んで強化すると伝える
記事作成日:2020年6月5日 ILLUST:安西哲平 EDIT:リクナビNEXT編集部